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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第390回「この『Pokémon GO』ブームは,いわば宴会」
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印刷2016/07/28 11:00

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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第390回「この『Pokémon GO』ブームは,いわば宴会」

画像集 No.001のサムネイル画像 / 男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第390回「この『Pokémon GO』ブームは,いわば宴会」

著者近影
画像集 No.003のサムネイル画像 / 男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第390回「この『Pokémon GO』ブームは,いわば宴会」
 やはり取り上げなければなるまいて。「Pokémon GO」iOS / Android)について。このムーブメント,私の中で非常に興味深いものなの。いやね。流行が生まれる瞬間って,こういう感じなんだなって思えたのよ。
 実際問題,今や社会現象となったPokémon GOについて,配信される数日前まではさほど興味がなかったという人も多かったと思うのよ。もちろん,知っている人は知っていただろうし,もともと興味があった人は注目していたと思うの。でも,ここまでの社会現象になるとは思っていなかったはず。それが,この状態ですよ。何もかもが今という時代にハマった感じよね。
 配信はまだかまだかっていう報道がじわじわと世の中に浸透していって,焦らされに焦らされた状態で配信日を迎えた。焦らされていた我々は,焦らされている間にPokémon GOが海外でどれだけ大人気かを報道で知り,徐々に興味を膨らませてしまう。当初はさほど興味を持っていなかった人も,スマホ用のアプリだということと基本プレイ料金が無料だという手軽さも手伝って,配信開始と同時に試しにダウンロードしてみる。その時点では程良く興味を持った状態だからね。
 プレイするつもりはなくても,「はやっているし,ダウンロードだけしてみるか」って感覚でダウンロードしてしまう。ポケモンの種類なんてほぼほぼ知らないのに。ポケモン言えるかな? って聞かれても「言えねーよ!」としか答えられなかった人々でさえ,ついついダウンロードして,ついついプレイして,ついついハマってしまう。
 今,多くの人がそういう状態だと思うの。何を隠そう,私もそう。面白いかどうかでいうと,もちろん面白いんだけど。でも,今のこの感じは流行が流行を生んだ形よね。題材がポケモンという世界的なコンテンツであったこと,ゲイムの世界観と現実との融合感が抜群だったこと,そして“はやっている感”。全部がハマって大人も子供もみんな街角でポケモン探し。
 今のこの感じ,覚えておいたほうがいいわよ。後の時代にきっとクイズ番組で出題されるわよコレ。「リオオリンピックの年,社会現象を引き起こした世界的ゲイムのタイトルといえば?」的な。その問題がTVで出題されたとき,家族に対して思い出話の一つや二つ披露すれば楽しい時間を過ごせるから。つまり,我々は今まさに,歴史的な事件のまっただ中にいるのよ!

画像集 No.004のサムネイル画像 / 男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第390回「この『Pokémon GO』ブームは,いわば宴会」
 で,このようにテンション高くPokémon GOについて語っていたらね,確実に出てくるんですよ。「何が楽しいのか分からない」ってな意見が。いや,分かる。言っていることは痛いほど分かるのよ。
 ただね,それを言い出すとこの世の中にある趣味なんて,どれも当てはまってしまうの。例えばスポーツ観戦やライブだって,「他人が何かをやっているのを見るだけで何が楽しいのか分からない」と言われれば,まあそりゃそうだよねって話になってしまうわ。
 趣味なんて,もともと不毛なもんだからね。不毛なモノでも楽しいと思う人がいるんだから,それはそういうもんだと思うしかない。これって言ってみれば,“流行の波に乗れているかどうか問題”なの。先に言っておくと,流行の波に乗ろうが乗るまいが,どちらが優れているってわけではないからね。興味の有無を超えてまで,無理に流行に乗る必要なんてないんだし。それが大前提。
 でね。まず流行って,要はみんな共通の話題があるってことでしょ。それを知っている人は,まあ盛り上がれるんだけど,知らない人は置いて行かれた気になってしまうわけね。ここまではいいの。盛り上がってる人が楽しいだけだから。問題はね,その状態でどういう態度をとるかなのね。知ってる人が知らない人に対して,「え? 知らないの?」という態度をとる。一方で知らない人が前述の通り,「何が楽しいか分からない」という否定的な態度をとる。これが両者の溝を生むの。

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 私は今回,Pokémon GOブームに乗ってしまった人間だから,その立場でモノを言うんだけど,もう,酔っ払いとでも思ってもらうしかないのよ。このブームは,いわば宴会。酒を飲んでいる人のテンションと,飲んでいない人のテンションでは温度差があるでしょ? そりゃまあ,飲んでいない人のほうが冷静ですよ。私はお酒を飲まないから,テンションの差はいつも感じてる。でも,楽しそうでいいなあと思うようにもしてる。もうね,しょうがない。だって飲みの席なんだから。ただ,飲んだ人は飲んでいない人に絡まないようにしなきゃいけない。楽しむのはいいとして,楽しんでいない人に実害を与えちゃいけない。飲んでいない人も,飲んでる人をバカにしたりしちゃいけない。お互いそういう尊重は必要よね。
 私が所属するDDTプロレスの事務所は新宿御苑前にあるんだけど,新宿御苑にピカチュウがいるという情報が流れて,新宿御苑に人が殺到して,近くのコンビニからアイスクリームとドリンクが消え去ったことは気にしない。実害と言えば実害だけど,これで経済が回ると思うと「ポケモンってやっぱすげえな」って思えるわ。逆にピカチュウの気持ちになってみれば,我先にと捕獲しに集まってくる人間のほうがよっぽどモンスターだろうけどね。
 ただね。これから増えると思うの。Pokémon GOに関連した事故や犯罪が起きたりすると,それを理由に頭ごなしに否定したがる人が。そんな人にはDDTプロレスの若きチャンピオン,竹下幸之介の言葉をお贈りしたい。あれは,Pokémon GO配信の翌日。竹下が私の車に乗っているときのことだったわ。ラジオのニュースで「Pokémon GOによる交通違反検挙数が○○件を超えました」と報じられたのね。身長187cm,高校時代には陸上の十種競技で全国大会まで行った21歳のDDT最年少チャンピオン,いわばプロレスモンスターはそれを聞いてボソッとつぶやいたのよ。

「ポケモンは悪くない。悪いのは人間であって,
ポケモン達は何も悪くないんですよ」

 ……確かに。ポケモンを作ったのは人間で,それを楽しむのも人間で,もっと突っ込んでいえばポケモンでビジネスをしてるのも人間なんだけど。でも,生み出されたポケモンに,罪はない。このポケモンブームに乗っている人の多くはビジネスのことなんて頭になくて,純粋にポケモンを捕まえたくて夢中になってるのよね。だからこそ。人間である我々が彼らを守らなきゃいけないのよ。
 ポケモン達は私達を楽しませてくれる。楽しませてもらっている我々は,ルールを守ってプレイすることで彼らを守らなきゃいけない。人間が作ったただのデータであるモンスターに対して,守るだなんてバカバカしい? 違うね。これは敬意なのよ。楽しませてもらったものに対する敬意
 天からの恵みに対し,いろいろな神に感謝するように。ご先祖様に感謝するように。こう書くと宗教くさいけど,そういうことではなく。感謝の対象がポケモンなだけで,自分の人生に恩恵を与えてくれたものに感謝するって,忘れちゃいけないことだと思うの。
 なので,ポケモン達のためにもルールを守って楽しみましょう! ってお話でした。

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今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 4:「グランドエイジ メディーバル」「ウイニングイレブン 2016
PlayStation 3:特殊なDVD ※死亡確認→復活予定
PlayStation Vita:「UPPERS
PSP:「サモンナイト5
Wii U:「Splatoon(スプラトゥーン)
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン
ニンテンドー3DS:「牧場物語 3つの里の大切な友だち
Xbox 360:「剣の街の異邦人 〜白の王宮〜

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
ディーノ選手が所属するDDTプロレスは,7月30日に奈良・葛城市當麻スポーツセンター大会「はじめてのプロレス! ドラマティック葛城2016」,31日に兵庫・神戸サンボーホール大会「Road to Ryogoku 2016 in KOBE〜ドラマティック・ドリーム・宝塚歌劇団〜」を開催します。なお,7月29日には東京・赤坂サカスにて「デリシャカスプロレス2016〜DDT昼の部〜」「同〜夜の部〜」も開催予定。つまり3連戦という形になるわけです。ディーノ選手は,「もうね,最大の敵は移動! これに尽きるわ。でもPokémon GOがあれば移動も少しは楽しく……いや,それを上回るぐらい移動はきついのよ!」だそうです。
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