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[GDC 2009#12]映画にも活用されるHavok物理エンジンの最新技術を写真とムービーで見る
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印刷2009/03/26 21:55

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[GDC 2009#12]映画にも活用されるHavok物理エンジンの最新技術を写真とムービーで見る

Havok.comのAndrew Bond氏,Paco Vidal氏,Chris Elison氏
画像集#002のサムネイル/[GDC 2009#12]映画にも活用されるHavok物理エンジンの最新技術を写真とムービーで見る
 北米時間2009年3月25日,物理エンジンでお馴染みのHavok.comは,「Havok Technologies: Present and Future」と題した講演をGDC09で開催。「Havok Destruction」「Havok Cloth」「Havok AI」といった,ホットなHavok製品の紹介とデモの披露が行われた。

 Havok Destructionは,2年前のGDC07でも紹介したので,憶えている人もいるかもしれないが,Havokの技術はあれから順調に展開し,現在では,「X-MEN」「Harry Potter」などといった映画,あるいは,ソニー製テレビ「BRAVIA」などテレビコマーシャルの制作にも使われているという。

映画「X-MEN: The Last Stand」の制作風景
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映画「Harry Potter and the Order of the Phoenix」より
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映画「Kingdom of Heaven」のメイキングより
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ソニー「BRAVIA」のテレビコマーシャルより
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Havok Destruction


Kingdom of heavenより
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 3Dで「壊れたもの」を表示するには,壊れた形のオブジェクトが必要になるが,あらかじめ壊れたオブジェクトを用意し,かつ,あちこし“壊しまくれる”仕様にしつつ複雑なシーンに対応するとなると,恐ろしくコストがかかってしまう。この点,Havok Destructionでは,実行時に「壊れたオブジェクト」を生成してくれるので,開発コストを下げることができる。また,壊れ方も一様でなく,バリエーションは物理法則に従って無限になるため,不自然さも少ない。
 とはいえ,処理が重くて実用に堪えなければ意味がないわけで,これらをいかに軽くこなすかがキモといえるだろう。

木組みの橋梁を蒸気機関車が渡るデモ
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 Havok Destructionは,「Far Cry 2」「World in Conflict」など,すでにゲームでも多くの実績を挙げているが,注目すべきはすべてがCPU処理であること。「Mirror's Edge」で,布が裂けたり,破片が飛び散ったりする処理をCPUでやろうとするとゲームにならなかった(関連記事)のを思い出してもらえると,Havok Destructionの“軽さ”は想像できるだろうか。

 なお,セッション中には,「木組みの橋梁を蒸気機関車が渡る」という動作デモが行われた。セッション中のムービー撮影は禁止されていたが,同じデモが(Havok.comの親会社である)Intelのブースではとくに禁止されず展示されていたので,こちらを直撮りで以下のとおりお届けしたい。
 木組みがバラバラになるだけの,単なる剛体処理もあるが,ところどころで,木材が折れる複雑な処理も見て取れるはずだ。



Havok Cloth


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 布は,各部がバネのような弾性体で結合されたオブジェクトの,リアルタイム変形をサポートした処理系で実現される。旗や布切れならまだ簡単だが,布を使って服を作り,キャラクターに着せるとなると,かなり難度が高い処理になる。服の一部にそういった処理を行うだけでもかなりの効果が見込めるエフェクトだ。
 デモでは,素材の違いによりさまざまな特性をもった布(?)の実装例や,身体にまとわりつくドレスの例が紹介された。後者について,Intelブースのデモ展示直撮りムービーで以下のとおりお届けするが,赤いドレスを着て踊るデモは,かなり完成度が高い。



Havok AI


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 Havok AIは,物理シミュレーションとはあまり関係がない製品で,従来製品「Havok Behavior」を拡張して,パスファインディングを行うようにしたものだ。2009年1月28日の記事でお伝えした,Autodeskの「Kynapse」と同じような製品,といえばピンとくる読者もいるだろう。
 Havok AIは,リアルタイムに状況を把握して最短経路を見つけるほか,身体の大きさに合わせて「通れるところ,通れないところ」といった判定を行い,状況に応じた経路を見つけ出す。

 デモでは,入り組んだ城を通り抜ける例や,壁の破壊要素もあるシーンで300体のキャラクターと戦車などを同時に動かし,「避けられない場合は戦車に轢(ひ)かれる」という,凝ったサンプルが実演された。

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通路が複雑に入り組んだ城内を通り抜けるデモ。身体の大きさのパラメータを変更すると,経路も変わってくる
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こちらが,300体のキャラクターと戦車が入り乱れるデモ


複数の技術を組み合わせて実用レベルで動作

“Larrabee Havok”への期待が高まる


 Havok.comにとって,Havok DestructionやHavok Clothは,とくに「GDC09合わせの最新技術」というわけではないのだが,同社のほかの製品,それこそ「Havok Physics」やHavok Behaviorと組み合わせた用例が紹介されていたのが印象的だった。Havok Destruction,Havok AI,Havok Behaviorを組み合わせて使ったデモが,十分,実用レベルの速度で動く。
 いまやIntel傘下のHavok.comだけに,「Larrabee」(ララビー,開発コードネーム)登場の折りには,きっとものすごいデモを見せてくれるのだろう。

 ただ,ちょっと気になったのは,「Core i7-965 Extreme Editon/3.20GHz」に「ATI Radeon HD 4870 X2」を組み合わせたデモ機で動作していた機関車と橋梁のデモ――掲載したIntelブースでのムービーがそれだ――が,爆発の瞬間にカクっと止まって,コマ送りのようになっていたこと。撮影禁止のセッションで行われたデモだと,滑らかに動いていたのだが……。
  • 関連タイトル:

    Havok

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