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CLANNAD Full Voice
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印刷2008/06/19 11:51

連載

キャラクターゲーム考現学 / 第36回:CLANNAD Full Voice

キャラクターゲーム考現学
第36回:家族と幻想とギャル「CLANNAD Full Voice」

 

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2004年発売のオリジナルにはキャラクターボイスがなかったのだが,主人公以外の人物に声を当てたフルボイス版で再登場。差し当たりこの作品の「完成型」といえようか

 今回はKey/Visual Art'sの「CLANNAD Full Voice」を取り上げる。あらためて“Full Voice”と謳われていることからも分かるように,2004年に発売されたオリジナル版にキャラクターボイスはなかった。それがコンソールゲーム機版,テレビアニメ版を経て音声付きでPCに戻ってきたわけである。

 最近でいえばPSP版の好調なセールスと,テレビアニメ第2期の制作など,「CLANNAD」をめぐる話題はまだまだ尽きない。オリジナル版の発売から4年近くを経て,なおも勢いの衰えない,ある意味ロングセラー作品なのだ。

 

 

Character Side:ワケありの主人公,バランスのとれた人物配置

 

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ある日,いつものように遅れて学校へ行くと,校門の手前で一人の少女に出逢う。すでにほかに登校する生徒はいない時刻,なぜか彼女に出逢ったところから物語は始まる

 とある理由から連日学校に遅刻している主人公が,いつものとおりとっくに授業が始まっている時間に学校へ向かうと,校門前で学校に入るのをためらっている女生徒がいた。主人公が彼女に声をかけた瞬間から,物語は動き出す……。
 そんなプロローグからストーリーは始まる。遅刻常習犯でクラスにとけ込んでおらず,他人との関わりも避けていた主人公は,この出逢いをきっかけとしてその少女が気にかかるようになり,やがて周囲との関係も変わってゆく……というのが基本的な展開である。

 主人公と関わってくる人物は,性別を問わずバラエティに富む。最初に出逢った,けなげで何事にも一生懸命な渚,周囲から避けられてきた主人公にも気軽に話しかけてくれる元クラスメイトの杏,図書室で出逢った無口な秀才少女ことみ,春から転校してきた,1年下の智代といったヒロインだけでなく,悪友の陽平や渚の両親など,主人公はさまざまな立場の人と出会い,貴重な時間を過ごしていくことになる。

 

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いつもは気さくだが,妹のことになると豹変する杏。双子キャラとしては,よくある人格造形。ちなみに,これと双璧をなす造形が,元気な妹に振り回される弱気な姉であることは言うまでもない

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授業をさぼって,ふと足を運んだ図書室でことみに出逢う。床にクッションを置いて裸足で座るなど,その場に似つかわしくない雰囲気で,その後主人公は何かと気になってしまう

 

 ヒロイン達の布陣は,前述のようにまじめで人当たりのよいメインヒロインに加え,明るく気の強い娘とセットになる気の弱い娘,そして寡黙で何を考えているか分からない娘など,さまざまな物語の展開にうってつけな,まさしくバランスを考えた配置だ。
 ただし,このゲームにおいては各ヒロインのルートだけでなく,登場するキャラクター(男性キャラ含む)の大半に,固有のエンディングが存在するのが大きな特徴である。
 以前「リトルバスターズ!」を取り上げたときにも軽く触れたが,Keyの作品のテーマは「人の絆」であり,CLANNADの場合それは「家族愛」だ。さまざまな人と関わり,それぞれの物語を見ることで,主人公がどう変わっていくか,それがこのゲームのポイントといえる。

 ほとんどのキャラクターに固有の物語が用意されているのは,まさしく人と人との絆を描くためであり,その全貌となると,ボリュームはかなりのものだ。

 

古河 渚

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主人公がある日登校中に出逢った少女。体が弱く,前年度に9か月もの間病欠してしまったために留年,同級生はみな卒業してしまったため,現在はクラスの中で居場所がなく,孤立してしまっている。主人公と出逢ったのは復学当日であり,ためらっていたところ,主人公に声をかけられて登校できた。まじめで誰に対しても優しいが,気弱で自信がないところもある。経験はないが演劇に興味を持っており,廃部状態の演劇部を復活させようと奮闘する。
(CV:中原麻衣)

 

一ノ瀬ことみ

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授業をさぼって校内をうろついていた主人公が,図書室で出逢った少女。全国でトップレベルの学力を持ち,進学実績のために授業に出席しないことを黙認されており,たいてい図書室にいる。ハサミで図書館や書店の本のページを切り抜くといった奇行があり,会話がかみ合わないなど,総じて世間離れしている。折に触れて「たんぽぽ娘」(ロバート・F・ヤング著。実在する書籍)の著名なセリフを口にする。
(CV:能登麻美子)

 

藤林 杏(きょう)

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主人公と昨年同じクラスで,今年は隣のクラス。遅刻を繰り返し,周囲からは不良扱いされている主人公に,気軽に話しかける数少ない生徒。歯に衣着せぬ物言いが特徴で,怒らせると怖く,双子の妹の椋に関することになると,手加減がなくなる。イノシシの子供の「ボタン」をペットにしているが,そのネーミングはいかがなものかと思う。
(CV:広橋涼)

 

藤林 椋(りょう)

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杏の双子の妹。主人公のクラスの委員長を務めている。その立場上,主人公と陽平の遅刻常習犯コンビに悩まされている。この手の双子キャラによくあるとおり,姉の杏と反対におとなしくて引っ込み思案,かつまじめなタイプ。占いに詳しく,彼女が占いを実行するときは,席の周りを女子生徒が囲むことになる。ただし結果については,必ず外れる模様(つまり結果を反対にすればすべて適中だ)。(CV:神田朱未)

 

坂上智代

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春に転校してきた2年生。運動神経がよくケンカも強い。転校前はケンカを繰り返していたため,周囲の不良生徒にも恐れられているという武闘派だったヒロイン。転校を機に女の子らしく過ごすと決めている。また,生徒会長を目指しており,自他共に不正を許さない。なお,本編のAFTER STORYとは別に,智代エンディングのあとを描いた別タイトル「智代アフター」(18禁)がリリースされている。
(CV:桑島法子)

 

春原陽平(すのはらようへい)

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主人公の悪友。もともとはスポーツ推薦で入学したが,ケンカ沙汰で退部になり,その後は主人公同様遅刻常習犯の不まじめ生徒となっている。「不良」といっても周りにはヘタレと思われており,決してワルではない。軽薄で不用意な発言が多く,体を張ったドタバタギャグ担当ともいえる。
(CV:坂口大助)

 

 

 

Story Side:家族の崩壊と再生の物語

 

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渚の家族と接することで,「家族」というものについて再認識する主人公。家族の絆がメインテーマともいえるこの作品では,キーポイントともいえるシーンだろう

 CLANNADのゲームとしての特徴は,複数回のプレイを前提にしたシナリオの構成と演出にある。
 ストーリー全体は2部構成になっており,先ほど触れた学校におけるさまざまなストーリーは第1部というべき内容で,何人かのキャラクターのエンディングを見ることにより,第2部ともいえる「AFTER STORY」がプレイできるようになる。
 また,第1部のシナリオには時折「幻想世界」と呼ばれるパートが挿入される。このパートの意味と役割は,AFTER STORYで明かされるという仕掛けだ。
 AFTER STORYはその名のとおり,学園卒業後のお話で,時間軸で見るとメインヒロインである渚のエンディングのあとにつながる。ここでは,卒業後の主人公と渚のドラマが綴られていく。

 

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時折挟まれる「幻想世界」。何も生まれず,何も死なない世界。なぜこれが挟まれるのか,いったいどういう意味があるのか。それはAFTER STORYをプレイすれば分かってくるだろう

 AFTER STORYは基本的に恋愛ドラマというより,ヒューマンドラマというべき内容であり,第1部の学園モノとはまったく趣の異なる話が続く。一般的な恋愛アドベンチャーでは「恋愛の成就」までが描かれるのに対し,いわばその「先」を描いたのがAFTER STORYなのである。それは,第1部の渚シナリオで語られた家族との関係をあらためて描いた,家族の再生の物語といえる。
 最終的なエンディングを迎えるには複数回のプレイが要求されるようになっていることは,再三述べているとおり。それのみならず,第1部のシナリオに関しても,別のシナリオでのイベント発生によって内容が変化するといった仕掛けがあり,個々のイベントについても意識して複数回プレイしないと,全バリエーションが見られないように組み立てられている。

 シナリオの構成が複雑に絡み合っているため,すべてを理解するためにはかなりのプレイ時間を必要とするが,そのぶん長時間楽しめるわけで,独特のテイストが気に入った人にとってはお買い得感が高いと思われる。総じてシナリオの完成度は高いので,お話に引き込まれさえすれば,道のりの長さが気になることもないだろう。

 

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ことみが口にする「おとといは兎を見たわ。きのうは鹿,今日はあなた」は,SFの古典「たんぽぽ娘」の有名なセリフ。このセリフだけでなく,ことみシナリオ全体にたんぽぽ娘モチーフが見られる

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杏のペットであるボタンが学校にやってきてしまった。……仮に子馬を飼っていたら「サクラ」,ひよこだったら「カシワ」,子ふぐだったら「テッポウ」とでも名付けたであろうか?

 

 

■■田村眞治(ライター)■■
「夢幻戦士ヴァリス」の時代から22年余,キャラクターゲームの歩みを見守り続けてきた(いや,別のことをしていなかったわけではない。念のため)ベテランライター。第3期連載に当たっては,もっぱらトラディショナルな形の作品を担当してもらうが,ぜひ最近の動向も押さえたうえで,持ち前の微妙な知識と組み合わせたオリジナリティの高い解説を展開してもらいたい。
  • 関連タイトル:

    CLANNAD Full Voice

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