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10周年にあえて“新しいGEへの挑戦”を掲げる「グラナド・エスバダ」。中尾圭吾氏が語るアップデートの概要,いまゲームを劇的に変えることの真意とは
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印刷2016/04/09 00:00

インタビュー

10周年にあえて“新しいGEへの挑戦”を掲げる「グラナド・エスバダ」。中尾圭吾氏が語るアップデートの概要,いまゲームを劇的に変えることの真意とは

画像集 No.001のサムネイル画像 / 10周年にあえて“新しいGEへの挑戦”を掲げる「グラナド・エスバダ」。中尾圭吾氏が語るアップデートの概要,いまゲームを劇的に変えることの真意とは
 2016年7月にサービスイン10周年を迎えるMMORPG「グラナド・エスパダ」(以下,GE)。それに先駆け,4月8日には10周年アップデートの名称として「グラナド・エスパダX」が発表され,また2014年まで本作の日本運営プロデューサーを務めていたハンビットユビキタスエンターテインメント(以下,HUE)の中尾圭吾氏が,臨時プロデューサーとして10周年記念アップデートを主導することが明かされた。
 今回4Gamerでは,その中尾氏に10周年記念アップデートのコンセプトや概要などを聞いてみた。


「グラナド・エスパダXは既存のGEを壊し,“新しいGEへの挑戦”をする


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 まず中尾氏のプロデューサー復帰について説明しておくと,これは「グラナド・エスパダX」のための一時的な措置とのことだ。それどころか,新名称の発表前に公開されたイラストに記された“ラストファイヤー ”,“ 完結のN”という文言が示唆していたとおり,中尾氏が直接関わるGEのアップデートとしては最後のものになるという。

 「私がGEに関わって10周年ということで,松田(GE 日本プロデューサー松田勇樹氏)から特別にプロデューサーの座を譲ってもらったんです。ですから,今回の新しく作り直すアップデートが一通り終わり,安定化も見届けたら,私は再びプロデューサーを降りる形になる予定です」(中尾氏)

 「グラナド・エスパダX」のコンセプトは,「過去の昇華ではなく,新しいGEへの挑戦」だ。普通なら,これまで積み重ねてきた10年間の集大成を披露したうえで,新たなチャレンジを……ということになりそうなものだが,あえて“過去の昇華ではない”と断言しているのには何か理由があるのだろうか。

画像集 No.004のサムネイル画像 / 10周年にあえて“新しいGEへの挑戦”を掲げる「グラナド・エスバダ」。中尾圭吾氏が語るアップデートの概要,いまゲームを劇的に変えることの真意とは
 「最初は『グラナド・エスパダ 10th アニバーサリー』と銘打って,10年間の集大成にするつもりだったんです。過去に人気だったコンテンツをちゃんと昇華させたものをたくさん用意したり,プレイのストレスになる部分をしっかり改善したり,昔人気があったオーケストラ演奏や朗読劇を企画したり……。でも現場で作業を進めているうちに,気が変わっていました。
 元々,グラナド・エスパダは,今となっては笑い話ですが,普通しくじらない最初のリリースで大ゴケしていたタイトルです。波乱万丈のタイトルが予定調和的に10週年を無難にやるのはなんかシックリこないなと思ったんです。
 それに私自身,プロデューサーとしてもプレイヤーとしても,どうもGEにはずっと『残念』な感じがあるんですよね。何年経っても完成にはほど遠い感じが(笑)。やはりいまとなっては遥か昔ですが,最高潮を迎えている時期に新たなGEとしてやろうとしていた『グラナド・エスパダ・ゼロ』の構想を復活させるべきだと考えたんです。一度は『やりたい』と放送では言っていたのですが。GEに専念できない状況になったので実現しませんでした。
 ちなみにゼロは『中止しました』といえる状況ではありませんでしたので,2012年当時に,『ブリスティアアップデートのオルペシアと競合してなくなった』とスタッフにお茶を濁してもらっていますね。今回の10周年の計画の30%ぐらいは,そのゼロからきています。今回は最後になりますし,必ず実現したいと思っています」
(中尾氏)

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 また,中尾氏が考える“新しいGEの挑戦”とは,斬新なコンテンツや新キャラクターを作り出すことだけを意味するものではない。むしろ,これまでの10年間で作り上げてきた膨大なコンテンツやキャラクターを,新しい切り口で披露していくことでもあるのだという。
 そのため,アップデートの名称も「グラナド・エスパダ10thアニバーサリー」とはせずに,10年間の“10”を意味する“X”を付けて,「グラナド・エスパダX」に決定したとのことだ。

 それでは,グラナド・エスパダXの「挑戦」は具体的にどんな趣旨になるのだろうか。中尾氏は,数あるMMORPGの中でGEでしか楽しめない要素を最大限に生かす方向と,オンラインゲームの何が楽しいのかという根本部分に挑むつもりだと語る。

 この要素について中尾氏は,最初にGEのもっとも大きな特徴である140体を超えるプレイアブルキャラクターの「GE史上初のポテンシャル開放」と「明日もプレイしたくなるオンラインゲームならではのコンテンツ」を挙げた。

 「GEのキャラクターは,数が多いだけでなく,140体以上いるキャラクターのそれぞれを3Dゲームの主人公,つまりプレイヤーキャラクターとして成立するように,1体1体丁寧に作り込んでいます。これは数億円で作れるものではありません。十年の累積があってできるボリュームですが……今まではこのボリュームを活かし,それぞれのポテンシャルを発揮させたことはありませんでした。
 これは時期ごとに追加する新キャラクターや,活躍しやすいキャラを決めていたからですね。実際,自由に選べる環境にはしてきませんでした。もちろん,そうしていた事情はいろいろとあるのですが,そこは割愛します。
 グラナド・エスパダXでは,140体のキャラクターすべてを本当の意味で自由に選択できるような改変を行います。GEでは一人のプレイヤーが3体のキャラクターを同時に操作しますが,プレイヤーが30人いたら,それぞれのキャラクター編成が全員,90体全部好みで変わることもあるぐらいの強力なレベルで考えています」
(中尾氏)

140体を超えるキャラクターを使用できる
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 MMORPGに限らず,複数のプレイアブルキャラクターが登場するゲームで,それぞれの性能のバランスを図るには,極めて長い時間,場合によっては数年を必要とする。とくに長期間サービスを続けるオンラインゲームでは,そのときどきのゲーム内トレンドに合わせて調整し続けていくケースも少なくない。
 それを前回アップデートから1年に満たない期間で,しかも140体という膨大な数のキャラクターを,どうやって等しく使えるようにするのだろうか。

「主人公キャラが固定されているゲームや格闘ゲームなどでは,共通のゲームルールの中で特定のキャラを等しく強い状態にすることは,10体であっても至難の技です。ですがグラナド・エスパダに主人公キャラクターは登場しません。
 デザインがハッキリしていれば強いキャラという設定でもないため,プレイヤー各々の好むプレイフィールやその日の気分によって使うキャラが分かれることもあります。今日はスピード感の高いキャラとか,一撃が重たいキャラがいいとか,酒飲みながらだらだらやりたいから激しい操作が必要でないキャラがいいとかもあります。
 加えて,コンテンツによっては逆にバランスに差をつけられて若干の有利不利が生じるというのは,いろいろなキャラを使って遊べるという,GEならではの面白みの一つにもなります。しかし,現状では極端に強さが違いすぎて,それは生まれていません。
 これからやる調整は,これまでのようにパラメータでキャラクターの性能を引き上げるだけのバランス調整ではありません。物理攻撃と魔法攻撃の差別化や,武器ごとのイメージや通常攻撃やスキルの攻撃ルールなども含めて,根本から変更します。より直観的に,大型武器は一発に重みを,中型武器なら多様性を,など大本のベースを再調整する予定です」
(中尾氏)

 特徴をハッキリさせたキャラクターが活躍できるよう,ミッションも作り直すという。ミッションを設計するにあたっての考え方も,「近接攻撃キャラが楽しいミッションとは」「射撃キャラが気持ちいいミッションとは」と,これまでとは異なるアプローチを採用していくようだ。

 まだまだ完成状態とは言えないレベルだそうだが,2015年12月から導入している「多重防衛戦」のような,多人数プレイを前提とするミッションも強化していくという。現在,多重防衛戦とはまた違った形でほかのプレイヤーと連携し,3Dマップを活かすようなミッションを開発中とのことである。

多重防衛戦の模様
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 さらに,プレイヤーが日課にしているSQミッションでは1日1回の制限を外し,繰り返し挑戦しやすくする。そのため,いわゆる「作業」にならないよう,クオリティの高いものだけを選定して提供していく予定だ。この,作業にならないという意図が,冒頭に挙げた「明日もプレイしたくなるオンラインゲームならではのコンテンツ」に当たる重要なポイントのようだが,キーとなる心臓部分は,まだ開発中につき発表を控えており,内容は後日に発表するとのこと。

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 「SQミッションの1日1回制限は,今日やりたいミッションができなかったという人が多く発生することや,自分の好きなタイミングで遊べず疲れやすい状況を招いているので撤廃することにしました。
 また,今まではシナリオに合わせてコンテンツ開発を行っていたのでミッション自体の面白さの追求をメインに持っていきにくい状況でしたが,今後のコンテンツはシナリオとは切り分け,いろいろなキャラクターを使ってなぜ楽しいのか,ほかのプレイヤーと遊ぶのがどう楽しめるようになるのか,明日遊んだときになぜ作業にならず楽しめるようになるのか,という部分を中心にする予定です。もちろん,本番は7月ですが,5月か6月にも片鱗は見えるかもしれません。
 現在,まだ開発中ですので細かいところまで説明できないのですが,このあたりの要素は連動して絡み合うようになっているので,すべてが揃ったときに大きく変わります。少なくとも今までの10年で見たことがないGEになるのは間違いありません」
(中尾氏)


メインストーリーは原点回帰。コンテンツはさらなる時間短縮と利便性向上も


 メインストーリーも従来どおり順次追加されていくが,内容は原点回帰し,新大陸の発見者であるフェルッチオ・エスパダの足跡を辿る部分や10人貴族,ストラタビスタなど長らく動いていなかった本編が進行していく

 その一方で,シナリオの拡張はしっかりと進めながらもグラナド・エスパダXでは,メインストーリーなどのクエストをスキップする機能も搭載する予定のようだ。

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 「もともとストーリーは,プレイヤーによって好きな人と面倒で嫌という人がいましたが,ストーリーを進めなければ先行するプレイヤーと一緒には遊べないんですよ。それで,新規でプレイを始めても挫折する人や,ゲームに戻ることを敬遠する人も結構います。
 そこで,“ブリスティア編までスキップする”,“アルモニアクエスト編までスキップする”といったように,自由に選択できるようにするつもりです」
(中尾氏)

 また,メインストーリーのクエスト一つ一つも,指定されたモンスターを1体倒せばOK,必須アイテムは100%ドロップまたはゲーム内通貨のFESOで購入できるといった形で,容易にクリアできるように改変する。ちなみにここまで簡易化しても,現在実装されているメインストーリーを最初から最後まで読もうとすると,ハイペースでやって1か月は掛かるとのこと。ビギナーが量に苦しまされるというのは,まさに10年を迎えるタイトルならではの悩みだろう。

クエストスキップ機能は今後実装予定とのこと
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 「運営は10年経つと本当に別世界でビックリです。足りなくて悩んでいたメインストーリーも,お使いをなくす作業と並行して,スキップ機能を導入する羽目になるとは思ってもいませんでした。エンターを押して読み飛ばすだけでも1か月ですからねぇ」(中尾氏)

 さらにミッションの制限時間も最大30分程度,通常であれば15分程度を目安にするとのこと。これは,スマートフォンゲーム隆盛のライト化傾向を含め,世の中のトレンドを踏まえたものだ。制限時間で「ミッション失敗!」と打ち切ってあげないと無理に頑張りすぎてプライベートに悪影響を及ぼすというのが中尾氏の考えだ。

 「昔は徹夜で挑戦するのも余裕だったんですけどねぇ……最近は無理になりました(笑)。今までもプレイ時間短縮を試みてきましたが,グラナド・エスパダXは,これまでにない規模で時短を導入することになりそうですね。あ,でも時短はあくまでもプレイヤーがやりたくないポイントだけです。グラナド・エスパダXで導入する新型のコンテンツではストレスなく,ついつい徹夜もありえたらと思っています(笑)」(中尾氏)

 時間短縮と同時に,さまざまな部分の利便性も向上する。例えば取引不可なアイテムなど,不要なデータを整理し,インベントリの圧迫を解消したり,あるいは装備の付け替えをもっと早くできるようにしたり,といったことが挙げられる。その中でも大きなものが,キャラクターの育成に関わる部分だ。

 「140体もキャラクターがいると,1体カンストさせるのに1週間掛かるとしたら,それだけで140週になってしまいます。140週ということは,2年半くらい掛かるようですね。
 さすがにそれは無茶なので,ゲーム内通貨のFESO商店でキャラのレベルとスキルをカンストできるアイテムを投入しました。
 これまでは下位レベルだとなかなかFESOが溜まらなかったのですが,グラナド・エスパダXではFESO狙いのコンテンツも導入する予定なので,休眠層の人でもいろいろなキャラクターがテンポよく楽しめるようになる予定です」
(中尾氏)

いきなりカンストも可能に?
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 ほかにも現在,上位の武器だけに適応されている、1つのキャラ単為に多数武器が必要になる仕様を全体に適応していくことや,アクセサリー強化の改変や,ミッションロビーの統合などが行われ,ゲーム全体がスッキリしたものになるという。長年サービスを続けてきたオンラインゲームだと,たび重なるアップデートであちらこちらを建て増しした感じになり,新規プレイヤーは何が何だか分からなくなるケースもあるが,そうした事態を解消したいと中尾氏は語っていた。

放置で出るアイテムをルーレットに変更
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 「キャラクターを放置しておくだけでいろいろなアイテムが入手できる放置狩が昔から好評だったのですが,この放置狩りにも手を加えていく予定です。一例を挙げると放置狩りは,自動でアイテムが入ってくるので,アイテムを獲得するときのワクワク感などに欠けていました。なので,今はドロップアイテムの中に,開くとルーレットが回って何が出てくるか分からない箱を混ぜています。これはレアアイテムが出てくる可能性もあり,なによりも体感が大きく変化します。今後もさらにいろいろと手を加えていく予定です。
 同時にオートミッションクリア時のルーレットも,もちろんですが自動で回っていますので画面に戻ると何を手に入れたのかはシステムログで確認する必要があります。手間がかかって味気ないですので,プレイヤーが任意のタイミングで報酬を獲得できる箱ルーレット方式に変更する予定です」
(中尾氏)

 PvPについても,根本から設計し直すという。PvPは2015年に「ワンキルゲーを終わらせる」というキャッチフレーズを掲げて改善を試みたが,中尾氏は調整不足で失敗していると判断したようだ(注:ワンキルがツーキルになった代わりに復活に制限が付いた)。新たに発生した課題や,PvPに対するプレイヤーの意識の変化に対応するとのこと。方向性としては,コンテンツ別に競技ベースなのか,コミュニティベースなのかをハッキリさせていくそうである。

 「ワンキルゲーを終了させたあとの展開にはビックリしましたねぇ……マシになったのはワールドクロスぐらいで,コロニー戦はゾンビゲーのほうがよかったと言えるぐらいに悪化しています。元々バランスは崩壊していたのですが,当時はゾンビ状態でも一応は戦えていましたからね。プレイヤー間の党の人数や個々の差などの格差問題を考慮した調整をする必要があったんです。
 こうしたアイデアをプレイヤーの方からいただいたのに,調整不足で申しわけないです。コロニー戦は戦いに特化していない党でも楽しめるようにすることが今は第一です。誰も参加しない,戦う相手がいないじゃバランスが取れていても意味ないですからね。当面はPVPも再開発を継続します。終わったら,昔のようにPvPイベントにも力を入れていく予定です。例えば通常時のPvPはサーバー内で対抗戦を行いますが,月に1回,全3サーバーを統合したPvPイベントを定期開催するなどです。この仕組みはすでに完成しているので,もう少しバランスが取れたあとで,といった感じですね」
(中尾氏)


真の意味でプレイヤーと作り上げるGEに。未曾有の大混乱が発生する可能性も?


 グラナド・エスパダXは,7月に本リリースを予定しているようだが,7月にまとめて1回で実装するのではなく,溢れる部分は4月から7月にかけて段階的に実施される予定とのこと。今回はボリュームが多すぎて,1回にまとめると1週間ぐらいのサービス停止が不可避になるというのが理由のようだ。

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 「よく言えば,今回の一連のアップデートは,7月の10周年記念日に向けてプレイヤーの皆さんとともに作り上げていくもの,と表現できるかと思います。過去はしっかり意図も発表したうえでアップデートしていたので大丈夫だったのですが,今回は,入る時期もバラバラですし,新旧の混在,担当者のミスも入り乱れ,凄まじい不協和音を奏でることになるかもしれません。ですが,7月には必ず完成させますので,最後までお付き合いがいただけると幸いです。
 7月には必ず全員が喜べる状況にしたいと思っていますし,我々が用意する内容だけではなく後日にはしっかりと意見をもらう場も設け,もらった意見をゲームに反映させていこうと思っています。この混乱の3か月も今までとは違った視点で一緒に楽しんでいただければと考えています」
(中尾氏)

 最後に,GEのサービスイン10周年を記念する一連の展開に注目している人に向けて,中尾氏から贈られたメッセージを掲載して本稿の締めとしよう。

 「今回のインタビューはグラナド・エスパダXアップデートの話が大半になってしまいましたが,記念すべき10周年には,もちろん,アニバーサリーらしいこともしっかりとやります。久保田先生(作曲家久保田修氏)と小林先生(イラストレーター小林智美氏)も10年の節目にいろいろと感慨深くも微妙な表情を浮かべながらしっかりと10周年祝いを用意してくださっています。10周年の節目は今までで一番よい記憶にできるよう,10周年展開も努力いたします。今遊んでおられる方も,過去に遊ばれていた方も,10周年には遊びにきてください。きっと感慨深く奇妙な感覚が味わえると思います」(中尾氏)

 思えばGEの歴史はサービス開始の初期から乱気流だった。10年が経ちやっと円満な10周年を迎えると思われたが,再びあえて乱気流に突入していくというのは,まさにグラナド・エスパダ。新大陸らしい姿だ。10周年のアップデートでは10年の間で,手を着けるべきだった部分に大鉈を振るっていくとのことだ。ロゴの後ろにある炎は,おそらく「炎上上等」といった覚悟のあらわれであろう。それを確認してみると「そういう意味もありますが,大丈夫です」とよく分からない答を返してきた中尾氏の手腕に注目したい。

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