ニュース
オンナノコをメインターゲットにした横スクロールアクションRPG「ラテール」。間もなく始まるβテストに先駆けて体験レポート
キーボード操作だけで簡単にプレイできる手軽さが受けているのか,同作のディレクター 金仁慧(キム・イネ)氏の話によれば,韓国ではプレイヤーの約4割が女性で,さらに全体の8割が学生だという。日本でも,14〜15歳の“オンナノコ”を主なターゲットとして考えているとのこと。
国内では,12月中にクローズドβテストが開始されるとのことで,近々テスター募集が行われる予定。毎度のことながら,4Gamerでも募集記事を掲載する予定なので,興味のある人はお見逃しなく。
……とはいえ,応募する前に,もう少し本作について知りたいと思う人も多いだろう。ラテールは,本日(11月29日)ティザーサイトがようやく公開されたものの(関連記事),これまで日本ではあまり情報が出てこなかったので,どういうゲームかよく分からないという人が多いはずだ。そこでゲームポットのオフィスにお邪魔し,一足お先にテストサーバー上で,体験プレイをさせてもらってきた。その様子をお伝えしよう。
■ストーリーを重視したカジュアルオンラインRPG
ゲーム冒頭に登場する少女イリスは,とある民族の最後の一人。しかし3年前のある日,少女は忽然と姿を消してしまった。なぜ彼女は消えたのか,少女の身は無事なのか。その謎を解き,彼女を救うため,協力して冒険へと旅立つのが4人のキャラクター=プレイヤー達だ。
イリスの謎はクエストを通じて少しずつ明かされていき,韓国での最新バージョンで実装されているすべてのクエストをこなせば,全体の60%まで物語が展開するという。そしていずれ100%に達すれば,エンディングを迎えるそうだ。おそらく,プレイヤー全体のクエスト進行度に合わせて,次のストーリーが大規模アップデートという形で追加されるシステムとなるのだろう。
とまぁ本作は,オンラインゲームでありながら,かなりストーリー性を重視している。このあたりが,競合タイトル(具体的には,「メイプルストーリー」をはじめとする2D横スクロール型のオンラインゲーム)と違っている部分だという。
キャラクター作成は,まず性別を決めてから好きなクラスを選ぶスタイルで,接近職の「ファイター」,魔法職の「マジシャン」,タンカー役の「シールダー」,そして開錠という特殊スキルを唯一持つ「レンジャー」の4種類を用意。ちなみに韓国で人気が高いのは,育てやすいファイターと,フィールド移動時のモーションがフワフワと宙を浮いて愛らしいマジシャンとのことだ。
なお韓国版のプロローグムービーは,諸般の理由から日本ではカットされるようだ。日本版専用のムービーが新しく用意されるのだろうか?
■カワイイへのこだわり
グラフィックスは,大なり小なり,どんなゲームにおいても重要だが,本タイトルの場合は対象が比較的若い女の子なので,とくに大事にしてほしい部分だ。
スクリーンショットを見ていただければ一目瞭然だが,3頭身のプレイヤーキャラクターや,淡いタッチのモンスター達は,童話風のイメージで十分に可愛らしい。
昨今では“常識”レベルになりつつある,フル3Dで,枝葉の先端まで再現された自然風景や,緻密に描かれた装備品などは確かに美しいが,2Dグラフィックスがもつコミカルな可愛らしさは,また違った趣(おもむき)があると言えよう。
アバター要素はもちろんキッチリと備えており,特徴的なのは,アイテムインベントリを開くと,装備品が「戦闘」と「ファッション」に分かれている部分だ。つまり戦闘タブで自分のレベルとモンスターに合わせた強いアイテムを身に着け,ファッションタブで,その上からお気に入りの衣装を重ね着できるわけ。
帽子から靴まで,全身お気に入りの組み合わせで揃えた衣装を,街中だけではなく通常フィールドでも着用できることは,コレクター気質の強い女性プレイヤーには,割と重要なポイントだったりするのだ。
なお,詳細は後述するが,ラテールの世界に存在する主要都市は,それぞれが日本や韓国,中近東をイメージした造りで,当然販売している衣装アイテムも,お国ごとのカラーが強く出ている。
■実在する国・地域をモチーフにした街
全体マップを開くと,エリアごとに推奨レベルが表示されるので,これを参考にプレイすればよいだろう。また,各エリアの拡大地図を見れば,マップごとのリンク(ワープポイント)が現在位置とともに示されるので,初心者でも道に迷うことはなさそうだ。
地図上で赤い点が通常フィールドで,青い点が拠点となる街/都市,あるいはプレイヤー同士がコミュニケーションを図れる憩いのエリアを示している。
先述したように,各街/都市は実在する国をイメージして作られており,背景グラフィックスはもちろん,NPCや販売されるアイテムなども,その国に合わせたものになっている。
具体的には,「アオイツ」が日本,「エリアス」が韓国,「ベロス」が北ヨーロッパ,「龍京」が中国,そして「エルパ」は特定の国ではなく中近東がテーマだ。また,街だけではなくその周辺エリアに出現するモンスターも,忍者だったりサボテンだったりと,イメージに合わせたものが多い。
街以外に,のんびりとチャットや情報交換を楽しむためのマップも用意されている。コミュニケーション部分を重視していくそうだ。
■システムはごくシンプルな横スクロールアクションゲーム
肝心の操作性とインタフェースは,横スクロールのアクションゲームとしてはかなりオーソドックスな作り。移動はカーソルキー,攻撃はZ/Xキー,Spaceバーでジャンプすれば敵の物理/魔法攻撃共によけられる。これまであまりオンラインゲームをプレイしたことがない人でも直感で操作できるので,すぐに馴染めるだろう。
高レベル向けのマップになると,隣接マップへ移動するにもジャンプのタイミング一つで振り出しに戻るような,やや複雑な操作を要求する箇所も増えるが,プレイヤースキルが問われるというほどのこともなく,基本は繰り返しプレイすれば必ず攻略できるというものだ。
今回β版の体験プレイをしてみて,レベルさえ十分足りていれば,ソロで遊べてしまえそうだと感じた。少なくとも今のところは,職業ごとに特徴はあるが,お互いに補佐しあうメリットはそれほど見られなかった。
ただ,「アイテムをXX個集めてこい」といった内容のクエストの場合は,パーティプレイのほうがはるかに効率がいいようだ。金氏の話では,現在,日本独自仕様として,仲間が募集しやすくなるシステムの実装を検討中とのことだった。
画面左上に表示されるHPとSPは,説明するまでもなく,体力とスキルポイントの残量を表しており,自然回復する。もちろんポーションを飲むことで瞬時に回復できるほか,座ることで回復量を増やすこともできる。
経験値がたまればレベルアップするのは,本作でも同じ。ただし本作の場合,新たなスキルの習得は,レベルとクラスに合った「技術書」を購入することで行う。習得済みのスキルは,アイコンをショートカットにセッティング可能だ。
実際に攻撃スキルを使ってみると,どれもエフェクトはかなり派手で攻撃力も高いが,同じスキルの連続使用はできなかった。そのため,複数のスキルを組み合わせて戦うことになるのだろう。自分なりのコンビネーションを考えるという楽しさも味わえるかもしれない。
女性で「ゲームが好き!」という人に話を聞いてみると,その多くは家庭用ゲーム機あるいは携帯ゲーム機を意味していることが多く,PCゲームは,ようやく最近になってMMORPGのタイトルを耳にするようになった程度だ。
ラテールは,アクション性はさほど高くなく,むしろシンプルな操作でプレイできるので,パッド対応にすることで,女性でも気軽にプレイできるゲームとなるはず。キーボード操作のゲームに不慣れな人に対してハードルを下げ,間口を広げるという意味で,これからのカジュアルゲームでは,パッド対応機能が必須になるのかもしれない。
まだβテストさえ始まっていない段階なので,評価はできないが,とりあえず今回プレイして分かったのは,システム的には,実に王道の2Dアクションゲームだということ。登場キャラクターは可愛らしいし,アバター要素もなかなか豪華。ゲーム初心者でアクションが苦手な人でも,投げ出してしまうほど難しくないという難度は,15歳前後の女性というターゲット層を考えればちょうどよいバランスを保っている。
国内ではすでに「メイプルストーリー」が同様のユーザー層をがっちりとつかんでいるが,間もなく始まるクローズドβテスト,そしてその後に控えるオープンβテストの結果,ラテールがどこまで「女の子」から注目を集められるのか,今から楽しみだ。(ライター:麻生ちはや)
- 関連タイトル:
トキメキファンタジー ラテール
- この記事のURL:
(C)HappyTuk Co., Ltd. All Rights Reserved.
(C)Actoz Soft. All Rights Reserved.