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ファンがECOの10周年を祝った「ECO祭2015 in 東京 & ECO★サミット vol.4」をレポート。2016年のテーマは「ひろがる」
これまで年に1回開催されてきたECO祭だが,2015年は本作が10周年を迎えたということもあってか,8月にも大阪で「ECO祭 出張版 in 大阪&ECO★サミットvol.3」が開催されている(関連記事)。
それから約4か月しか間を空けずの開催となったので,ネタが残っているのか心配だったが,大阪のECO祭に負けないくらいに,大盛り上がりのイベントとなっていた。本稿では,その会場で行われた数々のステージや催し物,そして2016年のECOについての最新情報が公開されたカンファレンスをレポートしよう。
ECO祭に合わせて行われた,ラジオ番組「アクロニア学園 放送室 出張版」。本編はすでに最終回を迎えているが,パーソナリティの伊藤かな恵さんは今回を真の最終回だとコメント。(左から)三上枝織さん,大久保瑠美さん,中島由貴さん,東山奈央さん,伊藤かな恵さん |
声優陣による生アフレコドラマ“楽しい学園祭”。ラジオで配信されたドラマの後日談的な内容で,学園祭で優秀賞を目指すアルマたちの物語が熱演された |
ECO 10周年プレイバックでこれまでの軌跡をファンと一緒に再確認
オープニングでステージに登壇した寺田教授とブリキング榊田氏は「10周年をファンの皆さんと一緒に楽しみたいと思います」と,ECO祭の開催を宣言した。
続いて,ガンホーCEOの森下一喜氏から届いたビデオメッセージが会場で公開された。メッセージの中で森下氏は,「10年も続いたことはすごいと思います」と述べ,「皆さんの子孫に『このころからECOってゲームがあったんだ』と伝えられるよう,ECO生誕100年を目指してほしい」と運営スタッフに壮大なエールを送った。
「ボクはその前に転生しちゃいそうですが,寺田教授は意外に生きていそう」とツッコミを入れる榊田氏に,寺田氏は「100年ぐらいならいけそう」と返して会場を笑わせていた。
オープニング後には,ECO 10周年プレイバックと題した,これまでを振り返るコーナーが行われた。2005年の製作発表時やクローズドβテストの様子など,寺田氏や榊田氏がスタッフとして関わっていなかった頃からECOの歩みを振り返るなかで,ステージの2人も会場のファンも懐かしさを感じていたようだ。
ECOの歴史の証である,歴代のアップデートポスターが貼られたイラストコーナー。もう残っておらず,展示できなかったポスターもあったという |
着ぐるみのタイニーやアルマのパネルと記念撮影するファンも |
来場したファンから多数のメッセージが寄せられたていた |
メッセージを残すともらえる券で“リアル運試し”。アタリが出れば,レアなゲーム内アイテムがもらえた。ハズレの人にはECOスタッフの名刺セットがプレゼントされたが,それはそれでレアな気も? |
タイニー・かんぱにーのアイテムデザインが一挙公開。できばえに会場は大爆笑
1年をかけて全国を回ったオフラインイベント「タイニー・かんぱにー全国合宿〜アイテム制作会議」。地域ごとにプレイヤーと一緒にアイデアを出し合って,アイテムを完成させるというオフラインイベントだが,最後となる今回のECO祭では,完成したアイテムが公開された。
おしゃれなアイテムからカワイイアイテムまで,多彩なラインナップがそろったアイテムだったが,大阪支部で決まった「かんぱにーのマッスルスーツ」が公開されると同時に会場は大爆笑。背中のチャックがポイントだそうだ。
その後も発表は続いたが,東京支部のアイテム「かんぱにーの空飛ぶミラーボール」は,基本コンセプトは完成していたものの,アイテム自体はまだ未完成。ということで,会場の片隅でモデリングするヘッドロックスタッフの姿が公開されてしまう。
そして最後に,それらすべてのアイテムを装備したスライドに,再び会場は笑いに包まれた。榊田氏は「これがタイニー・かんぱにーの正装。制服です。これを着たみんなが,アップタウンを走り回る姿を想像すると,胸が熱くなりますというか,痛くなります」と話すと,会場からは苦笑が漏れていた。これらの装備品は,12月24日からECO SHOPで無料で入手できる。
2016年のECOのテーマは「ひろがる」
エクストラカンファレンスでは,2016年のECOの展望について発表が行われた。
2016年のECOのテーマは「ひろがる」だ。2015年の「Kawaii」に比べて抽象的なイメージのテーマだが,その内容は,世界観やストーリー,戦闘などあらゆる面におけるシステムを拡張していくこと。ECOの世界で得られる楽しさや面白さを「ひろげて」いこうというものだそうだ。その具体的な施策について,企画構想中であると前置きしつつ,内容を明らかにした。
まずストーリー関連の構想として,現在はチュートリアルで2次職になれるレベル50相当までの導線は張られているが,チュートリアルを終えたとたんに放り出される感があり,途方に暮れるプレイヤーがいるらしい。そこでストーリーイベントを導入し,チュートリアル後も楽しく成長できるようにする。最終的には,そのままエンドコンテンツまでプレイできるようにしたいとのことだ。
さらに,過去のSAGAエピソードを,プレイヤーとパートナーNPCが中心となるように再構成して提供するとともに,謎だった部分が解明されるようにしたいとのことだ。実のところ現在は,各地にバラバラに点在していたストーリーイベントを,プレイヤーが外部サイトなどで場所を調べて攻略している状態なのだという。寺田氏は「そういう遊び方もアリだ」としながら,ゲーム内で誘導してあげてもいいのでは考え,これらを企画したと意図を説明した。
その具体的な形として,ストーリーフィールドの画面が公開された。夏に実装されたアナザークロニクルのような形で,NPCと会話を進めながらストーリーイベントも展開できたら……と考えているようだ。
このストーリーフィールドを楽しむために,パートナーと一緒に挑戦するチームシステム(仮)の実装も検討しているという。これは,パートナー数体でひとつのチームを作成し,そのチームをイベントに登場するNPCと交代させて冒険できるようにするものだという。ストーリー上,重要なNPCは変更できないようだが,かなり自由に,好きなパートナーとチームが組めるそうだ。
さらにボス戦などで手ごたえのあるバトルを楽しむために,シンクシステム(仮)の実装も考えられているという。これは,自分のレベルに応じてボスのレベル,ステータスが自動で調整され,常に白熱のバトルが楽しめるようになるものらしい。
また,これらとは別に毎日の楽しみとして,日替わりダンジョンも実装される。これは報酬が日替わりのダンジョンで,難度は3段階あるとのこと。メインメニューから直接ダンジョンに行けるので,手軽に楽しめそうだ。
そして夏に実装されて好評を博している,アナザークロニクル第2弾の実装が12月中に決定した。どのロアが登場するかまだ秘密とのこと。楽しみに待とう。なお将来的には,ロアの会話にボイスを付けたいという。戦闘に忙しくてメッセージを読む余裕がないプレイヤーにも朗報だろう。
続いて,2016年の通年イベントが明らかにされた。2015年はタイ兄さんに翻弄された1年だったが,来年はECOプレイヤーならどこかで聞いたことがある「憑依」をテーマとしたイベントになるとのことで,その名も「神魔の来訪者」。シリアスなプロローグに固唾を呑んで見入ったファンだったが,タイトルの下にある「タイニー・かんぱにー 憑依研究編」と表示されると気が緩んだのか,会場から笑いが起こった。
この通年イベントには新キャラクター・オリビアが登場し,彼女を中心に神魔の謎を解いていくことになるのだという。会場では,最初に登場する神魔アスモデウスのデザインや,神魔のほかに登場する新たなアルマが公開された。この通年イベントに登場する神魔やアルマは,パートナーとして連れて歩くと,プレイヤーキャラクターにバフが掛かったり,連動スキルによる攻撃が可能になったりするという。
なお,2016年の通年イベントは,1話から順番に進めてほしいため,好きなところからはプレイできない仕組みになっているとのこと。その代わりというわけではないが,次のストーリーが登場する前に,その時点での最新話をクリアすると,新モーションが覚えられるという。ストーリーが実装されたら,早めにクリアしたいところだ。
また,2016年はうるう年ということで,アルマ“ウル”と“ルゥ”のイベントが実施されることも発表された。そのほかに今年実装されたアルマの顔やモーション,クエストウィンドウの改修なども実施される予定だ。
さらに10周年を記念して,10本のコラボを実施!……したいと,榊田氏が目標を掲げた。「1か月に1本ペースだよ? できるの?」と話す寺田氏に,榊田氏は「がんばろう。できなかったら謝ろう!」と,前向きなんだか後ろ向きなんだか分からない意気込みを述べた。
その先駆けとして,「パズル&ドラゴンズ」「ディバインゲート」「ケリ姫スイーツ」とのコラボが公開された。これらは3か月連続で実施され,それぞれのタイトルとの相互コラボレーションとなるようだ。
第1弾の「パズル&ドラゴンズ」コラボは,12月にスタートする予定で,これまでのコラボイベントに少し手が加えられたものになるという。さらに痛印堂とのコラボでアルマ48種類の印鑑が製作されるほか,10年間のイラストをまとめた10周年ファンブックも予定しているとのことだ。
最後に,アルマや神魔のサイドストーリーをゲーム外,例えばスマホなどで読めるようにしたり,MMDでストーリー動画などを制作,配信して,ゲームでは明らかにされなかった物語を展開していければと語られ,カンファレンスは終了した。
カンファレンス終了後は,来場したファンへのラッキーナンバー抽選会が行われた。10周年を記念した今回の抽選会では,すでに期限の切れたチケット付きのCDと缶バッチ(期限切れのチケットは,運営パワーで無理矢理有効にしたそうだ)や,アイテムに加えて,自分のプレイヤーイラストを描いてもらう権利,さらには好きなアイテムをひとつもらえる権利など,とんでもない景品が目白押しで,会場からどよめきが起こっていた。
抽選会を終えると,いよいよECO祭もフィナーレ。ステージに登壇者が勢ぞろいすると,そこになんと,10年前,ECOのローンチに奔走した岩田容賢氏と小島幸博氏が現れた。岩田氏は「10年前,死ぬ気で眠らずに働いていてよかったなと思いました。今後ともよろしくお願いします」とコメント。小島氏も「皆さんのお陰でECOは10周年を迎えることができました。引き続きECOをよろしくお願いします。ECOは永遠に不滅です!」とコメントし,会場からは拍手がわき起こった。
最後に,榊田氏と寺田氏のコメントを掲載して,本稿の締めとしよう。
榊田氏:
皆様のおかげで10周年を迎えることができました。来年も,そしてその先もいろいろと楽しいECOを紡いでいき,皆さんに喜んでもらいたいと思います。これからもECOをよろしくお願いします!
寺田氏:
私は6年くらいECOに携わってきましたが,何度も「(ECOは)もうダメだ」と思ったタイミングがありました。そのたびに「ECOを殺さないでくれ!」「もう一回頑張ってくれ!」とファンからエールが送られてきて。それで10年まで頑張ろうと思ってきました。今日,10年めを迎えられたことが信じられません。皆さん本当にありがとうございます!
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