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[AGC 2006#09]「Mass Effect」に見る,新世代デジタルキャラクター開発手法
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ちなみにシネマティックデザイナーというのは,独立した立場から,デジタルキャラクターの“演技”やカメラワークをチューニングし,アクションシーンと会話シーンを自然につなげていく立場を表す,BioWareの造語。映画の制作にたとえると,監督や大道具とは別に,演出家が設けられたという理解をするのが正しいかもしれない。
ゲームの仕様を企画したり,プレイ方法などの創出を行う「ゲームデザイナー」に対して,米国では1990年台中頃に,ゲームデザイナーから独立して,マップの制作やオブジェクトの配置を行う「レベルデザイナー」という存在が注目を集めたが,サイン氏の務めるシネマティックデザイナーも,レベルデザイナーが登場したときと同じような新しい匂いを感じる。
■人間味あふれたキャラクターの作り方
さて,セッションにおいてサイン氏は,Mass Effectに登場する女性外交官キャラクター「アサリ」(Asari)を使って,具体的な制作工程について説明を行ってみせた。
Mass Effectで用いられているのは,「顔はデータ(≒写真)だけを取り込み,モーションキャプチャした体と後で合成する」という手法である。
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上段左のコンセプトアートに近いイメージの女性を顔モデルとして(上段中央),この顔データをもとに,上段右に示した3Dイメージを起こす。このイメージに,別途用意した「表情専用の役者によるモーションキャプチャデータ」を合わせて(下段左,中央),さらに特徴的な頭部や顔の凹凸を表現するシェーダを加える(下段右)ことにより,アサリの顔という完成形を形作っていくという。
もっとも,まばたきや眼球の挙動,表情の変化に伴う筋肉の動きなど,多くはプロシージャル(=自動)生成されるため,アニメーションの1フレームごとに手を加えていく必要はなく,アーティストの仕事量はかなり軽減されているとのことだった。
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開発コストを増大させそうな,非常に手の込んだ作業ではあるが,キャラクターの顔が画面内でアップになっても不自然さがないのは,確かに「シネマティック」といえるだろう。2007年にMass Effectが発売されれば,ゲームで使用されるリアルタイムCGが,大きく進化しているのを体感できるはずだ。(ライター:奥谷海人)
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