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「東京コンテンツマーケット」シンポジウム「変化する広告メディアとしてのオンラインゲーム」
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印刷2007/11/02 22:33

イベント

「東京コンテンツマーケット」シンポジウム「変化する広告メディアとしてのオンラインゲーム」

画像集#001のサムネイル/「東京コンテンツマーケット」シンポジウム「変化する広告メディアとしてのオンラインゲーム」
 10月26日に「東京コンテンツマーケット」内で開催されたシンポジウム「変化する広告メディアとしてのオンラインゲーム」の内容をお届けする。
このシンポジウムにパネリストとして参加したのは,ゲーム内広告専門会社アドバゲーミングの代表取締役社長 横地 潤氏,広告代理店である電通のプロモーション営業推進局に属する黒崎裕行氏,そして,ゲームポータル「アットゲームズ」で広告関連事業も手がけるジークレストの代表取締役社長兼CEO 長沢 潔氏で,QPR 代表取締役にして首都圏情報ベンチャーフォーラムのクラスターマネージャーを務める清田 智氏がモデレーターとして進行を担当した。

ゲーム内広告の特性と課題:必然性の創出


アドバゲーミング 代表取締役社長 横地 潤氏
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 基調となる論点を提供したのはアドバゲーミング 横地氏で,個々の広告代理店とゲーム開発/運営会社のマッチング,調整を行うアドバゲーミングの業務に関連付けつつ,ゲーム内広告の概況を語った。
 それによると,現在オンラインゲームが急速に成長しつつあるアメリカでは,2005年に8000万ドル(約92億円)だったゲーム内広告が,2009年には4億ドル(約460億円)まで伸びると期待されている。同様に日本では2004年に約580億円であったのに対し,2008年には約1500億円になると考えられているという。そして,ゲーム内広告の優位性を,以下の6点に求める。

 ゲームプレイによる「強制視認性」
 プレイ時間に応じた「長時間接触」
 プレイ回数に応じた「高フリークエンシー」
 画面への集中,世界へののめり込みによる「高浸透度」
 コミュニティ形成による「バイラル効果」
 新しいメディアが持つ基本的な「PR効果」

 アドバゲーミングでは,ゲーム内広告において以下のような3種類の手法を提供している。

 ゲーム内に広告枠を置く「インゲームズアド」
 ゲーム世界に合った企画の「インゲームズプロモーション」
 広告そのものをゲーム化する「アドゲーム」

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 そして,いずれの手法を用いるにせよ,ゲーム内広告が成功するための絶対条件は「必然性の創出」なのだという。それを可能にするためのメソッドがデータベースであり,同社では「ゲームマッチングサービス」と呼ばれる,ライフスタイルのデータとゲームプレイヤーのデータを併せ持つデータベースを用いたサービスを構想している。つまり,その人がプレイするゲームの傾向や具体的な作品のデータと,関心を持つ商品の相関を見て,PRしたい商品に合わせたゲーム内広告プランを提案できるようにする,ということだ。そして,同社が具体的に提供するゲーム内広告の例を列挙した。

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 また,アメリカにおける「FIFA2000」のスタジアム看板,「Anarchy Online」での自動車広告,「Need for Speed」における看板広告,そしてビールの「ミラー」やチョコレートの「M&M」のアドゲームなど,さまざまな事例を挙げた。「Anarchy Online」の例は,当サイトの連載記事「奥谷海人のAccess Accepted」でも取り上げたことがあるので,ご存じの方も多いだろう。
 総じていえることは,アメリカにおけるゲーム内広告は,露出量を重視した「インゲームズアド」が主流であることだろう。

 対して日本では,「エミル・クロニクル・オンライン」における宅配ピザとゲーム内ピザアイテムや,「ゴルトモ」における冠スポンサー付き大会の実施など,ゲームコンセプトと連動した「インゲームズプロモーション」タイプが多い。もちろん,アドゲームや懸賞サイトもあるわけだが。

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タイムリーな話題の拡大が,広告の効力を増す


ジークレスト 代表取締役社長兼CEO 長沢 潔氏
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 話の順番は前後するが,ゲームコンセプトとの連動に関係した話題を繰り広げたのが,ジークレスト 長沢氏だ。ゲームパブリッシャとしての立ち位置に応じて,氏はオンラインゲームのビジネスモデルを「プレイヤーへの課金が一般的で,ライセンス収益も存在している」と簡潔に評したあと,2004年から2006年までのプレイヤーの月次平均利用料を示し,「一人当たりの利用料は高いレベルを維持している」ことを強調した。


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 続いて,2006年度で1000億円を超えるといわれるオンラインゲーム市場の規模と成長率に触れ,これがすべてプレイヤーに対する直接課金の数字であることを確認した。また,オンラインゲームの会員登録数で見ても,2004年度が1900万人であったのに対して,2006年度は4200万人。この増加傾向はまだ続くという予測を示した。

 市場は成長中で,規模は1000億円。しかもこの数字がプレイヤーへの課金だけで弾き出されているとなれば,広告という新たな収益手段も十分に有望というわけだ。

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 そのあとに氏は,ジークレストの広告への具体的な取り組み例を紹介した。それはゲームポータルサイト「アットゲームズ」におけるTBSドラマ「きらきら研修医」とのタイアップであり,「きらきら村」というエリアを設置し,コミュニティを整備して,ドラマの主人公に合わせたアバター用衣装アイテムを用意するというものだった。
 また,「アットゲームズ」のセルフィエリアにある大型スクリーンで,プレイステーション2用ゲームの動画広告を配信した例にも言及。そして,これらの取り組みは,タイムリーな話題として他サイト/メディアに取り上げられることで,より大きな効果を上げるとした。このあたりは,Web 2.0を強く意識した「アットゲームズ」らしい展開といえようか。

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 話のまとめとして長沢氏は,拡大した市場規模と現在のビジネスモデルのあり方から,広告メディアとしての可能性に肯定的な見解を述べつつも,まことにゲームパブリッシャらしく,「プレイヤー/ユーザーに悪い印象を与えてしまうような取り組みは難しい」と,デリケートな市場であることをあらためて強調した。


プレイヤーから見た各種ゲーム内広告の印象は?


電通 プロモーション営業推進局 黒崎裕行氏
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 さて電通の黒崎氏は,エンターブレインとの協力で今年1月に発表された「電通/エンターブレイン共同調査:オンラインゲームの実態を探る」の続きともいうべき,「On-line Gamers Research 2007」の速報版を携え,プレイヤー側から見たゲーム内広告のイメージを数字で説明した。調査に当たっては,ゲーム内広告を

1.ゲーム内の看板や建物に企業名や商品名を掲載する「ブランド露出/単純プレースメント型」
2.企業や商品にちなんだクエストを用意して,オリジナルアイテムやリアルの商品を授与する「オリジナル・クエスト型」
3.現実世界でシリアルナンバー付きの商品を購入することで,特別なゲーム内アイテムが手に入る「リアル商品購入プレミアム型」

の3タイプに分けて,それぞれの印象や体験を聞く。その結果,なんだかんだでブランド露出型の認知/経験率が高く,許容度も高いことが示された。ゲームそのものに与える影響の小ささが許容度につながっていると見るべきだが,それでも広告はきちんと見られていることになるだろう。

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 一方興味関心が湧くかどうかで見てみると,オリジナル・クエスト型の強さが目を引く。よりシンプルな見せ方であるブランド露出型では興味を持たない人がやや増え,購入プレミアム型では興味を持つ人が減る。販売に直結すると,店頭露出に依存してしまうのか。広告対象を好きになるかどうかについても,興味関心とほぼ同じような傾向で,オリジナル・クエスト型が強い。
 だが,広告対象を買ってみたくなるかどうかで見ると,今度は購入プレミアム型が最も高い数字を出している。つまり,商品販売との直結が嫌われているわけではなく,やはり機会の問題,対象商品と出会えるかどうかの問題のようだ。

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 最後のディスカッションで話題になったのも,まさにそこだった。購入プレミアム型の広告は,ゲームと連動した商品を目にした人に影響を与えることができても,そこから,つまり手に入ったアイテムなどから話題が広がるかどうかが,一つの課題だという。もちろんそれ以前に,広告クライアントのゲーム/ゲーマーに対する理解度という,基本的な課題は依然としてあるわけだが。

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 オンラインゲームが,既存の視聴型メディアとときに競合,ときに連携しつつ市場を拡大しつつある現在,有望な広告メディアとして立ち上がってくることには,ある程度必然性があるだろう。そして,Webというコミュニケーションメディアを媒介として成立する娯楽だけに,ゲーム内広告もまた,コミュニケーションによる一層の効果拡大が期待されている。そこは,Webメディア全般に期待されているものと,かなり共通する部分だ。
 今回のシンポジウムでは方法として,ゲーム内広告を形で区分して分析しているが,TVCMのように表現として洗練された形をゲームが受け付けるようになれば,露出型の広告もまた違った展開を見せるだろう。とはいえもちろん,我々ゲーマーにとって,ゲームに対する興味と相乗りしていけるような形や表現が,望まれる点は変わらないが。
  • 関連タイトル:

    アットゲームズ

  • 関連タイトル:

    エミル・クロニクル・オンライン

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