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[OGC2008#13]教育ツールとしての仮想世界。ソウル中央大学ウィ教授のSecond Lifeを使った授業とは
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印刷2008/03/14 21:44

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[OGC2008#13]教育ツールとしての仮想世界。ソウル中央大学ウィ教授のSecond Lifeを使った授業とは

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 本カンファレンスではお馴染み,オンラインゲーム産業研究の第一人者であるソウル中央大学教授 魏 晶玄(ウィ・ジョヒン)氏が,今年も講演を行った。今回の講演テーマは,「Second Lifeの限界と今後のビジネスモデル戦略」というもの。実際の大学の授業でSecond Lifeを活用してみたという実験をベースに,Second Lifeの可能性や限界を語っていった。



 ウィ氏はまず,Second Lifeを実際にどのように授業で活用していったかという説明を行った。氏の活用方法は「Second Lifeには仮想経済が存在する」という点に着目した独特のもので,具体的に説明すると,生徒にSecond Lifeの世界で実際にビジネスをやらせ,その結果(売り上げ)をもって授業の評価とするという,かなりユニークな内容だ。
 氏は,「通常の授業では,テキストベースのいわゆる理論の勉強ばかりをすることになります。けれど,Second Lifeを使ったこの方式では,仮想とはいえ“実際のビジネス”が学べる。これは大きい」と語り,実践をベースにした教育方法としてはSecond Lifeが有効である旨を説明した。
 ウィ氏は,「生徒たちをいくつかのチームに分け,ビジネスをさせてみました。けれど,最初はすべてのチームが事業に失敗してしまった。当然です。彼らにはコンテンツを作る能力もなければ,他の客(主に欧米人)とのコミュニケーションも上手くない」と話を続けながら,Second Lifeにおけるビジネスが現実同様に甘くない点も指摘。「けれど,そんな状況でもなんとか利益を上げていこうと工夫していくわけです。生徒達は,事前に戦略を立て,トライ&エラーを重ねることで学んでいく」と有用性を強調した。

生徒が作ったという,事業企画書や収支レポート。ウィ氏は,商売相手を外国人のみに制限していたらしく,生徒達は不慣れな英語で四苦八苦しながら,ビジネスの厳しさを学んだのだとか
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 実のところ,ウィ氏は,欧米の大学で行われていたような“Second Lifeを使った講義”も一通り試してはみたらしいのだが,その感想としては,「現実の方がマシ」という印象の様子。曰く,「私もSecond Lifeに大学を建てて,そこで授業をやってみました。でも,授業中に空を飛び回る生徒や,操作が分からずに席に座れない生徒などがいて,まともに講義を聞かせる状態にするだけで10分以上掛かってしまいました(笑)」「現実の授業に比べると,私の表情も分からないし,アバターのアクションも乏しく,要点が分かりづらい。生徒にしても,結局はただ画面を見ながら講義を聴くだけでしかなく,面白くなかったようだ」などなど,現状のSecond Lifeの限界も多く感じていたようだ。

Second Lifeを使った「講義」の様子
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画像集#008のサムネイル/[OGC2008#13]教育ツールとしての仮想世界。ソウル中央大学ウィ教授のSecond Lifeを使った授業とは
 自身の授業における活用例を一通り語ったあと,ウィ氏は,Second Lifeに代表される「仮想世界」の今後について話を進めていった。
 ウィ氏は,「Second Lifeの登場以降,仮想世界=3D空間,と勘違いされる方が増えたように思えます。けれど,それは間違いですよ? 仮想世界の本質に,3Dかどうかはまったく関係がありません。これは,オンラインゲームを見れば分かることです。メイプルストーリーなどのように,2Dでもコミュニティが発達し,仮想社会/仮想経済が機能しているものがあります」と語り,安易に“Second Life的なもの”を追随するのではなく,あくまでもSecond Lifeの持つ本質や要素,戦略モデルを考えたうえで,応用を考えるべきだと示唆。また,Second Lifeが今後発展していくにあたっては,何よりも分かりやすい面白さ,より簡易に参加できる仕組み(今は物作りなどが難しすぎる)などが必要だとして,講演を締めくくった。


 さて,Second Lifeを教育にというと,欧米では「教室を作ってそこへアバター(生徒)を集め,講義をしてみた」などという,言い方を悪くすれば“現実世界の真似事”をするという話が多かったわけだが,ウィ氏のやり方は,良い意味でまったく方向性が違ったのが,筆者としては非常に印象的。教室で授業というような体裁には拘らず,仮想世界というものを使った,実践や実体験を伴う体験学習の形式へと昇華させている点は,ほかの教育利用の例と比較してみても,非常に優れているといえるだろう。「Second Lifeを使った」という上辺だけの授業になっていない点は,長年オンラインゲーム産業を見続けている同氏の凄みを,地味ながらに感じさせる部分だといえるかもしれない。

 なお4Gamerでは,講演の前日にウィ氏にインタビューを行っており,オンラインゲーム産業の現状,課題,未来,さらには飛んで,教育や思想/文化の話題などなど,多岐にわたるユニークな話を聞いている。こちらも近日中に掲載したいと思うので,ぜひ楽しみにしていてほしい。

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