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印刷2007/12/10 20:08

連載

剣と魔法の博物館 〜モンスター編〜
第65回:ポルターガイスト(Poltergeist)
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 かつてポルターガイストは,霊の一種(あるいは霊が引き起こす現象)であると考えられていた。よく知られるのは深夜になると食器などが空中に浮かんだり,家具がガタガタと揺れたりといったシチュエーションである。ほかにも水分がないはずの場所から水がしみ出したり,壁面などに文字が浮かび上がるようなことも,ポルターガイストという霊の仕業だとされていたのである。
 プレイヤーに敵対するモンスターとして表現しにくい(ダンジョンで空飛ぶ食器などを登場させるわけにもいかないだろう)ためか,剣と魔法の世界を題材としたゲームには,ほとんど登場しない。どちらかというとホラーをテーマにした作品と相性がよいモンスターといえそうだ。

 前述したように,誰も触れていない家財道具が動き出すという現象は,一般的にはポルターガイスト現象と呼ばれ,ラップ音と呼ばれる謎の怪音を伴って発現する。それほど脅威に感じないかもしれないが,中にはタンスやドアがはずれて襲いかかってきたり,古い家屋などで壁に掛けてあった剣などが飛び回ったりするケースもあるようで,安心はできない。といっても,飛んでくる物体を破壊してしまえば,おとなしくなってしまう場合も多い。そういう意味では,比較的対処しやすい敵といえるだろう。
 ただし,注意したいのはポルターガイストの登場が,何かの前兆として扱われるケースがあることだろう。ポルターガイスト現象が落ち着いた直後に,もっと強力な存在が現れることがあるのだ。こういった手法はホラーもののゲームなどでよく見られる手法だ。
 ゲームでは「Alone in The Dark」や「EvilDead」シリーズなどで,ポルターガイストと思われる敵が登場しているほか,映画ではそのままのタイトルである「ポルターガイスト」なども非常に有名だ。また女神転生シリーズでは,ポルターガイストにずいぶんと可愛らしい姿が付与されており,ファンから親しまれている。

 

 ポルターガイストという名称は,ドイツ語で騒音を示すPolterと,幽霊を示すGeistの合成語であり,騒音霊/騒がしい霊という意味だ。記録によれば12世紀くらいから信じられていたようで,さまざまな事件が記録に残されている。
 有名な事例としては,1661年にイギリスで起きた「ティッドワースの怪人ドラマー事件」が挙げられる。ある日ジョン・モンペソンという地方判事の家でドラムの音が響いたかと思うと,以後,物が空中を飛んだり,何かを引っかくような音が聞こえたりするようになったという。また,1977年にイギリス北部のエンフィールドの公営住宅でおきた「エンフィールド騒動」も有名なポルターガイスト現象のひとつ。タンスが50cmも勝手に動いたり,住人であるハーパー夫妻の娘ジャネットが空中に浮いたりしたというのである。おまけに,第三者であるカメラマンが写真を撮ろうとすると,その額に積み木が飛んできたというのだから驚きだ。
 ポルターガイストの正体については諸説紛々である。家屋に住み着いた地縛霊や浮遊霊魂,悪霊の類が引き起こすとする霊説。実はポルターガイスト現象が発現する家には子供がいることが多く,思春期の子供が無意識に発動するサイコキネシスが原因とする超能力説。ほかにも科学者などは,工場や自動車の振動によって共鳴が起こり,うめき声のように聞こえたり,家財道具が僅かに動いたりするという振動説を挙げている。
 現在,多くの現象について科学的な説明がなされているが,中には説明のつかない現象もあり,識者達が論を戦わせている。そういう意味でもポルターガイストは,「お騒がせな霊」といえそうである。

 

次回予告:ノーム

 

■■Murayama(ライター)■■
この著者紹介欄で何度かお伝えしているように,先日ついに妻帯者となったMurayama。奥さんの手前,日々の酒量も減っているのかと思いきや,「みんなお祝いにお酒をくれるから,ほぼ毎日酒盛りですよ」とのこと。奥さんも酒飲みらしいし,お祝いとしてもらったものだしで,堂々とお酒が飲めるわけですね。だから今回の原稿も遅れたんですねこの野郎。
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