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「スカッとゴルフ パンヤ」の日本一は,がん太選手に決定
第3回PJC決勝大会は,オンラインとオフラインの予選を勝ち抜いた12名に,東京ゲームショウ2007会場で選出されたシード選手2名を加えた14名が競い合うというもの。2007年5月に開催された第2回PJCから数えて,約7か月ぶりの開催となる。
一方,PJC2007GPは,第2回PJCの優勝/準優勝者に,過去に行われたパンヤ大会の歴代チャンピオンらを加えた7名が参加し,真のトップを競うという趣向だ。とくにこちらは,約1000もの座席が用意されたブルーステージにて行われ,この大勝負を見届けようと集まった観客が固唾を呑んで見守る中,チャンピオンの中のチャンピオンが決定したというわけだ。本稿では,第3回PJC決勝大会と,PJC2007GPの模様を続けてお伝えしていこう。
「第3回 パンヤジャパンカップ」決勝大会は,「幸せ者」選手が優勝
今回開催された二つの大会は,これまでの大会とは異なり,新たに定められた「国際基準ルール」を採用している。例えば各選手は,主催側があらかじめ用意した「マスターA」ランクの新規キャラクター,およびPPなどを使って試合に臨むことになる。さらに,一部の強力なアイテムが使用できないなど,各選手が公平な環境で戦うことになるという意味で,純粋なプレイヤースキルと戦略性が問われる骨太の大会となったわけである。
そんな決勝大会の第1試合に選ばれたのは「ブルーウォーター」。突き抜けるような青い空が爽快だが,いざショットしようとすると木などの障害物が多く,しかもボールの飛距離も求められるというコースだ。
決勝大会で使用されるコースは,事前に各選手に通達されていたこともあってか,第1ホールからホールインワン連発で,仮にミスしてもボールがカップ数個分ずれる,といった具合である。しかもさすがに決勝大会だけあって,各選手ともリカバリーもうまく,グリーン外からのチップインをさも当然のごとく繰り出していた。
司会を務めたゲームポットのGM「わいん(ぜりー)」氏によると,今回はブルーウォーターにしては,7〜9メートル級の強風が多かったとのこと。そういった環境でもコンスタントに好成績を残せるのだから,出場選手のレベルの高さはさすがとしか言いようがない。
決勝大会第1試合の結果は,ゲームポットスタッフによる事前予想ではダントツだったSound2006選手(中部Bブロック代表)が,−33という驚異的なスコアで1位。続いて【佳司】選手(関東Aブロック代表),Natural_IX選手(シード選手),Powdery Snow.選手(関東Bブロック選手)の3名が−30の同一スコアで,PP差によって順位を分ける結果となった。
そのため,例えば【佳司】選手が使用キャラクターをアリンからカズに代えるなど,第1試合後にチューンを変える選手もちらほらいたようだ。
第2試合で目を見張るような活躍を見せたのは,関東Cブロック代表の幸せ者選手だ。第1試合で8位だったためか,ステージ上のスクリーンに彼のプレイが表示されることはほとんどなく,注目されていなかったのだが,各ホールの終了後にランキングがリアルタイムで更新されるため,ゲームが進むにつれ,幸せ者選手への注目が高まっていった。
幸せ者選手が驚異的な追い上げを見せる中,第1試合で2位だった【佳司】選手は焦ってしまったのか,18ホールで痛恨のO.B.を叩いてしまう。しかもミスを帳消しにする「忘却の花」は,今回のレギュレーションでは使うことができない。もっと運が悪かったのは,第一試合で1位だったSound2006選手。なんと40分という大会の規定時間内にぎりぎり終了できず,+5のペナルティを受けることに。
このようにライバルが次々と沈んでいった中,幸せ者選手はディープインフェルノでダントツの1位を獲得。しかも2試合のトータルスコアでは−66となり,総合優勝に輝いた。ちなみに2位は1打差で【佳司】選手。ディープインフェルノの18ホールで首位が入れ替わるという,ドラマチックな展開に終わった。
なお,Gamepot Festa 2007終了後に幸せ者選手からコメントをもらったところ,「本当はブルーウォーターで攻めるつもりだったのだが,逆にディープインフェルノで良いスコアが出てしまった」と,やや戸惑った様子を見せていたのが印象的だった。
1000人以上の観客が見守る中,がん太選手がグランプリ覇者に
各出場選手のキャラクター性能については,【佳司】選手と,第2回PJCで優勝した(おんぷ)モカ選手は,かなりパワーを重視したチューン。(おんぷ)モカ選手に至っては,“スパイクハンマー”のクラブセットまで使っていた。こうやってパワーを上昇させると飛距離が伸びる分,ショット時のゲージが極端に早くなったり,コントロールなどのパラメータが低くなるといった弊害がある。しかし今回の出場選手は,そんなピーキーなキャラクターで,次々とスーパーショットを決めていってしまうのだ……。
そのほかの選手のキャラクター性能は,ざっと見た限りではバランス型が多い様子だった。また,第1回PJCで優勝,第2回PJCでは準優勝という経歴を持つがん太選手も,先日のインタビュー時に語っていたとおり,安定性を重視したチューンを選んでいた。
しかも今回は,1000人を超す観客に一挙手一投足を見守られながらの,強豪達とのプレイである。普段通りの実力を出しきるだけでも難しかったに違いなく,各選手とも,心理面はまさしく極限状態に近かったことだろう。
そんな第1試合の展開を見ていくと,序盤はがん太選手が,他選手よりも素早いペースでコースを進めていったのが印象的である。しかもがん太選手は,10ホールまでのほとんどのホールでチップインに成功しており,これによって後続選手に大きなプレッシャーを与えていたようだ。
ホワイトウィズの終盤は難度の高いホールが立て続けに待ち受けており,他選手が終盤で挽回するには,かなりリスキーなショットを狙う必要がある。前述のインタビューでも語られているが,がん太選手は,最初からこれを狙っていたわけである。
もう一つ印象的だったのは,先の決勝大会と同様,このグランプリでも「国際基準ルール」による影響が大きかったことだ。例えば,【佳司】選手が14番ホールのティーショットを失敗し,最終的にパーという結果になってしまった。そのほかの選手も,O.B.を叩いて呆然としてしまうという,これまでの大会ではなかなか見られないケースが何度かあった(これまでなら,忘却の花を使ったところだろう)。
それでも,今回の試合で「優勝する」ことを目標とした場合,たとえO.B.のリスクがあったとしても,多少無茶なショットに挑まなければならない。なにせ誇張抜きで,「チップインしないと順位が下がる」という熾烈な争いなのだ。
グランプリ第1試合の結果は,がん太選手が−34で首位に,そして「うぇ(げー)」選手と「あるちゃん@」選手が続く結果となった。おそらく各選手は,ホワイトウィズを自分のペースできっちりプレイできていれば,もっと良いスコアを出せていたことだろう。
しかし,なかなかそうはいかないのが,こういったオフライン大会ならではの厳しさなのである。
このコースはホールの各地が崖や雲海に囲まれているのが特徴で,ショートカットに成功すれば一気にスコアを縮められる。しかし少しでもミスをすればO.B.に直結してしまうという,ハイリスク・ハイリターンのコースとしてよく知られている。
堅実にプレイすれば“それなりの”スコアは出せるのだろうが,グランプリの最終戦を勝ち抜くためには,そうもいかない。しかも優勝すれば100万円だ。第1試合以上に白熱した展開になることを観客も予想したのか,第2試合のコースが決まった瞬間,会場は大きなどよめきに包まれた。
前述のとおり,一歩間違うと即O.B.となってしまうホールが多く,特殊ショットを確実に決めるための,パンヤショット率の高さが求められる。その分,高パワー(=ショット時のゲージが早い)でキャラクターをチューンしてきた【佳司】選手や,(おんぷ)モカ選手にとっては,若干キツいコース選択だったかもしれない。
しかし(おんぷ)モカ選手は,第2回PJC2においてこのウィズウィズで優勝を収めた経験を持つ(しかも高パワーのチューンだ)。このあたりが第2試合の見どころとなっていた。
実際の試合展開を見ていくと,このコースも第1試合のホワイトウィズと同様,終盤に難しいホールが集中している。そのためがん太選手は今回も,前半で貯金を増やし後続にプレッシャーを与える作戦に出たようだ。
しかし他選手も,第1試合と同じ過ちをしないようにかなり注意していた模様。途中からは幸せ者選手が(少なくともコース進行では)がん太選手を追い抜くなど,全体的にハイペースな試合展開となっていった。
ただし,普通にプレイするだけでもリスキーなこのコースで「攻め」に転じた結果なのか,O.B.を叩く選手がちらほら。そのため1ホール進むごとに順位が目まぐるしく入れ替わるという,激しい展開となった。
7名の選手は最後まで順位が拮抗していたのだが,勝敗を分けたと思われるのは,18ホールで(おんぷ)モカ選手が痛恨のO.B.を叩いてしまったこと。しかもパワーゲージがなくなり,大きく迂回する必要が出たため,スコアを落としてしまったのだ。
結果,ウィウィズのスコアはがん太選手が−28で1位,そして幸せ者選手が惜しくもPP差で2位という結果になった。
トータルスコアは,がん太選手が1位(−62),うぇ(げー)選手が2位(−59),そして(おんぷ)モカ選手が3位(−56)。がん太選手は見事100万円とパンヤ日本一プレイヤーの栄誉を獲得した。
パンヤの勢いはまだ続くのか? 今後の飛躍にも期待大
しかし,メインステージ前に用意された約1000もの観客席がぎっしりと埋まり,その周囲にも立ち見の観客が大勢集まっていた光景を見ていると,2年ほど前に秋葉原のネットカフェ(今はもうない)の一角で行われたPJC2005を思い出し,たいへん感慨深いものがあった。
また,試合中に実況/解説を行ったGMのわいん(ぜりー)氏と,夏みかん氏のコンビのコメントも的確で,私のような素人プレイヤーでも,各ホールの攻め方や,選手の心理状況をすんなりと理解できた。会場に居合わせた1000名を越す観客と,こういったハラハラドキドキ感を共有できたのは,実に素敵な体験だったと思う。
そして肝心の試合展開については,レギュレーションの変更による,パンヤの新たな面白さを目の当たりにできたのが収穫だった。長い歴史のあるタイトルということもあり,上級プレイヤー同士の技術はかなり拮抗している。そこから一歩抜け出すには,メンタル面の強さと,大会ならではの駆け引きのうまさが重要になってくる。今回のがん太選手は,この2点をきっちり押さえたからこそ,見事にグランプリで優勝できたのだろう。
大会終了後の閉会式に登壇したプロデューサーの前田有希氏は,今回の手応えを強く実感したのか,次回のPJCを2008年春に行うと宣言。さらに,(以前からのアナウンスどおり)性別や年齢別の大会や,国際戦を検討していることもあらためて強調していた。
プレイヤーを増やし,オフラインイベントの規模を拡大し……と,これまで好循環に恵まれながら成長してきたパンヤが,2008年にどこまで飛躍するのか。今後も注目していきたい。
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