連載
インディーズゲームの小部屋:Room#487「Drifting Lands」
近頃は未知の惑星でクモのような生命体と戦っている筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第487回は,Alkemiの「Drifting Lands」を紹介する。本作は,横スクロールシューティングにハック&スラッシュの要素を取り入れた,一風変わったゲームシステムが特徴の作品だ。最大の敵はクモよりもむしろ,30分くらい戦っていると頭痛がしてくることなんですけどね……。
本作の舞台は,大災害によって地表がバラバラになり,無数の巨大な岩石の塊が宙に浮かぶ惑星。人類の生存に適した最後の浮遊大陸は,巨大な権力を手に入れた企業群によって支配され,残された資源をめぐって,互いに激しい競争を繰り広げている。
そんな中,わずかな自由を求めて放浪生活を送るコミュニティも存在し,プレイヤーが所属する「Ark」もその一つ。プレイヤーはArkの新米パイロットとなり,自前の戦闘機を駆ってさまざまなミッションに挑むことになるのだ。
基本的なゲームプレイは横スクロールシューティングそのものだが,本作最大の特徴は,倒した敵からドロップするアイテムやキャッシュを使って,機体を少しずつ強化していけるという点。機体は,装甲が薄い代わりに火力が高いインターセプター,重装甲だが動きが遅いセンチネル,そして両者の中間的な性能を持つマローダーの3系統があり,ゲーム開始時にどれか1つを選択する。これらの機体は,集めたキャッシュを使って性能を強化でき,上位の機体を購入して乗り換えることも可能だ。
また機体には,エンジンや装甲,武器,シールドなどのスロットがあり,任意のパーツを装備して自由にカスタマイズできる。基本的なパーツはマーケットで買うこともできるが,より高性能なものは敵を倒して手に入れる必要がある。敵がドロップするパーツにはレア度が設定されており,高レアなものほど高い付加効果を持っているのが面白いところで,より良い装備を求めて戦闘を繰り返す「ディアブロ」シリーズのような,ハック&スラッシュ要素を楽しめる。
しかし,こうして強化した機体も,撃墜されると機体と装備のすべてを失ってしまうので要注意。とは言え,これを防ぐための方法も用意されているので,シューティングゲームが苦手な人も安心してほしい。実は機体には,装備のほかにスキルをセットするスロットがあり,最初からすべての機体に,撃墜された際に自動的に撤退するスキルがセットされている。
このスキルが発動すると,そのミッションで手に入れたアイテムとキャッシュは失うものの,機体と装備は失われない(ただし,装備品のいくつかは壊れてしまう可能性がある)。
またスキルには,任意で発動するアクティブスキルと,自動で効果を発揮するパッシブスキルの2系統あり,自動撤退は後者に属する。これらのスキルは,キャッシュを使って新しいものをアンロックし,任意に付け替えが可能で,腕に自信があれば自動撤退スキルを外して,別のものを装備することもできる。
ゲームを進めるにつれてミッションの難度が上がっていくが,そのぶん手に入るアイテムの性能も高くなり,ちまちまと機体を強化していくのが楽しい本作。シューティングとハック&スラッシュが見事に融合しており,止めどきを見つけるのが難しい,中毒性の高いゲームに仕上がっている。
機体を失うのがイヤだという人のために,撃墜されても機体と装備をロストしないモードも用意されているので,興味を持った人はぜひどうぞ。そんな本作はSteamにてデモ版が配信されているほか,製品版が1880円で発売中。おすすめです。
■「Drifting Lands」公式サイト
http://www.drifting-lands.com/All musics by Louis Godart.
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