連載
インディーズゲームの小部屋:Room#288「コープスパーティー2 DEAD PATIENT Chapter1」
先週,一足早く夏休みをもらってローマとイスタンブールをまわってきた筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第288回は,暑い夏を涼しくしてくれそうなグラインドハウスのホラーアドベンチャー「コープスパーティー2 DEAD PATIENT Chapter1」を紹介する。ふー,またしてもテンプル騎士団の陰謀を阻止してしまったぜ……って,次の舞台はカリブ海なの? その前にちょっと,ボストンとニューヨークに寄ってもいいですか?
本作は,血みどろの惨劇と失禁でおなじみ(?)のホラーアドベンチャー,「コープスパーティー」シリーズの最新作。サークル名を見て,あれっと思った人もいるかもしれないが,本作を制作したグラインドハウスは,これまでのシリーズを手掛けてきたチームグリグリと同じスタッフで構成されているので,ご心配なく。本作では,これまでの天神小学校から病院へと舞台を移し,前作から数年後の物語が描かれる。
高校1年生の伊藤あやめは,昏睡から目覚めると,人気のない不気味な病院で手術台の上に寝かされていた。さらにあやめは,自分の記憶がほぼ無くなっていることに気付き,愕然とする。自分の身に何が起こったのか分からないが,病院内には不気味な雰囲気が漂っており,長くここに留まっているのは得策ではなさそうだ。プレイヤーはそんなあやめを操作し,脱出方法を求めて病院内を探索することになる。
病院内の通路は,なぜかあちこちが防火扉で塞がれており,何か争ったようなあとや血痕が残されている。また,外へ通じる窓や正面玄関の扉もすべて固く封鎖され,病室の多くも施錠された状態だ。まずは入れそうな部屋を捜索して,手がかりやアイテムを見つけ,それを使って少しずつ探索の範囲を広げていこう。ある程度,ゲームを進めると,ほかの生存者と出会い,協力して生き残る手段を探すことになるが,病院内をうろついているのは生存者だけではなく……。
本作ではシリーズで初めて3Dグラフィックスが採用され,キャラクターの演技や表現の幅が広がっており,お約束ともいえる血みどろシーンや失禁も健在。とはいえ,キャラクターは適度にデフォルメされているので,リアルになりすぎて目を背けたくなるというものではない。謎解きはそれほど難しくないが,本作では大きく2つのルートがあり,それぞれに異なる結末が用意されている。まあ,どっちに進んでも割と悲惨なんですけどね……。
そして気になると言えばもう一つ,公式サイトで主人公として紹介されている,氷海真里という少年が,本作ではほとんど登場しなかったこと。えー,あやめちゃんが主人公じゃないの? グラインドハウスでは現在,“Chapter2”を制作中とのことなので,続編を楽しみに待ちたい。今回紹介した“Chapter1”は,パッケージ版が2000円,ダウンロード版がPLAYISMにて1800円(共に税込)で発売中なので,コープスパーティーファンはぜひどうぞ。
■「コープスパーティー2 DEAD PATIENT」公式サイト
http://grindh.web.fc2.com/cps2_index.html- この記事のURL:
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