報道関係者向けのモバイルWiMAX体験用(兼,モバイルWiMAXの告知用)バスが,今週いっぱい,都内を走るとのことだ
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UQコミュニケーションズ(以下,UQC)と,Intelの日本法人であるインテルは共同発表会を開催し,モバイルWiMAXサービス
「UQ WiMAX」の正式サービス開始に向けて,いくつか
新しいサービスとその価格体系をアナウンス。さらに,PCメーカーやカーナビゲーションメーカー,計16社から,
モバイルWiMAXを標準でサポートした製品が登場すると予告した。
定額料金プランに加え,
いくつかの新サービス&体験プランを発表
田中孝司氏(UQコミュニケーションズ 代表取締役社長)
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発表会では,UQCの田中孝司代表取締役社長が,新たなサービスを発表。1か月定額4480円(税込)で,一部新幹線の車内や空港などで利用可能な「UQ Wi-Fi」も使い放題となる
「UQ Flat」は
発表済みだが,それ以外に,
- UQ 1 Day:600円で,24時間使い放題。10月1日サービス開始予定
- 機能追加オプション:追加の端末について,月額200円で,2台まで追加できる(※最大3台利用可能で,同時に接続できるのは1台のみ)。7月1日サービス開始予定で,2010年1月末まで利用料無料
- Try WiMAX:15日間無料で,UQ WiMAX(≒UQ Flat)の15日間無料体験。UQ WiMAXデータ通信カードなどの接続端末も無料で貸し出される。7月1日開始予定で,受付はUQ WiMAX公式Webサイトにて
が,順次利用可能になるとした。
当初の予定通りスタートするUQ Flatと,今回発表された新サービスの概要を示したスライド群
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また,サービス地域も予定どおり,当初は首都圏と中部地区,京阪神地区からとなるが,それについても下記のとおりアップデートが行われている。
- 首都圏:山手線内はほぼカバー完了。都内多摩地区,埼玉,千葉にはまだ穴があり,できるだけ早くカバーしたい
- 名古屋圏:名古屋市内はほぼカバー完了
- 京阪神圏:やや難航。上半期が終わる頃にはカバーできる予定
「エリアは『きれいにできた』と言えるレベルには達していない。基地局を一つずつ立てているが,とくに関西地区を中心に,当初の予定より(基地局の数は)幾分少なくなっている」と田中氏。7月1日以降は,ピンポイントで「その場所がカバーされているか」をチェックできるWebページを立ち上げ,このページ,もしくはTry WiMAXで,サービス状況を確認してほしいと呼びかけていた。
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7月1日時点におけるUQ WiMAXのカバーエリア(予定)を示したスライド。左が首都圏,右が名古屋圏で,今後は,地図上の白い部分を潰しつつ,多摩,埼玉,千葉の対象エリアを広げていくという |
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左は京阪神圏の7月1日時点におけるサービスエリア(予定)。カバー率は明らかに低い。田中氏は,そんな状況も踏まえつつ,新幹線のN700系車内や都営地下鉄の駅,主要空港において無料で使える無線LANサービス,UQ Wi-Fiもアピールしていた(右) |
「デバイス」と「ネットワーク」のオープンモデルがスタートする
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同氏はまた,正式サービスの開始に合わせて,「二つのオープン化が間に合った」と強調。MVNO(Mobile Virtual Network Operator,他社のネットワークインフラを利用してサービスを行う事業者)と,PCをはじめとする「リテールデバイス」の二つが間に合ったことを強調。本格スタートに弾みがついたとし,現在,テスターの数が8000人程度のところ,2009年末には数十万人規模にまで広がるという見通しを示していた。
会場には,国内外のPCメーカーから,モバイルWiMAXモジュールを内蔵するPCが多数展示されたが,これらは7月以降,順次販売が始まる予定。田中氏は,「モジュールを内蔵すると,3G通信カードなどのように,『カードを差してダイアルアップする』という手順が必要ない。(自宅や)オフィスでLANにつないでいるときのように,ネットワークにつながっていることを意識せず,ブロードバンドに接続できる」とし,モバイルWiMAXモジュールを搭載した製品を,「次世代ノートPC」と位置づける。
各社のノートPCやNetbookが壇上で紹介された。クラリオンブランドの製品は,モバイルWiMAX対応のポータブルカーナビゲーション端末だ
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こちらはIntel製のWiMAXモジュールと,それを搭載したノートPCの例
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Intelは,2010年時点で,全世界の人口のうち,8億人をモバイルWiMAXでカバーできるようにする目標を示していた
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インターネットを介したマルチプレイに対応したゲームタイトル,もしくはオンライン専用ゲームタイトルの場合,長時間,オンラインにつなぎ続ける必要があり,ネットワークは瞬断であっても致命的なものになりかねない。対応エリア内カバー率すら完璧とはいえない現状を踏まえると,ゲーム用途でモバイルWiMAXに期待するのは時期尚早だ。
いつでもどこでも高速なインターネット接続が可能になれば,たしかにPCユーザー,そしてPCゲーマーのライフスタイルはまず間違いなく激変するだろう。UQCは,2012年までに,国内人口の90%をカバーするエリア拡大を目指すと表明しているが,それを一刻も早く実現するためにも,対応エリア拡大,そして同時に,対応エリア内での安定的な接続環境の実現を強く望みたいところである。
発表会には,Intel本社で営業とマーケティングを統括するSean M.Maloney(ショーン・マローニ)上席副社長(Executive Vice President, Chief Sales and Marketing Officer, Intel)が登壇。「なぜ3Gよりも高速なモバイルネットワークが必要か。スマートフォンは音声通話の30倍,ノートPCは同450倍ものネットワーク帯域幅を必要とするからだ」と,モバイルWiMAXの重要性をアピールしていた
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