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Core 2
  • Intel
  • 発表日:2006/07/27
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印刷2008/01/08 12:05

レビュー

45nm High-kプロセス世代のデスクトップPC向けデュアルコアCPU,その実力に迫る

Core 2 Duo E8500/3.16GHz

Text by Jo_Kubota

»  いよいよ,Penryn世代のデスクトップPC向けデュアルコアCPUが市場に登場する。「Yorkfield XE」は指をくわえて見るほかなかったという多くのゲーマーにとって,より現実的な選択肢といえそうだが,果たしてどれだけのポテンシャルを秘めているだろうか?


Core 2 Duo E8500
※事情により,刻印の一部をボカしています
 Intelの日本法人であるインテルは,開発コードネーム「Wolfdale」(ウルフデール)と呼ばれてきた新世代のデスクトップPC向けデュアルコアCPUを発表した。
 Wolfdaleは,45nmプロセスルールを採用する,「Penryn」(ペンリン,開発コードネーム)世代のデュアルコアCPU。今回4Gamerでは,「Core 2 Duo E8500/3.16GHz」(以下,E8500)の出荷前サンプル(※Engineering Sample)を独自に入手したので,現行のCore 2 Duo――開発コードネーム「Conroe」(コンロー)――と何がどう違うのか,ポテンシャルをチェックしてみたいと思う。


初の45nm世代デュアルコアCPU

L2キャッシュ容量は6MBに


E8500(左)とCore 2 Duo E6750(右)の底面。チップコンデンサの配置が変わっている
Core 2
 Penryn世代では,すでにクアッドコアCPU「Core 2 Extreme QX9650/3GHz」(以下,QX9650)が発表&発売されている。同CPUの開発コードネームは「Yorkfield XE」(ヨークフィールドXE)だったが,Wolfdaleは,このYorkfield(≒Yorkfield XE)のデュアルコア版という理解で間違いない。
 さて,Wolfdale/Yorkfieldでは,SSE関連の性能向上を実現する「スーパーシャッフルエンジン」の採用,より高速な除算回路「Radix-16 Divider」の搭載など,いくつかの改良点がある(関連記事)。しかし,ゲーマー的に最も重要なのは,2個のCPUコアで共有するL2キャッシュ容量が6MBになったことだろう。Conroeでは最大でも4MBだったので,1.5倍以上に増強された計算だ。

 Conroeと比べて動作クロックが引き上げられているのも特徴で,E8500はベースクロック333MHz(FSBクロック1333MHz)×9.5の3.16GHzで動作する。E8500は正式発表時点での最上位モデルだが,プロセッサナンバーの上2桁めが「5」なので,将来的にクロックが段階的に引き上げられていく可能性が見て取れよう。
 一方,45nmプロセスルールを採用することで,TDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)がどうなるか気になる人もいると思うが,65WでConroeから変わっていない(表1)。


 テストのセットアップに入ろう。環境は表2のとおりで,比較対象となるCPUは,QX9650と,「Core 2 Duo E6750/2.66GHz」(以下,E6750)の2製品。E8500とQX9650との比較では,シリーズ最上位モデルにどこまで迫れるのかをチェックし,さらにE6750との比較では,E8500の動作倍率を下げてE6750と同じ2.66GHz動作――「Core 2 Duo E8200」相当――とし,同じ動作クロックにおける新旧Core 2 Duoの違いを見たいと考えている。


 テスト方法は4Gamerのベンチマークレギュレーション5.1準拠。ただし,GPU性能にスコアが左右されやすい「高負荷設定」は省略し,「標準設定」のみで検証を行う。また,同じ理由で「標準設定」の1920×1200ドットも省略した。

Core 2
「CPU-Z」(Vesion 1.42)の実行結果。ステッピングはすでに流通が始まっているQX9650と同じ「C0」となる。CPUコア電圧は若干低めに出ているようだ
Core 2
こちらはすべてのテストが完走した3.80GHz設定時の様子
 ところで,ベンチマークに入る前に,Wolfdaleコアのオーバークロック動作を試してみた。2007年10月29日の記事同12月10日の記事でお伝えしているとおり,Yorkfield XEは倍率変更によって4GHz前後まで動作クロックを引き上げられたことから,E8500にも期待している人は少なくないだろう。
 結論からいうと,今回試用した個体ですべてのテストが完走したのは,ベースクロック400MHz(×9.5)の3.80GHzだった。マザーボード側のCPUコア電圧設定を「Auto」にしたうえで,いわゆる“CPU-Z読み”を試みると,規定クロック設定時のCPUコア電圧は1.040V。この状態でマザーボードのBIOSから最高で1.285Vまでかけてみたが,4.20GHzでWindows XPが起動するもベンチマークは完走せず,4GHzでは一部のベンチマークテストが完走せずといった具合だった。ベースクロックを上げていくオーバークロックのほうが不確定要素が大きいことを考えると,断言はできないが,単純に今回使用した個体の限界が3.80GHz前後だった可能性はあると思われる。
 以上を踏まえて今回は参考値として,E8500を3.80GHz動作させたとき(以下,E8500@3.80GHz)のスコアも取得した。ちなみに,3.80GHz設定時のCPUコア電圧は1.200Vとなっている。

 なお,これはお約束だが,オーバークロック設定は自己責任となる。すべての固体が3.80GHzで動作すると筆者や4Gamer編集部が保証するものではなく,仮に読者が試して,その結果何か重大な問題が発生しても,Intelや販売店の保証外となるので,くれぐれもご注意を。


驚くほど小型化したボックスクーラーが

45nmプロセスの低消費電力をアピールする


製品ボックスに付属するクーラー。左がE8500,右がE6750のものだが,ヒートシンクの高さがまったく異なる
Core 2
 というわけで,さっそくパフォーマンス検証……といきたいところだが,今回はあえて消費電力のテスト結果からお知らせしたい。というのも,E8500のボックスクーラー(=リファレンスクーラー)が,これまでから大幅に小型化しているからである。
 Core 2 Duo用クーラーといえば,銅柱+アルミフィン+ファンというのがお馴染みだ。Pentium Dual-Core用だと銅柱なしだったりもするが,ヒートシンクの高さが34mmというのは,2006年7月のデビュー以降一貫していた。
 それに対してE8500では,まずヒートシンクの高さが19mmと,背が劇的に低くなっている。さらに銅柱も省略されており,「これで大丈夫なのか?」と不安になるほどの簡素化だ。

左の写真はE6750,右の写真は「Pentium Dual-Core E2140」のクーラーと,底面を比較したもの。いずれも左がE8500のクーラーだ。E8500用に銅柱は埋め込まれていない。それにしても,いい加減このプッシュ式はなんとかならないものだろうか……
Core 2 Core 2

EISTを有効にすると,アイドル時には動作クロックが2GHzまで下がる
Core 2
 いつものように,Windowsが起動してから30分間放置した直後を「アイドル時」,CPUだけに負荷をかけるべく,MP3エンコードソフト「午後のこ〜だ」ベースのベンチマークソフト「午後べんち」を30分間リピート実行し,その間で最も消費電力の高い時点を「高負荷時」として,ワットチェッカーで各時点のスコアを計測した。アイドル時については,省電力機能「Enhanced Intel SpeedStep Technology」(拡張版インテルSpeedStepテクノロジー,以下 EIST)のオン/オフ両方でテスト。CPUクーラーは,基本的にすべてE6750の製品ボックスに付属のものを用い,E8500のみ,新型クーラーと組み合わせたときのスコアも取得している。

 テスト結果はグラフ1にまとめたが,興味深いのは,新型クーラーと旧型クーラーで,E8500のスコアに違いが出ていることだ。新旧クーラーの見た目は変わらず,ファンに記載されている電流値も同じ0.60Aだが,少なくとも高負荷時において,E8500付属の新型クーラーを取り付けたほうが消費電力は間違いなく低くなっている。固体差という可能性もあるので,断言はできないものの,ファンモーターが省電力化されている可能性は認識しておいたほうがいいかもしれない。
 2.66GHz動作でE8500とE6750を比較すると,高負荷時に20W程度の省電力化が進んでいるのが分かる。一方,E8500@3.80GHzが,定格動作のQX9650とほぼ同じ消費電力なのは,評価が分かれるところだろう。


 続いて,グラフ1の時点におけるCPU温度を,「CPUID HW Monitor」(Version 1.06)で計測した結果をまとめたのがグラフ2だ。
 ここでは高負荷時に注目してほしいが,E8500の温度はE6750を大きく下回っている。さらに驚くべきは,新型クーラーに取り替えても温度が変わらず,さらに聴感上の騒音レベルが旧型クーラーを取り付けたときと変わらない,“並レベル”に留まっていること。3.80GHz設定時の動作音もE6750のそれを下回っている印象で,もはや衝撃的というほかない。



“L2増量効果”は間違いなくあるが

劇的でないのも確か


 消費電力と発熱の傾向が見えたところで,性能検証に入っていこう。
 まずは「3DMark06 Build 1.1.0」(グラフ3)。グラフのバーは一番上がQX9650だが,E8500は3.80GHz動作でもQX9650に届いていない。マルチスレッドへの最適化が進んだタイトルでは,やはりクアッドコアCPUが有利になるようだ。
 一方,E8500@2.66GHzとE6750の差はわずかだが,しかし確実に存在している。


 続いてはFPSから,GPUパフォーマンスがスコアを左右しやすい「Crysis」の結果だ(グラフ4,5グラフ4は一応CPUベンチマークなのだが,それでも体感できるような差は生じていない。Crysisのような,描画負荷の高い,そしてマルチスレッドへの最適化もそれほど進んでいないタイトルにおいては,むしろGPUのアップグレードを先に考えたほうがいいというわけだ。


 Crysisとはずいぶん違った結果になっているのが,「Unreal Tournament 3」のスコアである(グラフ6)。描画負荷が比較的低く,かつマルチスレッドへの最適化が進んでいないという意味では,ここ2〜3年の3Dゲームタイトルの代表例といえそうな存在だが,グラフのバーは(描画負荷が高まる1600×1200ドットを除いて)ほぼCPUクロック順に並んでいる。クアッドコアCPUの優位性が発揮できない状況では,QX9650≒E8500といったところ。E8500@2.66GHzとE6750の間には,L2キャッシュ容量の違いが生んだと思われるスコア差が見て取れるものの,それほど大きくはない。


 お次は「Half-Life 2: Episode Two」の結果である(グラフ7)。本タイトルは,描画負荷が低く,かつマルチスレッドへの最適化がやや進んでいるという特徴を持つが,E8500@3.80GHzが最も高いスコアで,その次にクアッドコアCPUであるQX9650が続き,QX9650より動作クロックの高いE8500がその次という形になった。
 また,E8500@2.66GHzは高解像度まで比較的安定してE6750に差をつけており,ゲームによっては容量6MBのL2キャッシュに大きな意味があることが見て取れる。


 「ロスト プラネット エクストリーム コンディション」では,実ゲームに近いテスト環境となる「Snow」だとCrysisに似た,そしてCPUベンチマークとなる「Cave」では3DMark06の結果を先鋭化させたようなスコアになっている(グラフ8,9)。後者ではL2キャッシュも“効いて”おり,2.66GHz動作のWolfdale版Core 2 Duo――「Core 2 Duo E8200」と噂されている――が登場すれば,E6750は取って変わられるだろう。


 グラフ10は独自のグラフィックスエンジンを採用するRTS,「Company of Heroes」のスコアをまとめたもの。同タイトルはマルチスレッドへの最適化が進んでいないこともあって,結果はUnreal Tournament 3やHalf-Life 2: Episode Twoを踏襲するものとなった。画面解像度が上がっていくとグラフィックスカードのボトルネックが発生しやすくなること,それが発生するとL2キャッシュ容量の優位性が失われていくことは,憶えておく必要がありそうだ。


 最後にレースシム「RACE 07: Official WTCC Game」のスコアだが,ここでは基本的にクロック順となるものの,その差は大きくない(グラフ11)。グラフィックスカードの性能が頭打ちになっているためだが,スコア的には十分合格点に達しているのを考えると,「パワーのあるグラフィックスカードを搭載していれば,最速のCPUを追い求める必要はない」ともいえそうである。



圧倒的な低消費電力&低発熱が大いに魅力

新規購入に向く新世代デュアルコアCPU


 E8500について,一言でまとめるなら「買い」だ。ConroeコアのCore 2 Duoと比べて,L2キャッシュ増量のメリットはわずかだが確実に存在し,そしてなにより,消費電力と発熱が以前と比べて圧倒的に低い。
 インテルによれば,E8500は2008年1月中の出荷予定で,1000個ロット受注時の単価は3万460円。海外では266ドルと報じられているので,初回出荷時の店頭売価はざっくり税込3万4000円程度になるのではなかろうか。それでいて,2008年1月上旬時点で12万円前後の値がつけられているQX9650と,多くの局面において互角に渡り合うわけで,その魅力は計り知れない(※別記事で紹介しているように,Core 2 Duo E8400/3GHzなら,さらに安価だ)。
 Half-Life 2: Episode Twoやロスト プラネット エクストリーム コンディションで明らかなように,ゲームのマルチスレッド最適化が進めばクアッドコアCPUが有利となるが,最適化されたタイトルの数とコストパフォーマンスを考えると,より多くのゲーマーに勧められるのはデュアルコアCPUのほうだ。

 ただ,前述のとおり,E8500のFSBクロックは1333MHzなので,利用するためには同FSBクロックをサポートするマザーボードが必要になる。もちろん,最新のIntel X38/P35 Expressチップセット搭載マザーボードなら問題ないが,Core 2 Duo時代の初期を支えたIntel 900 Express系だと,FSB 1333MHzをサポートするのは一部に留まるため,多くの人にとって,Wolfdale版Core 2 Duoの購入は,システムの刷新とイコールになるはずである。
 Wolfdaleを導入するに当たってのトータルコストと,得られるパフォーマンスを勘案するに,現在,Conroe版Core 2 Duoの上位モデルを持っているなら,急いで購入する必要はない。動作クロックが上がるのを素直に待つべきである。下位モデルからの買い換え,あるいはCore 2システムの新規導入を考えているなら,Wolfdaleを選ぶべきだろう。
  • 関連タイトル:

    Core 2

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