連載
インディーズゲームの小部屋:Room#515「Rusty Lake Paradise」
お気に入りの目覚ましアプリの配信が終了してしまってショックを受けている筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第515回は,呪われた離れ小島を舞台にしたオカルトチックなポイント&クリック型アドベンチャー「Rusty Lake Paradise」を紹介する。明日からどうやって朝起きればいいというのだ……。
本作の主人公は,エイランダー家の長男であるジェイコブ。母が不可解な死を遂げたことを契機に,故郷のパラダイス島に帰ってきたジェイコブは,この島が「エジプトの十の災い」によって呪われていることを知る。
「エジプトの十の災い」とは旧約聖書の「出エジプト記」に記されている,神が古代エジプトにもたらしたという十種類の災厄のこと。どうやら島を襲っている呪いは母の死とも関係があり,家族は何やら奇妙な儀式を進めようとしている。そしてジェイコブはこの災いを止めるため,母の隠された思い出を探すことに……。
ゲームの遊び方は,人物やオブジェクトをクリックして調べ,会話をしたり,アイテムを手に入れたり,パズルを解いたりしていくというもの。島の中はそれほど広くはないが,怪しい場所でカーソルの形が変わったりはしないので,気になるところは片っ端からクリックしていこう。物語は全10章構成となっており,それぞれの章に十の災いをモチーフにした謎解きが用意されている。
全体的に漂うオカルトチックな雰囲気が本作の魅力で,どこか狂ったような登場人物や,生理的に嫌悪感を覚える,気味の悪さを感じさせる謎解きが登場するのが大きな特徴だ。あっさりした絵柄なので,だいぶマイルドには表現されているが,蛆虫がうねうねと動いているだけでもうダメという人は注意してほしい。
謎解きの難度はほどほどで,じっくりとプレイすればクリアまで5〜6時間といったところ。もし,どうしても答えが分からないときのため,公式の攻略動画も用意されており,ゲーム内のメニューからいつでも見られるのもありがたい。また,本筋の謎解きとは別に多数のアチーブメントが隠されており,すべてを見つけようとすると遊び応えもかなりのものだ。
オーソドックスなポイント&クリック型アドベンチャーで,ゲームシステム的な目新しさはないが,奇妙な世界観と先が気になる展開で一気に遊ばせる本作。この手のゲームが好きな人はもちろん,久しぶりにじっくりとポイント&クリック型アドベンチャーを遊んでみようかなという人にお勧めしたい一本だ。そんな本作のPC版はSteamにて410円で発売されているほか,iOS版がApp Storeにて360円,Android版がGoogle Playにて340円でそれぞれ発売中だ。
■「Rusty Lake Paradise」公式サイト
http://www.rustylake.com/- この記事のURL:
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