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印刷2008/07/18 14:20

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[CJ 2008#16]シュールな演出にちょっとびっくり。「カウンターストライクオンライン」中国サービス発表会

※2008年9月16日7:30PM頃,世紀天成のプロデューサー 陳斌氏への現地インタビュー結果を追記しました。

 G★ 2007のNexon新作発表会の場で,大陸中国および台湾のパブリッシャとNexon/Valveが,それぞれの地域におけるサービス契約を結んでから8か月あまりが経った。大陸中国のパブリッシャである世紀天成(SPTT)は,今回のChinaJoyで初めて,中国の一般ゲーマーに向けて「カウンターストライクオンライン」(中国語タイトルは「反恐精英」。つまりカウンターテロのエリートという意訳)を披露する運びとなった。
 同社のブースにはほかの作品に混じって,「カウンターストライクオンライン」の試遊台が多数用意されていたのだが,それとは別に7月17日の2:00PMから(ただし実際には15〜20分ほど開始が遅れていた),同作品の「発表会」が開かれた。
 発表会といっても,G★ 2007でNexonが説明した内容から,大きく付け加わったアナウンス項目はなかった。そこで流されたプロモーションムービーの内容は,中国で「Counter-Strikeがもはや一種の精神,一種の信仰」と呼び得るものであることが強調され,その後継に「カウンターストライクオンライン」を位置付けるという,お馴染みのもの。「王者帰来」というコピーが,その論点を締めくくっていた。
 壇上に上った世紀天成サイドの司会はさらに,「みなさんに中国版カウンターストライクオンラインをお見せするのは,これが初めてのことになる」「オンラインFPSの代表として,必ずブームとなるはずだ」「ゲームに必要なのはそもそもコミュニティである」といった論点を補足し,クラン戦の支援やランキング機能といった「カウンターストライクオンライン」固有の価値を強調,続いてChinaJoy 2008の会期中に開催されるトーナメントについて説明した。


 とまあ,ここまでなら現地パブリッシャによるPRとしてはポピュラーなものだろう。だが,こうした説明の合間合間に独特のパフォーマンスを挟んだのが面白いところだ。
 その一つめは,ムービー画面と,舞台に上がったテロリスト役をシンクロさせた演技である。画面内でテロリストキャラクターがとる所作に合わせるかのごとく,壇上のテロリスト役がポーズをとる。このパフォーマンスの最後にはカウンターテロ部隊側が現れ,双方が銃撃戦を演じるという流れになる。M16を持ってプローンやしゃがみ撃ちといった,いかにも玄人っぽい射撃姿勢を演じるカウンターテロ部隊に対し,テロリスト側はAKを腰溜めで撃ち,反動を体で押さえ込むという,非正規部隊っぽさを強調した演技だった。



 銃撃戦はカウンターテロ部隊の勝利に終わったと思しく,壇上にはカウンターテロ部隊の隊員だけが残って,その横にコンパニオンさんが付き,一緒にポーズをとる。それが一段落したあとにテロリスト役が代わって登場,同じくコンパニオンさんとポーズをとるが,こちらはより鷹揚というか,テロリストもコンパニオンさんも割とインモラリティを強調するかのように挑発的な姿勢をとる……。

 BGMの節回しに合わせて,両部隊の役者さんもコンパニオンさんもビシッとポーズを決めていたあたりから,かなり気合いを入れて練習したことが窺われる。……なんというか,力の入れどころがパフォーマンスとフォトセッションにあるあたり,ある意味たいへんChinaJoyらしいお祭り騒ぎの仕立てだったといえよう。

 そうしたわけで,サービススケジュールすらまだ明らかにされていない,「カウンターストライクオンライン」の中国サービスなのだが,少なくとも日本よりは早いタイミングと推測される。FPS,さらには旧来の「Counter-Strike」を長らく愛好してきた中国市場で,「カウンターストライクオンライン」がどのように受け取られていくか,日本でのサービス前に注視しておくのも面白いのではないだろうか。


 発表会の実施直前に,「カウンターストライクオンライン」の中国パブリッシャ世紀天成の運営総監(オペレーションディレクター)陳斌氏にインタビューを行った。中国では今回が一般ゲーマーへのお披露目の段階とあって,製品そのものに関してあまり詳しい話は聞けなかったものの,サービスとの関連で,中国市場に横たわる大きな問題に対するスタンスについても聞いてみた。


4Gamer:
 本日はお忙しいところありがとうございます。中国での「カウンターストライクオンライン」の前評判はいかがですか?

陳斌氏:
 「カウンターストライク」そのものは10年にわたる歴史を持ち,中国では代表的なFPSとして親しまれています。オンライン版に対するプレイヤーさんからの期待は大きいですね。


4Gamer:
 ゲームジャンルとして,中国ではやはりFPSの人気が高いのでしょうか?

陳斌氏:
 そうです。そうした市場が育つに当たって「カウンターストライク」は,大きな役割を果たしてきました。いままでにほかのFPSも市場に参入してきましたが,「カウンターストライク」の地位を脅かすには到りませんでした。

4Gamer:
 では「カウンターストライク」の,中国における人気の秘訣はどんなところにあったと考えていますか?

陳斌氏:
 ここまでに出てきたFPSの中で,最も操作性に優れていたことだと思います。それゆえe-Sportsの競技としても広く採用されていますし,世界中で人気のあるゲームとなり得たのだと思っています。

4Gamer:
 その「カウンターストライク」をベースにした「カウンターストライクオンライン」は,同様に大きな成功を収めると考えていますか?

陳斌氏:
 はい。中国のゲーマー人口は年々増えていますから,「カウンターストライクオンライン」が成功を収める可能性は高いと思います。

4Gamer:
 なるほど。ところで「カウンターストライクオンライン」のβテストは,大々的に行う予定になっているのでしょうか?

陳斌氏:
 さすがにクローズドβテストから大人数でやる予定ではありません(笑)。オンラインゲームは通信条件に強く制約されますので。しかし,オープンβテストに移行したら,それは大規模に行う予定です。

4Gamer:
 オープンβテスト段階では,ネットカフェからもプレイ可能にする予定でしょうか?

陳斌氏:
 はい,オープンβテストの段階で,ネットカフェからのプレイは可能になる予定です。中国には現在,12万店舗を超えるネットカフェがあり,そこには従来の「カウンターストライク」のプレイヤーさんが大勢います。
 ネットカフェでのテストプレイを通じて,「カウンターストライクオンライン」が好きになってもらえるよう,頑張っていくつもりです。


4Gamer:
 では従来の「カウンターストライク」のプレイヤーさんからの注目を,「カウンターストライクオンライン」に集めるための新しい魅力は,どの部分にあるとお考えですか?

陳斌氏:
 中国で普及しているのは,「カウンターストライク」の1.5と1.6であり,「カウンターストライクオンライン」は1.6に基づいていますので,プレイして違和感がないところが重要です。そしてそこに,対戦のサポートやランキングといった,オンライン版ならではの新機能が加わるわけです。

4Gamer:
 そこは確かに重要なポイントだと思います。ただ,従来版の「カウンターストライク」でよいと思う人が一定数残ってしまう可能性もあるように思われます。現在ネットカフェで提供されている「カウンターストライク」との間で,何らかのライセンス関係の調整はお考えでしょうか?

陳斌氏:
 いや,それはとくに考えていないですね。「カウンターストライクオンライン」にはランキングシステムやデスマッチ,新しいマップや武器などがありますから,自然にそちらに目が向くものと考えています。

4Gamer:
 ただ――これは私個人の限られた観察に基づいて述べていますが――現状でネットカフェに導入されている従来版「カウンターストライク」の多くは,海賊版/ハック品だと思います。「カウンターストライクオンライン」のサービス提供は,この現状を大きく改善できるエポックだとも思うのですが,いかがですか?

陳斌氏:
 海賊版に関しては中国が長年努力してきましたが,いまでも解決することが難しい課題です。そして,ここまでのオンラインゲーム運営を通じて,当社は政府と良好な関係を維持しています。
 世紀天成は「カウンターストライクオンライン」の正規代理店として,必要なときには海賊版に対し,政府と協力して手を打ちます。ここまで政府の取り組みによって,海賊版はかなり減ってきていると思いますし,今後はますます改善していくと信じています。

4Gamer:
 「カウンターストライク」と「カウンターストライクオンライン」は,どちらもValveの許諾に基づく作品です。例えばこの機に「カウンターストライクオンライン」で一元化できれば,比較的影響の少ない形で問題が自然に解消するようにも思うのですが。

陳斌氏:
 ただ,我々世紀天成からしてみると,「カウンターストライク」の1.5や1.6について,権利は持っていないですからね。

4Gamer:
 なるほど,そこは権利の所在の問題になってしまうわけですか。いや,難しいモノですね。

陳斌氏:
 運営会社の立場として,世紀天成がValveのスタンスを代弁するわけにはいきませんが,私達は「カウンターストライクオンライン」を通して,いわば上位のサービスをお届けすることが使命だと思っています。

4Gamer:
 その意味では,「カウンターストライクオンライン」が市場を席巻できれば,これでも大局的に見て問題は解消すると。その自信のほどはいかがですか?

陳斌氏:
 当初から自信を持っていますし,現在それは確信に変わりつつあります。御覧のとおりブースでは,あんなにも多くの人が「カウンターストライクオンライン」の試遊をしていますから。



4Gamer:
 なるほど,分かりました。では中国における「カウンターストライクオンライン」のサービス内容について,あらためて教えてください。「カウンターストライクオンライン」には各国の特殊部隊が登場すると聞いています。中国の特殊部隊は,現在のβ版にも入っているでしょうか?

陳斌氏:
 はい,入っています。

4Gamer:
 ではその部隊の,名前と特徴をぜひ教えてください。

陳斌氏:
 炎竜戦術小隊という名ですが,これは仮称です。中国の特殊部隊が持つさまざまな特徴を抜き出して,それらの特徴を兼ね備えた形でゲームに反映した,架空の設定になっています。

4Gamer:
 炎竜戦術小隊は,ほかの国での「カウンターストライクオンライン」のサービスにも登場しますか?

陳斌氏:
 登場します。

4Gamer:
 プレイヤーが使える部隊として登場するのでしょうか,それともNPC扱いなのでしょうか?

陳斌氏:
 プレイヤーが使えます。私が見るところ,とても強いですよ(笑)。ほかの国のプレイヤーさんにも,ぜひ実感してもらえたらと思いますね。

4Gamer:
 それは本当に楽しみですね。では最後に,同じく「カウンターストライクオンライン」のサービスが予定されている日本の読者に向けて,「カウンターストライクオンライン」の魅力をあらためてお願いします。

陳斌氏:
 「カウンターストライクオンライン」は,従来版の「カウンターストライク」にない魅力を備えた作品です。「カウンターストライク」本来の操作性やバランスを継承しつつ,Valveと共に開発に当たるNexonの,オンラインゲームに関するノウハウが詰め込まれた作品となっています。日本のファンもぜひ期待していてください。

4Gamer:
 ありがとうございました。


 中国で隆盛を極めるネットカフェが,ときに海賊版の温床となっていることについては,昨年のChinaJoy取材でもお伝えしたとおりだ。中国で「カウンターストライク」が大人気と聞いても,ラインセンスの側面から見ると,そこには留保が必要なのである。

 陳斌氏の回答は,「カウンターストライクオンライン」のパブリッシャである世紀天成のスタンスとして,矛盾のない内容だ。広い問題として海賊版の横行は確かに憂慮すべきだが,それをオンライン版で“上書き”できれば,問題は自ずと消滅に向かう。実効性の面で考えたとき,これはこれでアリなのかもしれない。
 アジア市場ならではの問題に,現地パブリッシャが現実としてどう対応するかという論点も,製品に関する情報と同様に有益なものだと思う。いずれの意味でも,「カウンターストライクオンライン」の中国市場におけるつつがない成功を祈りたい。
  • 関連タイトル:

    カウンターストライクオンライン

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