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「MAXIMUS VI FORMULA」フォトレポート。黒い装甲板をまとったゲーマー向けマザーボードの特徴を写真でチェック
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印刷2013/08/21 00:00

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「MAXIMUS VI FORMULA」フォトレポート。黒い装甲板をまとったゲーマー向けマザーボードの特徴を写真でチェック

MAXIMUS VI FORMULAの製品ボックス
画像集#003のサムネイル/「MAXIMUS VI FORMULA」フォトレポート。黒い装甲板をまとったゲーマー向けマザーボードの特徴を写真でチェック
 ASUSTeK Computer(以下,ASUS)は2013年6月に開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2013にて,ゲーマー向け製品ブランド「R.O.G.」(Republic of Gamers)の新製品を複数発表した(関連記事)。
 そのなかでもとくに注目を集めたのが,第4世代Coreプロセッサに対応するマザーボードの新製品として披露された,ゲーマー向けのフラグシップモデル「MAXIMUS VI FORMULA」である。

 MAXIMUS VI FORMULAは,2012年8月に発売された「Maximus V Formula」の後継となる製品で,Intel 8シリーズチップセットの最上位モデル「Intel Z87 Express」(以下,Z87)を搭載したマザーボードだ。発売時期は9月の予定で,メーカー想定売価は4万5000円前後とされている。

 MAXIMUS VIシリーズでは,すでにオーバークロッカー向けの「MAXIMUS VI EXTREME」が発売済みで,実勢価格4万4000〜5万円程度(※2013年8月20日現在)で流通中だ。つまり,このままいけば,MAXIMUS VI EXTREMEとおおむね同程度の価格でMAXIMUS VI FORMULAは店頭へ並ぶことになるわけだが,果たしてどのあたりが「ゲーマー向けのフラグシップモデル」となっているのだろうか。今回4Gamerでは,量産ラインを使ったサンプルボード(※量産前の最終確認に使う個体)を入手できたので,その特徴を写真メインでお伝えしてみたい。

MAXIMUS VI FORMULA
メーカー:ASUSTeK Computer,問い合わせ先:テックウインド(販売代理店)info@tekwind.co.jp
メーカー想定売価:4万5000円前後(※2013年8月20日現在)
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基板の保護と放熱を兼ねる「ROG Armor」

バックプレートは鋼鉄製


 一目で分かるMAXIMUS VI FORMULAの特徴が,マザーボードの表と裏を覆っているカバー「ROG Armor」である。
 基板を表と裏の両方からカバーで覆う構造と聞いて,ピンと来た人も多いだろう。耐久性重視のASUS製マザーボードブランド「TUF」(The Ultimate Force)に属するSABERTOOTHシリーズでは,トンネルのように設けた空洞によってエアフローを整えるとされる表面のカバー「TUF Thermal Armor」と,放熱板兼補強板として機能するバックプレートで基板を覆っていたが,ROG Armorから受ける印象は,SABERTOOTHシリーズのカバーとよく似ている。
 実際,鋼鉄製のバックプレートは,SABERTOOTHシリーズのそれと同じく,放熱板,そして,パーツの着脱時に生じるテンションからマザーボードを保護する補強板として機能するようになっているという。

鋼鉄のバックプレートが背面を保護するMAXIMUS VI FORMULA。マザーボードらしからぬゴツい見た目に引かれる人もいるだろう
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 ROG Armorは,プラスネジでネジ留めされているだけなので,自己責任を覚悟すれば,外すのは簡単だ(※もっとも,一度PCケースに組み付けた後は,取り外すまでが大変だが)。というわけで外してみると,バックプレートの内側,ちょうど電源部の裏側部分に,ゴム状の熱伝導シートが貼られているのを確認できた。これにより,電源部の熱を,大きなバックプレートいっぱいに拡散しようしているわけである。

取り外したバックプレート。単体の重量は実測値で約410gだ。電源部のちょうど裏側部分にのみ,ゴム状の熱伝導シートが用意されていた。電源部の熱を集中的に拡散させようというのだろう
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取り外したトップカバー全体。樹脂製なので,重量は実測値で約150gと軽い
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 鋼鉄製のバックプレートを留めていたネジを外すと同時に外れる表側のカバーはABS樹脂製で,TUF Thermal Armorとは違い,グラフィックスカードの熱から,マザーボード基板上にある,比較的熱に弱い部分を保護するとされている。昨今のウルトラハイエンドグラフィックスカードはカード全体から熱が拡散したりするので,そう考えると,トップカバーは意外とアリかもしれない。

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トップカバーの裏側。空洞だが,エアフローを整えていそうな気配は確かにない
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拡張スロットの周囲を覆っており,グラフィックスカードの熱からマザーボード基板を守るという

 そそっかしい筆者などは,PCケースへのマザーボード取り付け作業や,各種パーツ類を付け外しするときなどに,ねじや小さな部品,はては工具を基板上に落としてヒヤッとすることも珍しくない(※それでマザーボードを壊したこともある)。その点,マザーボード表面のほとんどを覆うトップカバーがあれば,思わぬ事故から部品や基板を保護するのにも役立ちそうだと感じた。マザーボードをPCケースに装着せず,むき出しで使っているような人にも,このトップカバーは破損防止に役立つのではないだろうか。

ROG Armorを外したマザーボードの表面(左)と裏面(右)。Maximus V Formulaでは,電源部裏面にヒートスプレッダが取り付けられていたが,MAXIMUS VI FORMULAではバックプレートがあるため廃止されている
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電源部の冷却機構は「CrossChill」に変更

空冷・液冷両対応はそのまま,形状を簡素に


 外観面で目に止まるもう1つの特徴が,CPU用の電源部に,空冷と液冷の両方に対応した冷却機構「CrossChill」を装着している点だ。ASUSでは,CrossChillに液冷システムを組み合わせることにより,空冷のみで冷却するときと比べて,電源部主要部分の温度を最大で約23℃下げられるとしている。

 電源部に空冷・液冷両対応のヒートシンクを付けるという手法は,前モデルであるMaximus V Formulaでも採用されていたものだ。ただ,Maximus V Formulaのヒートシンクに比べると,ROG Armorで覆われるという理由もあってか,CrossChillの形状はかなりシンプルになっている。空冷・液冷両対応ヒートシンクでは,パイプを取り付けるためのコネクタがヒートシンク上に突出していることが多いのに対して,CrossChillでは突出部がなく,ヒートシンク上にはパイプの継ぎ手を取り付ける穴が開いているだけだ。

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左はMaximus V Formulaのヒートシンク「Fusion Thermo」。右がMAXIMUS VI FORMULAのCrossChillで,形状は大きく様変わりした。継ぎ手の取り付け穴はゴムのカバーで覆われている

CrossChill本体は,マザーボードの裏からねじ留めされているだけなので,ROG Armorを取り除くと簡単に取り外せる。トップカバーで覆われる天面部はフラットで,側面がフィン状になっているのが特徴だ(左)。マザーボードに触れる部分には,ゴム製のシートが貼り付けられていた(右)
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 CrossChillに液冷システムを取り付けるには,上面の穴にパイプをつなぐための継ぎ手を装着して,そこにパイプを差し込む。継ぎ手用のねじ穴は,液冷システムでは一般的に使われている「G1/4インチ規格」に対応しているとのことで,ASUSによれば,使うパイプの幅に合わせて「継ぎ手を自由に選択できる」点が利点だそうだ。
 ASUSは去る8月10〜11日に都内の秋葉原UDXでエンドユーザー向けイベントを開催し,そこでMAXIMUS VI FORMULAを用いた液冷のデモ機を展示していたが(関連記事),そこでは,L字型の短い継ぎ手を使ってパイプとCrossChillを接続することで,パイプの長さを抑えた冷却システムが構成されていた。システム内に配置するパイプを短くしたり,冷却能力に合わせてパイプの太さを選べたりできるというのは,たしかに利点といえるだろう。

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ASUSの資料より,CrossChillの構造と対応する継ぎ手に関する説明スライド
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液冷ユニットを接続したデモ機。L字型の継ぎ手でパイプを接続している

 電源部のヒートシンクに触れたついでに,電源部も見ておきたい。
 MAXIMUS VI FORMULAの電源部は,「Extreme Engine DIGI+ III」と呼ばれている。ASUSの資料や製品情報ページでは,Maximus V Formulaで採用されていた「Extreme Engine DIGI+ II」との違いが分かりにくいのだが,基本的にはマイナーチェンジ的な改良版という理解でいいようだ。

ROG ArmorとCrossChillを外すと,電源部の部品が顔を見せる。円筒形のコンデンサは,Maximus V Formulaと同じく,日本の電子部品メーカー,ニチコンの子会社であるFPCAP ELECTRONICS製
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 具体的には,第4世代CoreプロセッサのCPU内蔵型電圧レギュレータに対応しつつ,60Aの電流量に対応し,温度の上昇と電力消失が少ないとされるチョークコイル「60A BlackWing Choke」を新たに採用したのが特徴とのこと。
 その一方で,コンデンサに「10K Black Metallic Capacitor」を採用する点は,前モデルと変わっていない。電源部は,大きな変更こそないものの,電力効率が若干の改善を果たし,温度がやや上がりにくくなったと理解すればいいだろう。


独自のミニ拡張カードmPCIe Comboが改良

M.2に対応したmPCIe COMBO IIに


 拡張スロットやインタフェース類をチェックしてみると,まず目を引くのが,I/Oインタフェース部の隣にある独自仕様のコネクタと,そこに装着する小型拡張カード「mPCIe COMBO II」カードの存在だ。

 mPCIe COMBO II(とそのコネクタ)は,前モデルであるMaximus V Formulaに付属していた小型拡張カード「mPCIe Combo」の改良版である。元になったmPCIe Comboは,mini PCI Express 2.0スロットとmSATAスロットを備えた小さい拡張カードで,mini PCI Express側に,IEEE 802.11a/g/n対応の無線LANBluetooth 4.0コンボカードを標準搭載していた。これを使うことで,標準のPCI Express
(以下,PCIe)スロットやSATAポートを使うことなく無線LANコントローラやmSATA SSDを利用できますよ,いうのが売りだったわけだ。

付属のmPCIe COMBO IIカード。R.O.G.のロゴが入ったカバーの下に,M.2対応SSDを装着できる
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 それに対してmPCIe COMBO IIの改良点は,まず,SSD用のインタフェースが,mSATAから「M.2」(NGFF,Next Generation Form Factorともいう)に変更されたことが挙げられる。また,コンボカードも新しくなり,新たにドラフト版IEEE 802.11acへ対応したものとなった点も重要だ。
 マザーボードとmPCIe COMBO IIはPCIe 2.0 x1で接続されているため,これにM.2対応SSDを装着しても性能面で大きな期待はできない。とはいえ,早くもM.2インタフェースに対応してきたという点を,デスクトップPCのマザーボードとして珍しい特徴と言うことはできるだろう。

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I/Oパネルの左隣に見えるコネクタが,mPCIe COMBO II用コネクタ(左)。マザーボード上にピンヘッダが突き出ていたmPCIe COMBOとは形状が変わった。付属のmPCIe COMBO IIカードを装着するとこうなる(右)。左横のケーブルは無線LANアンテナとの接続用で,I/Oパネルのシールドにはめ込む仕様

mPCIe COMBO IIカード。mini PCIeインタフェース側に無線LAN+Bluetoothカード(左)が装着済みとなっている。反対側には,NGFFと書かれたM.2インタフェースを備えており,22×42mmのM.2対応SSDモジュールを装着可能。右の写真はカバーを外した状態だ
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MAXIMUS VI FORMULAの拡張スロット。PCIe x16で動作するx16スロットは,CPUに近い左側の赤いスロットのみ
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 次に,通常のPCIeスロットだが,PCIe 3.0 x16スロットを3本,PCIe 2.0 x1スロットを3本備えており,2本のx16スロットを使った2-way SLI/CrossFireと,3本を使った3-way CrossFireに対応する。
 x16スロットはいずれも第4世代Coreプロセッサが持つPCIe 3.0 16レーンに接続されており,CPUに近い側のスロットから順に,以下のような構成が可能だ。ちなみに,すでに発売されているMAXIMUS VI EXTREMEは,x16スロットを4本備えているので,MAXIMUS VI FORMULAは拡張スロットの数でそれに及ばない。

  • x16+x0+x0
  • x8+x8+x0 (2-way SLI/CrossFire時)
  • x8+x4+x4 (3-way CrossFire時)

 なお,従来製品となるMaximus V Formulaでは,チップセット側のPCIe 2.0コントローラにPCIeブリッジチップを接続し,x4スロットを1つ用意していたが,MAXIMUS VI FORMULAではPCIeブリッジチップを使っておらず,x4スロットも持たない。x4スロットを必要とするデバイスは少ないので,コスト削減のために削除されたのだろう。

SATA 6Gbpsポートは計10ポートを用意。eSATAポートはない。Z87が管理するポート(写真上側から6ポート)と,ASM1061が管理するポート(下側から4ポート)で見た目に違いはないが,ASM1061側ポートはROG Armorに「E1 E2」と書かれている
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 Serial ATA(以下,SATA)インタフェースは10ポートを備えており,すべてがSATA 6Gbpsに対応している。そのうち,メモリスロットに近い側の6ポートが,Z87の内蔵SATAコントローラが管理するポートとなっており,残る4ポートは,オンボードで搭載したASMedia Technology(以下,ASMedia)製のSATAコントローラ「ASM1061」が管理するものだ。
 ちなみに,MAXIMUS VI FORMULAのマニュアルによると,Z87がサポートするSATAポートの5番めと,mPCIe COMBO IIカードのM.2スロットは排他となっているため,M.2側を使用する場合,SATAポートの5番めは無効になるとのことだ。

MAXIMUS VI FORMULAのI/Oインタフェース部。左端にあるスイッチは,上側がUEFI BIOSのパスワード削除用ボタンで,下側がハードウェア情報を別のPCから読み出したり,UEFI BIOSのアップデート時に使ったりする「ROG Connect」ボタンだ
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 I/Oインタフェース部も簡単に見ておこう。
 USBは3.0が6ポートに,2.0が4ポート。ビデオ出力端子はDisplayPortとHDMIが各1ポートで,そのほかには7.1ch出力とライン/マイク入力に対応した3.5mmミニピン端子×6,光角形のデジタル出力端子×1,1000BASE-T LAN端子が並んでいる。

 なお,MAXIMUS VI FORMULAはオンボードの有線LANコントローラとして,Intel製の「Ethernet Connection I217-V」(WGI217V)を採用している。最近のゲーマー向けマザーボードでは,Qualcomm Atheros製のゲーム用LANコントローラ「Killer E2200」を採用する製品が増えているが,Killer E2200を採用しても,ネットワーク帯域幅が確実に向上する一方,ゲームにおける体感性能が何か変わったりはしないので(関連記事),ASUSは「コストに見合わない」と判断したのではなかろうか。

MAXIMUS VI FORMULAのサウンド機能周辺。HD Audio CODECチップ(上)をEMI保護カバーで覆ったり,アナログ回路を基板上で分離する構造は従来どおり。新たに搭載された4つの赤いフィルムコンデンサが目を引く(下)
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 オンボードのサウンド機能もチェックしてみよう。MAXIMUS VI FORMULAのサウンド機能は,「SupremeFX」の第5世代に当たるものということだが,名称がきちんと統一されていないのか,英語の製品情報ページでは「SupremeFX Formula」,英語のセールス資料では「Advanced SupermeFX」,日本語の製品マニュアルでは「ROG SupremeFX Audio」と書かれているといった具合にまちまちである。共通するのはSupremeFXの名前だけだ。

 名称の混乱はともかく,サウンド機能の基本的な要素は,Maximus V Formulaのそれを継承している。マザーボード上でアナログ回路部分を物理的なシールドによって分離する構造や,SupremeFXのロゴが入ったEMI保護カバーでHD Audio CODECチップを覆う点,ヘッドフォン用のOPAMP(オペアンプ)として,Texas Instruments製のヘッドフォンアンプ「TPA6120A2」を採用している点などは,従来のSupremeFXと同じだ。

 では何が変わったのかというと,赤いカバーに包まれた独WIMA製のフィルムコンデンサを採用してきた点と,フロントパネルのヘッドフォン出力用にCirrus Logic製の2ch D/Aコンバータ「CS4398」を採用した点が挙げられる。ASUSはアナログヘッドフォン出力時のS/N比120dBを謳っており,ここには相当自信があるようだ。
 余談だが,Maximus V Formulaには外付けのUSBサウンドデバイス「ThunderFX」が付属する製品がラインナップされていたが,MAXIMUS VI FORMULAでは今のところ,そういった構成の製品はない。


ゲーマー向けの機能は少ないが

価格を気にしないなら選択する価値はあり


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 ここまで見てきた限りでは,MAXIMUS VI FORMULAは「ゲーマー向けに特化した分かりやすい特徴」というよりも,基板の保護や手軽なオーバークロックといった,「PCゲームもする自作PCユーザー」に喜ばれそうな要素が目立つようだ。
 4万5000円前後というメーカー想定売価は,安いとは言えないものの,ROG Armorの見た目は所有欲をくすぐる面があり,自作PCの組み立てやパーツ交換のときに,基板がきちんと保護されているというのは安心感をもたらす。また,ゲームPCに組み込んで使う場面を考えても,機能面でとりたてて不足を感じる部分は見当たらない。

 価格の高さが気にならないのであれば,第4世代CoreプロセッサベースのゲームPCを自作したいという人にとって,MAXIMUS VI FORMULAは悪くない選択肢になるのではないだろうか。

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MAXIMUS VI FORMULA 製品情報ページ(英語)

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