連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー:其の弐拾伍「前略コーエー様」
以前からコーエー大好きなコーエニストであることを公言しているディーノ選手。しかし,何をきっかけにコーエーに目覚めたのか……については,あまり語られることがなかったような気がするので,今回はそれだけをお届けします。ある意味,コーエーに対する信仰告白というか。
ということで新年一発目は,ちょいと雰囲気を変えて,かねて繰り返し述べてきた秘密に迫ろうと思うわ。しょうがないじゃない,ゲイムで遊ぶヒマなんてなかったのよ。
先に言っておくけど,分かんない人にはまったく分かんないだろうし,よしんば分かったとしても面白いかどうかは,はなはだ疑問よ。それを覚悟した上でご覧ください。
お題は,「私はなぜコーエーを好きなのか」。
……アレ? イヤちょっと待ってね。そういえば,なぜなんだ? 自分で振っておきながら私のほうが聞きたい気分になってきたわ。どうして私はコーエーが好きなの? まあ強いて言うならシミュレーション(ストラテジー)好きだからかしら……いや違うな,どちらかというとコーエーのことを好きになってから,シミュレーションゲイムを好きになったような気がする。「お尻を触ったから殴られた」のと「殴られたからお尻を触った」では因果関係に違いが生じてくるわ。
では,なぜ? 思い出せ,私。
……悩みすぎて,もはやなぜ思い出さなきゃいけないのかすらよく分からないわ。ぐぬぬぬぬ……。
順を追って思い出してみるわね。確か……,初めてコーエーのゲイムに触れたのは「三國志」(ファミコン版)だったわね。あ! 思い出した! 最初はナムコの「三国志 中原の覇者」にハマッたんだったわ。これがなんとなく良くできていて,とくに一騎討ちがやたらと面白かったのよ。で,三国志つながりでコーエー版に手を出してみたってのがコトの始まりだったの。
でも今にして思うと,コーエー版三國志って,けっこう不気味なゲイムだったのよね。なんというか……雰囲気が全体的に暗いのよ。何が暗いって,まず音楽が暗い。気が滅入るような調子で「でーでーで でででででーでー でででーでー でででででー」って音楽が始まるの。今の三國志シリーズのオープニング曲でもあるんだけど,これがファミコンの貧弱な音源で再生されているもんだから,「ドラゴンクエストIII」でいうところの「ぼうけんのしょ」が消えたときみたいな感じで……説明すればするほど伝わらないからもういいわ。うん,大丈夫。私もこんなので伝わるとは思ってないから。
そして全体的に殺風景なのよ。効果音も,だいたいが「ぱすっ」っていう乾いた音で処理されるの。プレイヤーキャラクターのパラメーターをランダムで決めるときも「ぱすっ」。武将の首をはねたときも「ぱすっ」。ナムコがファミコン向けに出していたホラーゲイムのはずの「スプラッターハウス わんぱくグラフィティ」なんかより,よっぽど怖かったわね。
まあそれはともかく,私にベストオブ「三國志」シリーズを選ばせるならば,今でもこの三國志IIをチョイスするわね。三國志の根深いトラウマから開放してくれた,いわば恩人だから。
そして西日本一のコーエニストこと私は,取り憑かれたように「信長の野望」「蒼き狼と白き牝鹿・ジンギスカン」「維新の嵐」「水滸伝」をプレイしたわ。あ,「ランペルール」だけはやってないや。
余談だけど,一番好きなファミコン版コーエーゲイムは「水滸伝」。スーパーファミコン以降を入れると「ウイニングポストII」「大航海時代II」「トップマネジメントII」。「コーエーのシリーズものはIIが一番面白い説」(私の中限定の定説)もあるくらい,IIには名作が多いと思っているのよ。
さて……。そろそろ収拾がつかなくなってきたから強引に丸め込みに入るけど,コーエーのゲイムをひと通りやってみて思うコーエーの凄さ(これは私がコーエーのことを愛してやまない理由とイコールなんだけど),それは数字を数字と思わせないところ。これに尽きると思うわ。
例えば“10000”って一見するとただの数字なんだけど,それをうまく兵士の数だって思い込ませてくれるのよ。これはほかのメーカーに比べて,コーエーがダントツにうまいと思うの。私には「エンターテインメントの神髄は,どれだけうまく人を騙すかにある」という持論があるんだけど,そういう意味でコーエーは騙しのテクニックに長けているのよね。ホント知能犯だわ。
だから私は,直接的なグラフィックスで勝負している無双シリーズよりも,数字に感情移入させられる三國志シリーズや信長の野望シリーズのようなシミュレーションが好きなんだと思う。最近はどうしてもグラフィックスに力を注がなければならない時代だけれども,やっぱりコーエーにはこれからも「数字を大事な何かと思い込ませる」極上のエンターテインメントにこだわってほしいと切に願う次第。
それでは最後になりましたが,コーエーさんに一言。
いちユーザーとして面白いと感じる限りプレイし続けますので,今後ともよろしくお願いいたします。
かしこ
「信長の野望・全国版」(PC版) |
「蒼き狼と白き牝鹿・ジンギスカン」(PC版) |
「維新の嵐」(PC版) |
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