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Logicool G渾身のワイヤレスマウス「G900」レビュー。「ワイヤードより速い」は本当なのか,テストで明らかにする
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印刷2016/04/14 00:00

レビュー

Logicool Gの「ワイヤードより速いワイヤレスマウス」は本当か?

G900 Chaos Spectrum Professional Grade Wired/Wireless Gaming Mouse

Text by BRZRK


G900 Chaos Spectrum Professional Grade Wired/Wireless Gaming Mouse(国内製品名:プロフェッショナルグレード ワイヤード/ワイヤレス ゲーミング マウス)
メーカー:Logitech International
問い合わせ先:ロジクール カスタマーリレーションセンター
電話:050-3786-2085
メーカー直販価格:2万1130円(税別)
画像集 No.002のサムネイル画像 / Logicool G渾身のワイヤレスマウス「G900」レビュー。「ワイヤードより速い」は本当なのか,テストで明らかにする
 Logicool G(日本以外ではLogitech G)の新型となるワイヤレス&ワイヤード両対応マウス「G900 Chaos Spectrum Professional Grade Wired/Wireless Gaming Mouse」(国内製品名:プロフェッショナルグレード ワイヤード/ワイヤレス ゲーミング マウス,以下 G900)が,2016年4月14日,発売の日を迎えた。

 軽く2万円オーバーという,とてもインパクトのある価格の新製品について,Logitech G/Logicool Gは「プロゲーマーが本当に競技で使える」「ワイヤードマウスよりも反応がよい」と強気のアピールを行い,後者に関しては実際に競合製品との比較デモすら披露しているわけだが(関連記事),やはり実際にテストしてみないことには,読者に勧められるかどうか判断できない。
 みっちり使い,従来製品や他社製品との比較も行ったので,今回はその結果をまとめてみよう。

「世界一のマウス工房」見学レポート。Logicool Gの「ワイヤードより高速なワイヤレスマウス」はいかにして生まれたのか

Logicool G,「ワイヤードマウスより低遅延」なゲーマー向けワイヤレスマウス「G900」発表。キーパーソンがその特徴を語る


製品ボックスは最近のLogitech G/Logicool Gと同じテイストながら,高級感を感じるものだ。さすがはプレミアムな「9」系の新モデルといったところか
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とにかく軽いG900。外観にも見どころは多い


 G900は,左右対称形状を採用し,右利きと左利きの両方に対応するマウスだ。本体サイズは67(W)×130(D)×40(H)mmで,スカートの形状などを無視すれば,「G502 Proteus Core Tunable Gaming Mouse」(国内製品名:G502 チューナブルゲーミングマウス,以下 G502)とほぼ同じ。「Logitech G/Logicool Gのマウスとしては標準的な大きさ」と評していいように思う。

4Gamerの比較用リファレンスマウス「Gaming Mouse G500」と並べたところ。。サイズ感はほぼ同じ。ただし,背はG900のほうが低い
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G900の内部構造を示す分解立体見本。バッテリー込みで110gいかないというのがポイントだ,なお,G900の詳細な分解写真は3月26日の記事を参照してほしい
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 重要なのは,このサイズ,そして,ワイヤレス対応ということでバッテリーパックを搭載するにもかかわらず,G900の重量が実測約107.5gしかないことだ。G502だとケーブルを除く本体重量が実測約124g,上で比較に用いた「Gaming Mouse G500」だと(ケーブルを物理的に外した状態のデータは手元にないため,ケーブルを重量計からどかせた参考値になるが)同114〜120gなので,Logitech G/Logicool Gの歴代主力マウスよりも軽いということになる。しかも,若干ではなく,かなり軽い。

 外観の話に戻ると,側面から見たとき,メインボタンが浮いたようなデザインになっているのはG900の特徴で,ここが正直,見た目の好き嫌いの分かれるポイントではないかと思うが,このデザインの理由になっているのが,斜めに取り付けてある左右メインボタン用スイッチだ。

Logitech本社のあるスイスで開発現場を取材したときのレポートから再掲となる,G900におけるメインボタン設計(左)。メインボタンの角度に対して,スイッチが平行になっている。右は一般的なマウスのスイッチ実装法と比較したものだが,大きく異なるのが分かる
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 G900では,軽量化しつつ本体の耐久性を高める目的で,天板と底板に挟まれた“内筐体”を用意しているのだが,その先端が斜めになっていて,そこにスイッチを搭載している。結果,「底板のすぐ上にあるメイン基板上に搭載されたスイッチ」よりも設置面からの高さが上がり,それが,こういう外観につながっているのだろう。
 このメインボタンスイッチには,「G303 Daedalus Apex Performance Edition Gaming Mouse」(国内製品名:G303パフォーマンスエディションゲーミングマウス,以下 G303)で採用されているのと似て非なる,バネを用いたテンションシステムが採用されているのだが,そのあたりも含め,使い勝手は後段で述べたい。

いままでにないメインボタンとスイッチの実装形態ということもあり,これまでのLogitech G/Logicool G製マウスにはなかった隙間や凹みがある。使ってみると操作性面での違和感は全然ないのだが,第一印象としてのデザイン面に違和感を抱く人はいると思う
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 サイドボタンがマグネットによる着脱式というのも,G900の持つ大きな特徴の1つだ。工場出荷状態では左サイドがボタン2個,右サイドがボタン無効化カバーで,いずれもマグネットでしっかり固定されており,操作に不安はない。その一方,指先の爪をボタンやカバーにかけて引くようにすれば,いつでも簡単に取り外して,付属の交換用ボタンやカバーに付け替えられる。

「G」ロゴの入った付属ケース。ここに,ワイヤレスのレシーバー(など)とセットで,交換用のボタンとカバーが収まっている
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本体側面では,カバーと2個のボタンから好きなほうを選択して取り付けられる(左)。お勧めはしないが,「取り付けない」という選択も物理的には可能だ(※その場合,奥まったところに押しにくいボタンがあるという状態になる)。本体を覗き込むと2ボタン分のマグネットも確認できた(右)
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 実際,G900では,サイドボタンの組み合わせを以下のとおり設定可能。つまり,サイドボタンの数は0/2/4個から,自由に選択できることになるわけだ。なお,詳細は後述するが,右利き,左利きの設定は「Logicoolゲームソフトウェア」(日本以外では「Logitech Gaming Software」,以下 LGS)から変更できる。

  1. 左サイドボタン×2を使い,右サイドのボタンはカバーで物理的に押せなくする(※右利き用のサイドボタン2個構成)
  2. 右サイドボタン×2を使い,左サイドのボタンはカバーで物理的に押せなくする(※左利き用のサイドボタン2個構成)
  3. 左サイドボタン×2,右サイドボタン両方を使う
  4. 左右ともサイドボタンを物理的に押せなくする

 そのほかのボタンは,左右メインと,センタークリック機能および左右チルト機能付きスクロールホイール,スクロールホイール手前の2個。なので,操作に使えるボタンの数は7〜11個の間で可変ということになる。

スクロールホイールの手前側にはボタンのようなものが3つ見えるが,よりスクロールホイールに近いほうは,スクロールホイールの抵抗感を変更できるスイッチで,24刻みか,抵抗感なしでクルクル回るかを順繰りに設定するためのものとなっている。重量を削るため,ホイールに大胆な軽量化が見えるのも面白い
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G900と付属品。先ほど軽く紹介したとおり,レシーバーと変換アダプターはGロゴ入り小型ケースの中に入っていた
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付属のUSBケーブル。G900と接続する側の先端が特殊だ
 ハードウェアでもう1つ面白いのは,充電周りだ。
 一般にワイヤレスマウスのレシーバーは,PC側のUSB Type-Aポートに差すのが前提だ。しかしG900の場合は,ワイヤレスで使っていてバッテリー残量が心許なくなった場合,ケーブルを差して充電しながら使う必要があるため,USBケーブルの先端に,付属の変換アダプターでワイヤレスレシーバーを接続する前提となっている。
 しかも,そのUSBケーブルは先端が刺股(さすまた)のように分かれており,2つある突起をG900側の本体前方側先端部にあてがうようにすると,ケーブルを簡単に接続できるのだ。USB Micro-B端子は表裏があって差しにくいというイメージを持つかもしれないが,慣れるとブラインドで着脱できる。ローテクだが,アイデア賞モノの接続仕様と言っていいように思う。

左上がワイヤレスでの利用イメージ。ケーブルの先端に変換アダプターごとレシーバーを取り付けておいて,充電する必要が生じたら変換アダプターを外す(右上)。そして,G900側にある2つの凹みにケーブルの先端が来るよう合わせながらケーブルを差し込む(左下)。写真では見栄えのためにマウスを立てているが,マウスパッドの上で簡単に行えるのがありがたい。右下は充電中の様子で,この状態ではワイヤードマウスとして使える
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 なお,本体底面にはスライドスイッチとボタンが1つずつあるが,前者は電源のオン/オフを切り替えるためのもの,後者はLGSから登録できる各種プロファイルを切り替えるためのものとなっている。ファーストインプレッション記事でもお伝えしているとおり,G900は10分強放置するとスリープに入るので,電源スイッチはよほどのことがない限りオンのままでもいいように思うが,念のため,場所は押さえておきたい。


左右対称形状らしい制限はあるものの,「かぶせ持ち」以外なら握りやすい


 外観を細かく見てきたが,左右対称形状ということで,実際に手にしたときのフィーリングはどうだろうか。以下,写真とキャプションでまとめてみた。

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「つまみ持ち」の例。G900の左右側面にあるくびれより少し手前の,膨らみだしの部分に親指と小指を配置すると持ちやすくなる
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「つかみ持ち」の例。筆者の場合,気持ち奥側(=マウス前側)に指を配置すると違和感なく操作できた
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「かぶせ持ち」の例。両利き対応マウスの常ではあるが,ベタ置きする小指と薬指が若干配置しにくい。そこで,筆者は右メインボタンとサイドパネルの隙間に引っ掛けるように薬指を配置して位置を固定し,小指はサイドパネルにベタ置きしている
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かぶせ持ちをベースとした筆者独自の持ち方「BRZRK持ち」の例。人差し指と中指はベタ置きにして,残りの指は浅いつかみ持ち風にすると,窮屈さもなく快適に操作可能だった

 左右対称形状のマウスということで,かぶせ持ちでは,薬指と小指の配置場所が定まりにくい問題はある。筆者の場合は置く場所を少し工夫することで解決したが,それでもしっくりこない人はいるかもしれない。これはもう,左右対称形状のマウスが持つ宿命みたいなものなので,なんとかして慣れるか,諦めるかするほかない。
 残る3タイプの持ち方に関していえば,これといった問題はない。実測約107.5gという軽さ,そしてワイヤレスであることを武器に,とても軽快に取り回し可能だ。

本体側面は基本的に内側へ切れ込んでおり,本体後部側のみ,切れ込みから反転してスカート状に広がる構造になっている。「指2本を置くための明示的な凹み」がないので,かぶせ持ち派はこの点,どうしても難儀する可能性がある
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LGSの複雑なユーザーインタフェースは相変わらず


 本稿の序盤で述べたとおりというか,Logitech G/Logicool G製品の常として,G900は「動作させるだけならWindows標準のクラスドライバで問題ないが,さまざまなカスタマイズを行うにはLGSが必要」という仕様になっている。

 で,このLGSだが,慣れれば問題ないものの,人生初のゲーマー向けマウスにおけるだった場合には,間違いなく高難度という,非常に取っつきにくいものだ。Logitech G/Logicool Gでは以前,改善を予告していたのだが,G900の発売を迎えた時点でも,依然として何の対策もされていないことは,起動後にほぼ何の説明もないまま「自動ゲーム検出」か「オンボードメモリ」のどちらかを選ばされることですぐに分かる。

LGSのメインメニュー。右に見える切り替えスイッチで自動ゲーム検出かオンボードメモリか,動作モードを選択することになる。G900を接続した状態では,左上にバッテリー残量表示がある点に注目してほしい
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オンボードメモリを選んだ場合,下に並んだアイコンが整理され,マウスとフラッシュメモリチップが並んだアイコンのところから,ボタンとセンサー設定をまとめて行うことになる
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 この2択が最大の難関なのだが,より細かなカスタマイズをできる自動ゲーム検出,マウスボタンの機能割り当てやDPI設定といった,基礎的な項目だけを設定できるオンボードメモリというイメージでいい。後者は,オンラインゲームをプレイするにあたって規約に反しない範囲のカスタマイズだけを行うためのものなので,「基本的には自動ゲーム検出を選んでおき,問題が発生したらオンボードメモリを選ぶ」くらいの対応でいいと思う。せめてこの程度のテキストをLGS上に表示してくれるだけでも,使い勝手はずいぶん良くなると思うのだが。

 というわけで下に示したのは,多くの読者にとって標準となるであろう自動ゲーム検出を選んだ状態で,ボタン周りとセンサー周りの設定をそれぞれ選択した状態のスクリーンショットである。
 前者では,上段でプロファイルを追加して,各種ボタンの設定を行える。前述した左右サイドボタンの仕様を選択できるのもここだ。一方の後者では,最大5段階のDPI設定やUSBレポートレート(ポーリングレート),加速といった設定や,プロファイルごとにDPI設定を変更するかどうかといった指定も行える。

ボタン関連の設定を行える項目(左)と,センサー関連の設定を行える項目(右)
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 そのほかの設定項目は,スクリーンショットと写真,そしてキャプションで確認しておこう。

メニュー下段にある,一際派手なアイコンから,LEDの色や光り方を選択できる。色はGロゴ部とインジケータで個別に設定可能だ。ただ,右は電源ケーブルを外した直後に数秒表示されるバッテリー残量インジケータなのだが,この色は変更できなかった
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Logitech G/Logicool G伝統の5弾LEDインジケータ。こちらの色は変更できる
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色を固定で変更してみたところ。左から順に赤,橙,黄,緑,白,水,青,紫,桃。赤系がやや強いきらいもあるが,全体としては綺麗に色が出ている
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G502で採用された,マウスごとにセンサー出力をキャリブレーションできる素晴らしい機能は,同じセンサーを搭載するG900でも健在。「自動ゲーム検出とオンボードメモリ」の分かりにくさとは異なり,こちらは日本語の指示に従うだけで設定できるので,ぜひ利用したい
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バッテリー設定の項目では,バッテリーの残量だけでなく,内蔵LEDの発光パターンによってどれくらいバッテリーの持ちが違うかを,「残り○○時間」などといった数字で確認できる
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メニュー下部にある歯車アイコンを押すと「設定」ウインドウが開く。ここの「G900」タブからは,直線補正(アングルスナップ)やDPIのLEDインジケータ無効化設定が可能だ。直線補正は標準で無効化されている

 バッテリー設定の項目でライティング? と思った人もいるかもしれないが,これは,LEDのオン/オフがバッテリー駆動時間に影響を与えるためだ。G900の場合,常時非点灯で連続32時間,常時点灯で連続24時間の利用が可能なので,ここで,光り方とバッテリー駆動時間の関係性を確認できるようになっているわけである。

 以上,相変わらずごちゃごちゃしたユーザーインタフェースだが,くまなく探せば,必要十分な設定項目に辿り着けるので,現時点では慣れてもらうしかない感じだ。レビューのたびに言わせてもらっているが,LGSは,もっとシンプルであるべきだと思う。


クリックへの反応速度は爆速! サーフェスキャリブレーションの効果は相変わらず高い


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 さて,テストだ。
 Logitech G/Logicool Gは,G900について,「ワイヤードマウスより高速」と謳い,実際にスイスの開発部門で,テスト結果を披露している。そのレポート記事はとても興味深く,筆者も隅から隅まで読んだわけだが,それでもなお,「ワイヤードマウスよりもG900のほうが速いなんてありえない」という気持ちは否定できない。そこで,スイスの現地でデモを見てきた担当編集者と相談のうえで,今回は,いままで行ったことのないテストを実施してみることにした。

 それに先だってお知らせしておくと,テストに用いたシステムとテスト条件は以下のとおりである。比較対象が出てくる場合,そのテスト設定は個別に紹介したい。

●テスト環境
  • CPU:Core-i7 4770(4C8T,定格クロック3.4GHz,最大クロック3.9GHz,共有L3キャッシュ容量8MB)
  • マザーボード:GIGA-BYTE TECHNOLOGY GA-Z87X-UD4H(Intel Z87 Express)
    ※マウスはI/Oインタフェース部のUSBポートと直結
  • メインメモリ:PC3-12800 DDR3 SDRAM 8GB×2
  • グラフィックスカード:MSI GTX 970 GAMING 4G (GeForce GTX 970,グラフィックスメモリ容量4GB)
  • ストレージ:SSD(東芝「HG6」(THNSNJ256GCSU,Serial ATA 6Gbps,容量128GB)
  • サウンド:オンボード
  • OS:64bit版Windows 10 Pro

●テスト時のマウス設定
  • ファームウェアバージョン:1.1.19
  • LGSバージョン:8.82.141
  • DPI設定:200〜12000 DPI(主にデフォルト設定の800 DPIを利用)
  • レポートレート設定:125/250/500/1000Hz(※主にデフォルト設定の1000Hzを利用)
  • Windows側マウス設定「ポインターの速度」:左右中央
  • Windows側マウス設定「ポインターの精度を高める」:無効

 というわけで,いきなり新テストである。その流れは以下のとおりで,簡単にまとめると,「マウスクリック音と,音楽制作ソフト上のシンセサイザーが鳴らす音の遅延を比較することにより,『マウス入力から何秒遅れて音が鳴るか』をチェックし,それによってクリックの反応速度を見る」というものになる。

画像集 No.064のサムネイル画像 / Logicool G渾身のワイヤレスマウス「G900」レビュー。「ワイヤードより速い」は本当なのか,テストで明らかにする
  1. テスト対象のマウスを定位置で固定
  2. マイクスタンドに吊したRazer製マイク「Razer Seirēn」を,マウスの左メインボタンすぐ近くに置く(※右の写真参照)
  3. Windowsから音楽制作ソフト「Fruitlyloops」を起動。本アプリ上にあるソフトウェアシンセサイザーの鍵盤をクリック
  4. クリック音をRazer Seirēnで集音しつつ,「XSplit Gamecaster」を使って,「Razer Seirēnで集音した音」と「Fruitlyloops上の鍵盤で鳴った音」をミックスし,映像として録画
  5. 動画編集ソフト「AviUtl」で,音声をWaveファイルとして切り出し
  6. サウンド編集ソフト「Audacity」でWaveファイルを開き,クリック音とシンセサイザーの音が出るまでの時間を計測

AudacityからWaveファイルを開き,一部を拡大したところ。左に見える振幅の立ち上がり(=マウスクリック)と,右のほうに見える振幅の立ち上がり(=サウンド再生)の間に何秒の遅れが生じるかを見ることになる
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 最後の5.では,4Gamerのヘッドセットレビュー担当として知られるサウンドデザイナー・榎本 涼氏に波形の見方についてレクチャーを受けている。そのうえで,テストは連続30回行ったうえでぶれ対策のため最初の5回をカットし,6回めから30回めまでのスコアを採用して,その平均値を求めることにした。

 テストに用いたマウスは以下のとおりだ。

  • G900(ワイヤレス接続)
  • G900(ワイヤード接続)
  • G502(Logitech/ロジクール製,ワイヤード接続,ファームウェア 88.2.17,レポートレート 1000Hz)
  • G303(Logitech/ロジクール製,ワイヤード接続,ファームウェア 88.2.17,レポートレート 1000Hz)
  • Razer Mamba(Razer製2016年モデル,ワイヤレス接続,統合ソフトウェア 1.0.38.0,レポートレート 1000Hz)
  • Razer DeathAdder Chroma(Razer製2015年モデル,ワイヤード接続,統合ソフトウェア 1.0.38.0,レポートレート 1000Hz)
  • Sensei Wireless(SteelSeries製,ワイヤレス接続,ファームウェア 1.24.0.0,レポートレート 1000Hz)
  • Rival 300(SteelSeries製,ワイヤード接続,ファームウェア 0.64.0.0,レポートレート 1000Hz)
  • ZA11(ZOWIE GEAR製,ワイヤード接続,ファームウェア 未公開,レポートレート 1000Hz)

 その結果が下の表1である。スコアは,Razer SeirēnとFruitlyloopsの遅延を踏まえた相対的なものであることに注意してほしい。

※平均値の計算にあたって,動作の安定していない1〜5回めは無視しています
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 面倒な人は最下段で示した平均値だけ見てもらえればと思うが,「果たしてワイヤレスで本当にワイヤードマウスより反応速度が早いのか?」という疑問を払拭する,圧倒的な結果をG900が見せている。
 面白いのは,G900の2条件で比較したとき,ワイヤード接続時よりもワイヤレス接続時のほうが反応速度に優れるという結果が出た点だ。確かにスイスで実施されたデモだと「ワイヤレス対ワイヤード」でボタン入力速度の比較はなかったのだが,これがひょっとするとLogitech G/Logicool Gの言う「ワイヤレス接続時の通信プロトコル最適化効果」なのかもしれない。
 いずれにせよ,G900のボタン入力遅延は,今回テストしたマウスの中で最も小さい。これは衝撃的だ。

画像集 No.039のサムネイル画像 / Logicool G渾身のワイヤレスマウス「G900」レビュー。「ワイヤードより速い」は本当なのか,テストで明らかにする
 お次は“いつものやつ”,「MouseTesterを用いた,センサー性能の検証である。
 ここではマウスパッドをZOWIE GEARの「G-SR 4Gamer Edition」,ポーリングレートをデフォルトの1000Hzに固定のうえ,工場出荷時設定である400/800/1600/3200DPIでそれぞれチェックしていくことになる。

 その結果は下にまとめたとおりだ。
 グラフはY軸のプラス方向が左方向への振り,マイナス方向が右方向への振り,横軸がms(ミリ秒)単位での時間経過を示している。青い点が実際のセンサーのカウント,青い波線はそれを正規化したものとなっており,波線の上に青い点が並んでいるほどセンサー性能は良好ということになる。

400DPI設定時。頂点付近で「飛び」があるなど,頂点付近がやや乱れている。ちなみに,おかしいと思って何度かテストし直したのだが,この「飛び」には一定間隔での再現性があった
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800DPI設定時。400DPI時にあった乱れがずいぶんと収まった印象だ
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1600DPI設定時。800DPI時と大差ない結果に見える
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3200DPI設定時。やはり800DPI時,1600DPI時と大差ないようだ
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 デフォルト設定のDPI値なので,さぞかし安定したスコアが出るのかと思いきや,400DPI時はやや荒れ気味だ。ただ,800DPI以上では安定しているので,極度のローセンシ設定でもなければ,PixArt Imagingの「PWM3366」(PMW3366DM-VWQU)が持つ高いセンサー性能を反映できていると述べていいように思う。筆者の体感で話をさせてもらうなら,400DPI設定時でも,ゲームにおける挙動に違和感はなかった。

 なお,横移動中にもブレた……というか,突っかかったような挙動も見えるが,これがどういう理由によるものかは分からない。こちらも,ゲームのプレイ中に違和感を覚えることはなかったので,個人的には気にしていないが,ただ,純然たるテスト結果として完璧と言えるものでもないことは,押さえておくべきだと感じている。

 次もセンサー性能から,リフトオフディスタンスだ。
 マウスを持ち上げたとき,どこで反応が途絶するかを示すリフトオフディスタンスの検証にあたっては,厚さの異なるステンレスプレートを重ねて,マウスの反応がなくなる高さを,複数のマウスパッドで行うことになる。テストの前には,LGSからキャリブレーションを実行済みだ。

 その結果が表2である。
 結果はかなり優秀で,4Gamerで最低ラインとしている2mmを大きく下回る1.4mmが最高値。最低では0.8mmだ。定評あるLogitech G/Logicool Gのサーフェスキャリブレーション機能だが,G900でもその能力は遺憾なく発揮されていると断言していいだろう。

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 センサーテストの最後は「直線補正がかかっていないこと」の確認だ。LGSについて語った段でも紹介したとおり,G900は標準でアングルスナップのチェックボックスが空欄になっているので,そのままの状態と,チェックを入れた状態とで,Windows標準の「ペイント」から線を引いて,補正の有無を確認することになる。
 その結果が下の画像で,直線補正がかかっていない状態はもちろんのこと,アングルスナップの項目にチェックを入れて有効化しても,それほど補正は強くない印象だ。

 もともと直線補正はゲーム用途だと無用なので,工場出荷状態である無効のままで構わないだろう。

上段が直線補正無効時,下段が有効時の結果。補正有効時でも,強引な補正のかかり方は感じられなかったが,微妙な斜め方向へのポインタ移動にあたっては,若干の「引っ張られるような感覚」があった。補正無効時はとくに違和感もなく快適だ。このことからも,基本的に無効で操作したほうがいいだろう。というか,ゲーマーなら無効にすべきだ
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価格も性能も文句なしにハイレベル。価値を理解できる人にとっては珠玉の逸品だ


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 ちょっと尋常ではないほどの自信を持ってLogitech G/Logicool GがリリースしてきたG900だが,率直な感想は「スゲェなこれ!」に尽きる。
 発表に合わせて掲載したファーストインプレッションで,スリープからの復帰速度が既存のゲーマー向けワイヤレスマウスより高いことを確認済みだが,今回,新しく採用したテストにより,マウスのクリックに対する応答速度がゲーマー向けワイヤードマウスより高いという結果を叩き出したことには,ただただ驚くほかない。

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 テスト結果を基に,あえて懸念点を探すとしても,400DPI設定時,あるいは横移動時の挙動程度だ。テストの段でも述べたとおり,筆者はこれを問題として体感できていないので,ワイヤレスでしかも軽いことによる取り回しのよさ,ぱっと持って動かしたときの追従性のよさ,そしてワイヤレスマウスを上回るボタンの反応速度に,すっかり惚れ込んでしまった。
 また,本稿の序盤で後述するとしたテンションシステムは,G303とバネの巻き数と形状,配置が異なっているだけでなく,G303では凹んだ形状だった左右メインボタンが丸みを帯びているなど,マウスの形状に合わせた変更が入っているのだが,その快適さはG303と同じだ。気持ちいいクリック感は,文句なしに好印象。スイッチが筐体内部で斜めに取り付けられていることへの違和感もない。

Logitechの研究開発施設におけるデモの説明。詳細は3月26日掲載の記事を参照してほしい
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 なお,今回はもう1つ,Logitech G/Logicool Gがデモで示した「劣悪な電波状況における操作性」もテストしようとして,Bluetooth接続のサウンドアダプターやDUALSHOCK 4,スマートフォンなどをいろいろマウスの横に置いてみたのだが,G900と比較対象のワイヤレスマウスとの間に,有意な違いを見出すことができなかったため,結果の掲載は見送っている。やはり,Logitechがスイスで示したとおり,無線周りの厳密なテストには大がかりなシステムが必要ということなのだと思われる。

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 本日販売開始となるG900,気になる実勢価格は2万800〜2万2900円程度(※2016年4月14日現在)で,2万円強というハイレベルなものとなる。さすがに高いと言わざるを得ず,この価格は,どこまで行ってもG900の選択にあたって最大のハードルとなるだろう。
 ただし,G900が,史上初めて,ワイヤードのゲーマー向けマウスと同等かそれ以上の操作性を持つに至ったワイヤレスマウスであるこということを考えると,納得できる値段という気もする。とにかくセンサーや挙動に関する不安がなくなったことで,ワイヤードマウスのようにケーブルのテンションで引っ張られる心配がなく,快適な操作そのものが得られるというメリットを,素直に享受できるようになるからだ。もちろん,バッテリー搭載ということで,定期的に充電しなければならないわけだが,就寝時にでもケーブルにつないでおけばいいだけなので,バッテリー残量の心配はほぼ無用である。

 以上,G900は歴史的な製品であり,今後数年にわたって,ベンチマークとなり得る存在だと断言できる。今後,競合他社がどう対抗していくのか,興味は尽きない。

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Logicool GのG900製品情報ページ

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