インディーズゲームの小部屋：Room＃477「Mr. Shifty」

　梅雨が来る前に新しい折り畳み傘が欲しい筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第477回は，Team Shiftyが開発した「Mr. Shifty」を紹介する。本作は，ワープ能力を持った主人公が，銃を撃ちまくってくる敵に肉弾戦で戦いを挑むというアクションゲームだ。固すぎてなかなか開かないから，力を入れて引っ張ったら指先が痛くなっちゃったよ。とほほ。


　プルトニウムを盗み出し，核兵器を作って世界の支配を目論む大悪人，ストーン会長が支配する高層タワーに単身で乗り込んだミスター・シフティ。壁や障害物をすり抜けて短距離ワープできる特殊能力と，2つの拳から繰り出す強力無比なパンチでストーンの手下どもをバッタバッタとなぎ倒し，プルトニウムを見つけ出してストーンの野望を食い止めるのがゲームの目的だ。


　本作をひと言で表現するなら，アメコミのヒーローが主人公になった「Hotline Miami」といったところ。視点は真上からの見下ろし型で，次々と襲い掛かってくる敵を全滅させながらタワーの上層を目指すというのが基本的なゲームの流れだ。ミスター・シフティの能力は人間離れしているが無敵ではなく，一瞬の判断で多勢に無勢の状況をどう乗り切るが攻略のカギを握る。


　ミスター・シフティの武器は壁さえも打ち砕く必殺のパンチだが，相手は銃や火炎放射器などで武装しており，攻撃を受けると一撃で倒されてしまう。真正面から戦うのは不利に思えるが，そこで活躍するのが一瞬で短い距離をワープする「シフト」という能力。シフトは連続して5回まで使用可能で，これを駆使して敵の背後に回り込み，素早くパンチを繰り出して悪党をノックアウトするのだ。


　また，途切れなく敵を攻撃すると画面下にあるゲージが溜まっていき，これが満タンのときに被弾しそうになると，時間の流れを遅くする「スローモーション」能力が自動的に発動する。能力の発動中は敵や銃弾の動きが遅くなり，シフト能力も使い放題になるので，一気に敵を蹴散らす大チャンス！　また，ミスター・シフティは周囲に落ちているナイフや棒などを拾い，武器として使うこともできる。


　ゲームを進めると，シフト能力を駆使しなければ潜り抜けられないトラップや，シフト能力を封じられてしまうフロアなども登場する。能力を封じられるフロアには，たいていどこかに妨害装置があるので，見つけ出して破壊しよう。敵はとにかく数で圧倒しようと押し寄せてくるが，フロアに置かれたトラップは敵にも同様に効果がある。爆薬が詰まったタルや地雷などにうまく相手をおびき寄せて起爆させれば，一網打尽に吹き飛ばせて気分爽快だ。


　「Hotline Miami」同様，とにかくよく死ぬゲームだが，リスタートが早いためテンポよく遊べるのも好印象で，飛び道具を持った相手に素早くワープで近づいて殴り飛ばしていく快感は病み付きになる。ストーリーは単純明快で分かりやすく，床一面が血の海になったりもしないので，スカッと楽しめるゲームを探している人にぜひお勧めしたい。そんな本作は，Steamにて1480円で発売中だ。

■「Mr. Shifty」公式サイト

http://mrshifty.com/