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Intel,Infineonのワイヤレス部門を買収。“インテル入ってる”次世代ケータイに弾み?
WLSは,ベースバンドICをはじめとする,携帯電話向けの半導体製品を手掛ける部門。Intelのニュースリリースによれば,同社は自社の無線LAN&Mobile WiMAX技術にWLSが持つ3G技術を統合し,さらに,LTE(Long Term Evolution)に向けた開発を加速させるという。
Intelは現在,「電力効率に優れた性能」と「インターネット接続」「セキュリティ」がコンピューティングの新たな柱になるとしているが(関連記事),WLSの買収によって得た技術は,ノートPCやスマートフォン,組み込み分野に活かし,Intelプラットフォームによるインターネット接続の柱を強化するとのことだ。
実は,似たような買収劇は7月にも起きている。ルネサス エレクトロニクスがNokiaの持っていたワイヤレスモデム事業の買収を発表しているのだ。ルネサス エレクトロニクスは,携帯電話向けのプロセッサを手がけており,本買収により,ワイヤレス部を含むトータルソリューションを携帯電話メーカーへ提供できるようになるとされている。
Intelがやろうとしていることも,おそらくこれと同じだ。
同社はWLSの買収によって,Atomプロセッサとチップセットだけでなく,無線通信部も含めたトータルなソリューションを携帯電話やスマートフォン,組み込み向け機器向けに売り込むことができるようになるだろう。また,Mobile WiMAXに熱を上げてきたことで知られるIntelではあるものの,下り100Mbpsを超えるという次世代携帯機器通信技術仕様であるLTEが世界的に普及することはほぼ確実な情勢である。今回の買収には,LTEの普及に遅れることなくIntel製品を対応させようという狙いもあるに違いない。
今回の買収は,Intelの“通信機器戦略”にとって,大きな意味を持つことになるはずだ。
→Intelのニュースリリース(英語)
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