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[TGS 2014]仮想空間で歩く・跳ぶの体感操作を可能にする「Cyberith Virtualizer」がプレイアブル展示中
言葉で説明すると少しややこしくなるのだが,これは仮想空間を自分の足で歩き回るためのデバイスである。身体を移動させる代わりに,3本の支柱で支えられたリングで胴体位置を固定し,足を滑らせると,歩いた感じが得られるのだ。上下にスライドするので,ジャンプにも対応できる。
このデバイスについては,西川善司氏によるSIGGRAPH 2014レポートに詳しいので,追記することはあまり残されていないのだが,日本でも実際に体験できるようになったというのが素晴らしい。
Virtualizerを使用するには,リングを目いっぱい下げて上から入り込み,腰の部分のベルトと大腿部のベルトで固定する。そのうえで,上からぶら下がっているOculus VRのRiftとヘッドフォンを装着すればOKだが,ちょっと難度は高いかもしれない。そうそう,靴は脱いで専用(?)のスリッパか厚手の靴下も履く必要がある。
足の動きをキーにアサインすれば,多くのゲームはなにも手を加えることなく対応できるようだ(一部制限はあるかもしれないが)。むしろRift対応のほうが条件が厳しいかもしれない。
あとは,台座の上で歩き回れば――といっても,実際には足が滑るだけなので進まないのだが――,仮想空間内で歩いたとおりの移動が可能になる。ジャンプや腰掛けるといった動作も可能だ。腰掛けは,ちょっと見には空気椅子ぽくて疲れそうだと思う人もいるかもしれないが,実際にはリング部分からぶら下がる感じになるので心配は無用である。
移動時などは,輪っかにかかる力が柱にそのままかかるので,支柱が多少は揺れる。強度的には大丈夫なのだろうか。気になって聞いてみると,体重でいうと120kgの人のプレイまで保証しているとのこと。
Riftのような本格的なVR機器を試したことのある人なら分かるだろうが,VR時の移動には違和感がつきまとう。自分の足で歩けるというのは自然なVRの実装で大いに意味がありそうだ。
すでにKickstarterでのプロジェクト出資は締め切られており,見事に資金集めに成功している。出資者に発送する製品は来年春くらいにできあがる模様だ。一般販売はそのあとということになるが,まもなく公式サイトで予約受付が開始されるとのこと。価格はKickstarter価格(749ドル)というわけにはいかないだろうが,安全性を考えると安く作るのも難しそうな製品なので,1000ドル以下なら御の字といったところだろうか。
また,現在,展示されていたものとは別バージョンも開発中とのこと。なんでも台座部分に振動デバイスが仕込まれ,戦車の振動や地面の状態などを触覚で伝えるものになるという。
会場に機材は1台しか持ち込まれていないので,一般日に体験したい人はそれなりに待つ覚悟が必要だろう。会場のデモはだいたい10分間隔で,装着などで5分,プレイで5分といったところか。1日あたり30〜50人くらいが限度かもしれない。しかし貴重な機会には違いないので,来場される方は狭き門に挑んでみるのもアリだと思う。
Cyberith公式サイト
4Gamer「東京ゲームショウ2014」特設サイト
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