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「持ち運べるゲームPC」を狙ったG-Tune「NEXTGEAR-C」の中身はどうなっているのか。その内部構造をチェックしてみた
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印刷2017/11/17 15:15

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「持ち運べるゲームPC」を狙ったG-Tune「NEXTGEAR-C」の中身はどうなっているのか。その内部構造をチェックしてみた

NEXTGEAR-C
G-Tune
 ゲーマー向けPCブランド「G-Tune」を展開するマウスコンピューターは,ここ最近,単体GPUを搭載する小型のゲーマー向けデスクトップPCに目を向けている。2015年9月には,持ち運びも可能な取っ手付き小型筐体を採用しながら,大型のグラフィックスカードも内蔵可能な「LITTLEGEAR」シリーズを発売。2017年3月には,「液晶パネルとキーボードのないノートPC」的なデスクトップPCである「NEXTGEAR-SLIM」をリリースするといった具合だ。
 そのG-Tuneから,2017年9月に登場したのが,ゲーマー向け超小型デスクトップPCの新シリーズ「NEXTGEAR-C」である。本製品は,コンパクトなキューブ型筐体を採用するPCで,公称本体サイズは158(W)×143(D)×87(H)mm,公称重量は約1.6kg。底面のフットプリントは,PlayStation 4用ゲームソフトのBDケース(約135×170mm)よりもやや小さい程度という小ささだ。

 各製品とも,共通するのは“小型”という点だけで,それぞれまったく異なった性格の製品群である。ではなぜG-Tuneは,小型のゲーマー向けデスクトップPCを次々と市場に投入するのだろうか。同社への取材を通じて,NEXTGEAR-Cのコンセプトと製品の特徴を明らかにしていこう。

NEXTGEARのミドルタワーPC(写真中央)と並べたNEXTGEAR-C(写真右)。大まかなサイズがイメージできるだろう
G-Tune


持ち運び用途を重視して新開発


 なぜG-Tuneは,LITTLEGEARやNEXTGEAR-SLIMといった小型PCがすでにあるのに,改めてNEXTGEAR-Cという新製品を商品化したのだろうか。
 LITTLEGEARとNEXTGEAR-SLIMを開発した理由として,マウスコンピューター コンシューマ営業統括部 コンシューママーケティング室の安田祐三郎氏は,「ゲームのイベントで使える小型軽量でハイスペックなPCが欲しいという要望があった」と述べる。小型軽量でハイスペックという点では,ゲーマー向けのノートPCが以前からあるが,イベントの場で使うPCは,電源の確保が可能なのでバッテリーは不要であり,外付けの大画面ディスプレイを使うことも多いので,内蔵の液晶ディスプレイすら不要になることもある。とくに,VR関連の展示では,ノートPCの液晶ディスプレイは使われないことが多いそうだ。

2015年9月に登場したLITTLEGEARは,Mini-ITXタイプの小型デスクトップPCだ(左)。2017年3月に登場したNEXTGEAR-SLIMは,ノートPCのマザーボードを流用した薄型デスクトップPCである(右)

持ち運びに焦点を当てて開発したNEXTGEAR-Cは,製品ボックス(写真右)もコンパクトで,持ち運び用の取っ手もついている
G-Tune
 LITTLEGEARは,そうしたニーズに対応すべく開発したデスクトップPCであったわけだが,個人がイベントなどで持ち運ぶには,まだ大きいという声があったという。
 一方,NEXTGEAR-SLIMは,LITTLEGEARよりも32%も専有面積が小さい製品であり(関連記事),持ち運び用途であれば,これで十分ではないかと思うところだ。しかし安田氏によると,NEXTGEAR-SLIMはスタンドに立てて使う仕組みであるため縦に大きく,バッテリー内蔵であるためやや重いこともあり,持ち運びという点では不利な面があるのだそうだ。
 こうした意見を踏まえて,ゲームイベント,とくにLANパーティーのような用途を狙い,「持ち運ぶための小ささ」にポイントを置いて開発したのが,NEXTGEAR-Cなのだという。実際,NEXTGEAR-Cを発売して最初に反応したのは,ゲームPCを持ち運ぶ必要のあるVR関係者やイベント出展者であったとのこと。NEXTGEAR-Cのコンセプトは,対象ユーザー層からきちんと評価されたようである。

 さて,コンセプトを理解したところで,NEXTGEAR-Cシリーズの第1弾製品である「NEXTGEAR-C ic100BA1-SP」の詳細を見ていこう。なお,本稿では特記する理由がない場合を除いて,NEXTGEAR-C ic100BA1-SPのことをシリーズ名のNEXTGEAR-Cと記載している。

 サイズについては冒頭でも触れたとおりで,CDケースよりやや大きい,BDソフトのケースよりはやや小さいというコンパクトさだ。マウスコンピューター社内にある会議室の1つには,VR HMDの「Vive」を接続したNEXTGEAR-Cが置かれていたのだが,VR HMD本体よりも,NEXTGEAR-Cのほうが小さいくらいであった。
 電源は内蔵しておらず,出力180Wで重量700g程度のACアダプターを使用する。本体やACアダプターを合わせた重量は,製品ボックスに入れた状態で3kg以内とのことなので,大型のゲーマー向けノートPCよりも軽い。

Vive(写真左)とNEXTGEAR-C(写真右)を並べて
G-Tune

NEXTGEAR-Cの上にViveを載せた状態。Viveよりも横幅が狭く,高さも低いのが分かるだろう
G-Tune

 前面にはUSB 3.0 Type-Aポートが2つと,SDカードスロットがあり,左右両側面には,大きめの通風孔が2つずつ配置されていた。一方,背面には,狭いところに主要なインタフェース類を詰め込んでいるため,非常に密度が高く見える。
 なお,USBポートが前面と背面合わせて9ポート(※USB 3.0 Type-C×1,USB 3.0 Type-A×4,USB 2.0 Type-A×4)と豊富なのは,「VR用途に使うことを考慮すると,本体のUSBポートは多いほうがいい」(安田氏)という理由によるものとのこと。

NEXTGEAR-Cの左側面(左)と右側面(右)。大きめの通風孔が上下に2つ並んでおり,よく見るとヒートシンクのフィンが見える。なお,分解中に撮影した写真なので,天板部分がないことはご容赦を
G-Tune G-Tune

NEXTGEAR-Cの背面(左)。小さなPCながら,ビデオ出力インタフェースとしてDisplayPort出力×1,HDMI出力×2と,3系統も備えているのはポイントと言えよう。なお,USB 3.0 Type-Cポートの左側にあるHDMIポートは,実際には機能しないもので,カバーを填めた状態で出荷されるとのこと。右写真は,この背面に液晶ディスプレイとVive,キーボードやマウスを接続した状態だ。ケーブルがギッシリという感じである
G-Tune G-Tune

 ちなみに,小さな筐体をしているわりに,重量が約1.6kgと,13〜14インチ級のノートPCほどもあるのには理由がある。NEXTGEAR-Cは,筐体や底面パネルに樹脂製の素材ではなく,金属製の素材を使っているのだ。部材のコストが安い樹脂ではなく,金属の素材を採用したのは,「強度を保ちつつ軽量化が可能で,放熱もしやすくなるため」と,安田氏は説明していた。


小さな筐体の中は三層構造

CPUとGPUを別の層に置くことで熱源を分離


 NEXTGEAR-Cで面白いのは,その内部だ。
 NEXTGEAR-Cは,ノートPC向けGPUの「GeForce GTX 1060 3GB」と,4コア8スレッド対応CPU「Core i7-7700HQ」を搭載。メインメモリは最大16GB×2を内蔵可能で,ストレージにはPCI Express x4接続またはSerial ATA 6Gbps接続のM.2 SSD(最大容量1TB)を1基と,Serial ATA 6Gbps接続の2.5インチHDDまたはSSDを1基搭載できるようになっている。スペック的にはエントリー市場向けのゲーマー向けノートPC並みといったところか。
 では,これらのパーツがどのように組み込まれているのか,NEXTGEAR-Cの内部を見ていこう。なお,本製品は,蓋を開けるとメーカー保証が無効になるので,くれぐれも真似はしないように。

 NEXTGEAR-Cの内部にアクセスするには,天面と底面のパネルを外す必要がある。といっても,これらは普通のネジで固定されているだけなので,開けること自体は簡単だ。ただ,天面側のパネルは,裏側に無線LAN用のアンテナが貼り付けられており,アンテナの接続ケーブルで基板側とつながっている。

天面パネルは,筐体の左右側面上側にある4つのネジで固定されている(左)。ネジ孔はマイラーカバーで塞がれているので,開けるにはこれを剥がさなくてはならない。右写真は本体から外した天面パネルの裏側。パネルは樹脂製で,無線LANアンテナが2つ,アルミ箔のようなものに貼り付けられていた
G-Tune G-Tune

 天面パネルを開けた内部には,大きめの金属プレートがネジ留めされていた。これは2.5インチHDD/SSDを固定するための板で,これも外すとマザーボード面にアクセスできるという仕組みだ。

天面側から見た内部(左)。金属製のプレートで覆われているが,これは2.5インチHDDを固定するためのもの。右写真は,本体から外したHDD取り付け用のプレート。デモ機では容量1TBの2.5インチHDDが取り付けられていた
G-Tune G-Tune

 プレートを外すと,SSDを装着したM.2スロットが1つと,DDR4 SO-DIMMのスロット2つが現れた。

HDDを固定するプレートを外して,マザーボードを上から見た状態。写真手前側が前面だ。SO-DIMM用のスロットは2つあり,そのうち1スロットにメモリが差さっている。M.2スロットは奥側にあり,SSDが装着されていた
G-Tune

 底面側も,ネジを4つ外すだけで底板のパネルを取り外せる。無線LANアンテナなどはないので,こちらは単に取り外すだけだ。
 開けてすぐ目に入る大きなファンは,GPU用の冷却ファンとのこと。背面側のビデオ出力インタフェース類は,サブ基板となっていて,GPUのある基板とフレキシブルケーブルで接続されていた。

底面パネルもネジを4つ外すだけで取り外せる(左)。パネルは金属製で,中央のメッシュ部分は吸気孔だ(右)。つまり,設置時は底面をふさがないように注意しよう
G-Tune G-Tune

底面側から見たNEXTGEAR-Cの内部。写真上側が本体の前面側となる。大きな空冷ファンの下に,ヒートパイプが載ったヒートシンクが見える。排気は右側面側に吐き出す仕組みだ
G-Tune

左から天板。HDDと取り付け用プレート,NEXTGEAR-C本体,底面パネル
G-Tune

 底面パネルを開けると現れる空冷ファンを見て,「GPUとCPUをこれ1つで冷却しているのかな」と思う人もいるかもしれないが,実際は違う。高さが87mmしかないにも関わらず,NEXTGEAR-Cの内部は,天面側から見てストレージ&メインメモリ用,CPU用,GPU用と,3つの区画に区切られており,CPUとGPUは,それぞれ別々の基板に実装されている。そして,それぞれが別々の冷却機構によって放熱を行っているのだ。
 筐体内をいくつかの区画に区切り,それぞれに熱源を分散配置して冷却効率を高める構造は,大型の筐体を使うデスクトップPCでこそ珍しくないが,コンパクトなNEXTGEAR-Cで採用しているというのには,ちょっと驚かされた。

先に掲載したNEXTGEAR-Cの側面写真をもう一度よく見てみよう。左側面(左)の筐体中段部分にあるスリットから見えるのが,CPU用のヒートシンクだ。一方で,右側面側(右)は筐体上段と下段にスリットがあり,下段側にGPU用のヒートシンクが見えている
G-Tune G-Tune

NEXTGEAR-Cのマザーボード(※マウスコンピューター提供)。写真は上下逆さまにした状態で,見えている側は底面側である。右上側が本体前面で,左下側が背面だ。CPUは2本のヒートパイプにより,本体左側面側にあるヒートシンクとつながっている
G-Tune

NEXTGEAR-CのGPUを搭載している側の基板(※マウスコンピューター提供)。こちらも見えているのは底面側で,左下が本体背面となる。GPUのGeForce GTX 1060 3GBと,その周囲を囲む6個のGDDR5メモリチップが目を惹く。写真右下の基板上に何も載っていない部分は,ヒートシンクを取り付けるスペースだ
G-Tune

 熱源となるGPUやCPU,ストレージを3つの区画に配置したNEXTGEAR-Cの3パート構造は,ノートPCのノウハウを用いたものであると,安田氏は説明していた。ヒートパイプを多用して熱源とヒートシンクをつなぐ冷却機構は,ノートPCでよく見かけるもので,そういう意味ではノートPCっぽいというのも頷ける。
 また,CPUとGPUの区画を分けたことにより,どちらかに高い負荷がかかっているような状況でもプロセッサをフルに動かせると,安田氏はアピールしていた。

 さて,CPU側のマザーボードとは別基板にGPUを搭載する構造と聞けば,気になるのが「GPUの基板を別のGPUを搭載するものと交換することで,性能を強化できるのではないか」ということだろう。安田氏に,この問いを投げかけたところ,残念ながら「熱設計的には難しいだろう」という回答だった。


性能面で物足りなさはあるが,持ち運ぶゲームPCとしてアリな1台


G-Tune
 小型の筐体内に熱源を分けて配置する構造を採用するNEXTGEAR-Cは,「持ち運んでイベントやLANパーティーで使うPC」というコンセプトどおりの製品に仕上がっているように思える。軽量で設置面積が小さく,それでいてインタフェース類も充実しているというのは,ハイスペックなノートPCでもなかなか実現できない利点であり,そうした用途に適したPCを求める人には,魅力的な製品となるのではないだろうか。
 個人的にも,机の上に置いても邪魔にならない小型のゲームPCというのは,かなり物欲をそそられる面がある。

 一方,ゲーム用途,とくにVR HMDと組み合わせてVRゲームのデモに使う用途を考えた場合,GeForce GTX 1060 3GBというGPUは,ほとんど最低限の性能と言ってよく,性能面で高いところを狙った製品ではない。それゆえに,ゲームによっては快適な動作のために,グラフィックス設定を下げたりする必要も出てきそうだ。

 BTO標準構成価格は17万5824円(税込)で,この価格は,同じCPUとGPUを搭載するゲーマー向けノートPC「NEXTGEAR-NOTE i5540BA2-SP」に同容量のSSDを搭載した構成と同程度である。小型のゲーマー向けPCには,スペックのわりに割高な価格設定をされているものもあるが,そうした既存の小型ゲームPCに比べると,NEXTGEAR-Cは,それほど割高ということもないのも評価できる点だ。
 モバイルユースではなく,省スペース性や持ち運んで使う用途を重視してゲーマー向けノートPCを検討している人は,NEXTGEAR-Cのような小型デスクトップPCに目を向けてみてはどうだろうか。

●NEXTGEAR-C ic100BA1-SPの主なスペック
  • CPU:Core i7-7700HQ(4C8T,定格2.8GHz,最大3.8GHz,共有L3キャッシュ容量6MB)
  • チップセット:Intel HM175
  • メインメモリ:PC4-19200 DDR4 SDRAM 8GB×1(最大 16GB×2)
  • グラフィックス:GeForce GTX 1060 3GB(グラフィックスメモリ容量3GB)
  • ストレージ:SSD(Serial ATA 6Gbps接続,容量256GB),HDD(Serial ATA 6Gbps接続,容量1TB)
  • 無線LAN:IEEE 802.11ac
  • 有線LAN:1000BASE-T
  • 外部インタフェース:DisplayPort×1,HDMI×2,USB 3.0 Type-C×1,USB 3.0 Type-A×4,USB 2.0 Type-A×4,4極3.5mmミニピンヘッドセット端子×1
  • ACアダプター:付属(定格出力180W)
  • 公称サイズ:158(W)×143(D)×87(H)mm
  • 公称重量:約1.6kg
  • OS:64bit版Windows 10 Home
  • BTO標準構成価格:15万9800円(税別),17万5824円(税込)

G-TuneのNEXTGEAR-C製品情報ページ

G-Tune 公式Webサイト

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