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ゲーム周りの最適化や修正が進んだ「ATI Catalyst 10.9」リリース
対応製品は,ATI Radeon HD 2000〜5000シリーズの単体GPUおよび「AMD 740G」を除くAMD 7世代のチップセット。入手したい人は4Gamerの最新ドライバリンクぺージを利用してほしい。
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「Display Driver」のバージョンは8.771。2010年8月版となる「ATI Catalyst 10.8」(以下,Catalyst 10.8)の同8.762からは0.009の引き上げとなるが,気になるのは,「ATI Catalyst 10.3」以降,デスクトップPC向けと同時公開されてきたノートPC向けが,今回は日本時間16日19:30時点でもその存在を確認できていないこと。英文リリースノートからも対応リストがばっさりカットされているので,ひょっとすると方針に何か変化があったのかもしれない。この点についてはAMDに問い合わせ中なので,何か判明したら追ってお伝えしたいと思う。
※2010年9月17日9:45追記
AMDのATI Catalyst担当,Terry Makedon氏(@CatalystMaker)から返事が返ってきた。ノートPC向けドライバ,通称「Catalyst Mobility」の2010年9月版がリリースされなかった件だが,結論から言うと,提供が終了したわけではないとのこと。「PowerXpress周りでバグが見つかり,しかもそのバグが多くのユーザーにかなり大きな影響を与えることが分かったため,今月分の掲載を見送った。申し訳ないのだが,『ATI Catalyst 10.10』を待ってほしい」とのことだ。今月に限っていえば少々残念だが,ノートPCでATI Radeonを使っている人からすれば,一安心といったところではなかろうか。
さて,アップデート内容に着目してみると,「ATI Catalyst Control Center」(以下,CCC)やビデオ再生関連の修正が少ないため小粒に見えるのだが,実のところ,ゲームがらみの拡張やバグフィックスは少なくない。とくにATI CrossFireX(以下,CFX)関連で,プロファイルのアップデートもさることながら,Catalyst 10.8の“後日談”で予告されていた「FINAL FANTASY XIV」関連の修正が入ったのは見逃せないところだろう。
3Dゲームへ向けた最適化や問題点の修正に期待する大多数の読者にとっては,自己責任で導入する意義が認められる月例アップデートといえそうだ。
●Catalyst 10.9におけるCatalyst Application Profilesのアップデート
- Aliens vs. Predator:プロファイル更新
- Battlefield: Bad Company 2:プロファイル更新
- F1 2010:プロファイル更新
- Kane & Lynch 2: Dog Days:新規追加
●Catalyst 10.9におけるパフォーマンス向上
・S.T.A.L.K.E.R.: Call of Pripyat公式ベンチマーク
- ATI Radeon HD 5800シリーズのシングルカードおよびCFX構成時に,「Enhanced full dynamic lighting(DX11)」およびアンチエイリアシングを有効化すると最大20%
- ATI Radeon HD 5700シリーズのシングルカードおよびCFX構成時に,「Enhanced full dynamic lighting(DX11)」およびアンチエイリアシングを有効化すると最大12%
- ATI Radeon HD 5970のシングルカードおよび4-way CFX構成時に最大6%
- ATI Radeon HD 5800シリーズのシングルカードおよびCFX構成時に最大5%
- ATI Radeon HD 5700シリーズのシングルカードおよびCFX構成時に最大4%
- ATI Radeon HD 4800シリーズのシングルカードおよびCFX構成時に最大4%
●Catalyst 10.9で解決した問題(Windows 7)
- HDコンテンツの再生からSDコンテンツの再生に切り替えた後,UVDの動作クロックが規定値に戻らない問題
- 4-way CFX環境をディスプレイとHDMI接続すると,3Dゲームを実行したときに画面がちらつく問題
- 「The Chronicles of Riddick: Assault on Dark Athena」で,ゲーム側のSSAO(Screen Space Ambient Occlusion,環境光遮蔽)設定を「High」に指定すると,画面にメッシュ状のものが表示される問題
- 「StarCraft II: Wings of Liberty」でCFXが正常に機能せず,またアンチエイリアシングを有効化できない問題
- スリープからの復帰後,「Adobe Flash Player」が緑色の再生画面を表示する問題
- CFXを有効にして「FINAL FANTASY XIV」を実行すると,むしろシングルカード構成時よりもパフォーマンスが低下する問題
- 「World of Warcraft」を拡張デスクトップ環境で実行し,ハードウェアカーソルを有効化すると,間欠的にパフォーマンスが低下する問題(※という理解で正しいと思われる。原文は「Intermittent perfomance drops no longer observed with harware cursor enabled in “World of Warcraft” game in extended mode」で,「harware」は「hardware」のタイプミスと解釈した)
●Catalyst 10.9で解決した問題(Windows Vista)
- 「PowerPoint slide deck」内でAVI形式のムービーを再生すると遅延が生じる問題
- 垂直リフレッシュレート120Hz設定したディスプレイと接続した環境で「PowerDVD」からSDやHDのビデオを再生するとデスクトップの表示がおかしくなる問題
- HDビデオの再生中にCCCの「Video」−「Advanced Color」から「Color Vibrance」や「Flesh tone correction」の設定を変更すると,ビデオ再生がおかしくなる問題
●Catalyst 10.9で解決した問題(Windows XP)
- 「PowerDVD 9」がインストールされたシステムで「Windows Media Player」からDVD-Videoを再生しようとすると,コピープロテクションに関するメッセージが表示される問題
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