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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第225回「惚れた者負け」
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印刷2013/04/18 11:00

連載

男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第225回「惚れた者負け」

画像集#001のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第225回「惚れた者負け」

著者近影
画像集#002のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第225回「惚れた者負け」
 私達が生きているこの世界には,さまざまな形で“差”というものが存在しているわ。
 もちろん是正すべき“格差”なんかはあるけれども,すべての差が悪いものかというと,そうでもないと私は思うのね。だって,差があるから頑張れることもあるし,差をつけるために頑張れることもあるから。

 まあ,一口に“差”と言ってもいろいろあるんだけども,その中の一つに,“温度差”というものもあるわけ。例えば,世の中に確実にある「惚れた者負け」ってやつは,双方の温度差から生まれる理不尽な状況だと思うのよ。惚れてしまった者は,惚れてしまった相手の仕打ちに対して,基本的に許すしかなくなってしまう,というね。
 たとえ相手が振り向いてくれなくても,こちらの意思や希望が相手に伝わらなくても,惚れた側は許すしかない。なぜって? 惚れてしまっているから。そこに理屈はないわ。これが「惚れた者負け」。何たる理不尽さ。

 ゲイムの世界にも,「惚れた者負け」は存在するわよね。例えばシリーズ物なんかが,そういう状況を生み出しやすいと思うの。あるシリーズが好きだった場合,たとえ事前情報やすでに遊んだ人の反応があまり芳しいものじゃなかったとしても,ついつい買ってしまうことってあるじゃない。これはもう完全に「惚れた者負け」の状態なわけ。
 中身とは関係なく,そのシリーズだからとりあえず何でも買うっていうのは,消費者としてあまり健全な姿勢ではないかもな……なんて思いながらも,見限れないしやめられない。それが惚れるっていうことなの。そう。「惚れる」っていうのは,人間の心理の中でもコントロールしづらい,厄介な感情なのね。

 私も心の中では分かっているのよ。内容的にはさほど変わらないって。大きいのは最新版のデータになったってこと。攻略法も,ゲイム展開も,以前にヤった時と比べてほとんど変わらない。分かってる。分かってるのよ。でも自分を止められない。買ってしまう。
 そしてプレイすると楽しくて時間を忘れ,ついつい遊び続けてしまう。許してしまう。そんな私は,客観的に見たらカモそのもの。それもよく分かってる。でも,この楽しいひとときは私にとってかけがえのないものなのね。だから私はプレイする。すでに知っている展開を追い,そのゲイムから与えられる快楽を繰り返しむさぼるために。そして私は自分に言い聞かせるの。「なんだかんだで楽しんでるんだから,私のケツ断は間違ってはいない」と。

画像集#004のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第225回「惚れた者負け」
 実を言うとここ最近の私は,ゲイムのエアポケットにはまったような状態だったのね。何をプレイしたらいいのか,何をプレイしたいのか自分でも分かっていない,そういう感じ。「Winning Post 7 2013」PC / PlayStation 3 / PSP / PlayStation Vita)は,そんな私のココロのスキマに入り込んで来たの。
 これはね,タイトルそのまんま,「Winning Post 7」の2013年度版。Winning Post 7ってそもそも,2004年にPC版が発売された作品なのよ。これを私がどれだけプレイしたことか。

 思えば,私が競馬に興味を持ったきっかけは,1993年に発売された,スーパーファミコン版「Winning Post」だったわ。光栄(当時)が出していたからってだけで買ってみたんだけど,競馬に何の興味もなかった私が,一発で虜になってしまったの。
 競馬ゲイムということでは,「ダービースタリオン」という選択肢もあったけど,馬というテーマを通じて人間を描いているところに光栄っぽさを感じたのね。だから私には,Winning Postのほうが馬が合った。競馬だけに
 そして満を持して発売された「Winning Post 2」。これも傑作だったわ。馬を配合し,生まれた馬で賞金を稼ぎ……の繰り返しだったWinning Postにストーリーを加え,飽きが来ないような改良が施されたのね。難度は低いんだけど,より良い結果を出すためにリセット&トライの連続。これがもう楽しいのなんの。
 そうやってシリーズが進んでいって,2004年に7。ゲイムの中の世界は1984年から始まり,過去の競馬の世界を追体験できるシステムになったわ。ここで,Winning Postという作品はある意味において完成したんでしょうね。2009年に「Winning Post World」PC / PlayStation 3 / PlayStation 2 / Wii)という派生タイトルは出たものの,ナンバリングタイトルとしては,今でも7が最新のまま。
 一応,おおよそ毎年のように最新版の競馬のデータと,いくつかの新要素が追加されたバージョンが発売されたりもしてきた。「Winning Post 7 2010」PC / PlayStation 3 / PSP)からは,音声実況だって入った。だけど,Winning Post 7はWinning Post 7のままなの。こういうのって,あんまり例がないケースだと思うのよね。

画像集#005のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第225回「惚れた者負け」 画像集#006のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第225回「惚れた者負け」

 ともあれ,私は無印のWinning Post 7を遊びきったぐらいの気持ちでいたから,それ以降のバージョンにはあえて触れないで生きてきたのね。でも今回,2013を手にとってプレイしてみたら……面白かったの。これが悔しいのよ。
 そりゃね,データが新しいだけじゃなくて,新しいイベントだって追加されているわ。でも,私が面白いと感じたのは,2004年にプレイしてた当時に面白いと感じていた要素と,まったく同じ部分なの。
 かつて好きだった人と久しぶりに会ったら,あの頃に好きだった部分がまったく変わっていなかった,そんな気分。嬉しいんだけど,なんか悔しいのよね。離れてからずいぶん経つというのに,私,まだ好きだったんだ……って。でも,買ったこと自体は後悔してない。あの頃の恋心が蘇ってくるというのも,これはこれで,悪いものじゃないから。

 それにね。歴史って,本当に面白いと思うのよ。人間の意志と意志がぶつかり合った証だから。そして,私が子供の頃から光栄のゲイムを好きなのは,歴史を題材にしつつ人間を描いた作品が多いから。そんなことを今回,あらためて認識させられたわ。
 だからね。いつもとは違って,このゲイムをオススメはしないわ。だって悔しいんだもの。でもね……。Winning Post 7はやっぱり完成度が高くて,人と馬の物語をちゃんと描けている。まったくもって,惚れた者負けね。許すしかないわ。競馬に興味の無い人がプレイしても,きっと競馬に興味が沸いてくると思う。競馬は,ただのギャンブルじゃない。そう思わせてくれる作品よ。

画像集#007のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第225回「惚れた者負け」 画像集#008のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第225回「惚れた者負け」
画像集#009のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第225回「惚れた者負け」 画像集#010のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第225回「惚れた者負け」

 そんな感じで,結局のところ私は2004年からあまり成長できてないのでは? という自責の念に駆られ,今回はちょっとノスタルジックな気持ちになったんだけど,来週プレイするゲイムは,もう決めてるのよ。今週発売のアレ。
 本来は私がプレイしないジャンルのゲイムではあるんだけど,あえて「トモダチコレクション 新生活」で遊んでみようかなって。どんなゲイムか知らないけど,これプレイしたら友達できるんでしょ? 友達ができた気になれるんでしょ? ヤってやりますよ! また来週。

今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 3:「Winning Post 7 2013
PlayStation Vita:「プロ野球スピリッツ2013
PSP:「FRONTIER GATE Boost+
Wii U:「ZombiU(ゾンビ U)
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン
ニンテンドー3DS:「ルイージマンション2
Xbox 360:「トロピコ4 日本語版

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
ディーノ選手は4月20日(土),国際プロレスの茅ヶ崎青果市場大会に出場予定……なんですが,「入り時間も聞いてないし,結局,誰と試合をすることになったのかもよく分かってないのよね」とのこと。事件マニアは必見です。詳細は国際プロレスのTwitterアカウントをチェック! また,翌21日(日)には,DDTプロレスの清水マリンビル大会「Road to Ryogoku 2days in SHIMIZU〜ドラマティック・ドリーム・ツナ〜」で,清水名物3WAYタッグマッチに出場予定となっております。
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