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予告されていた運営開発チームの掲げる“重大発表”が明らかに。「グラナド・エスパダ」の「6周年記念オフラインパーティー」レポート
このイベントでは,先日から,“重大発表”と予告されていたとおり(関連記事1,関連記事2),2012年7月18日から始まる同タイトルのリニューアルおよび運営開発体制の刷新についてのプレゼンテーションが行われた。合わせて,2012年7月18日から,同タイトルの名称が再び「グラナド・エスパダ」(以下,GE)となることもアナウンスされた。
キム・ユラCEO自身が提案した「グラナド・エスパダ」のリニューアル
キム氏は,HUEの代表取締役に就任して以来,3年間,日本で生活したことでそれを実感したと話し,6周年を迎えるにあたってGEのプレイヤーが何を求めてプレイし続けているのか,何を用意すればいいのか慎重に考えたという。
今回の“重大発表”は,そうしたキム氏の提案を,GE 日本運営プロデューサーの中尾圭吾氏がリニューアル案として具体化したものだという。最終的に中尾氏の提示した新規プレイヤーのための支援サービス案や,現行プレイヤーに向けた有料サービスのプライスオフ案は,キム氏が事前に想定していた以上に思い切った内容となっていたそうだが,氏は「経営者として判断に困りましたが,私が関係各社を説得しました」と,今回のリニューアルが実現した経緯を説明した。
キム氏は「今回のリニューアルが成功するかどうかはまだ分かりませんが」と前置きし,「GEを日本の皆さんによい形で届けるべく,皆さんの声を汲み上げ,共感し,共有できる物語を一つ一つ作っていきます」と力強く宣言した。
続いて,韓国IMC GamesのGEライブ本部 本部長 イ・ヨンシク氏,GEライブ本部 開発チーム長 キム・テヒョン氏,そして音響監督 グアック・ドンイル SEVIN氏の3名の開発スタッフが登壇。
イ氏は,これまでの6年間を「皆さんの期待に応えるための挑戦の期間」と表現し,さまざまなコンテンツを提供できたと話す。しかし,その一方では,プレイヤーの要求と開発の方向性のズレや不具合の発生など,多くの心配や不安を抱かせてしまったことを詫び,「既知の不具合に関しては素早く修正し,今後はより慎重に開発を進めます」と話した。さらにイ氏は,今後のGEをこれまでの6年間提供した内容より優れたコンテンツとして提供すると宣言し,「運営チームとの連携で,日本に特化した内容に注力します。私たちのチャレンジに期待してください」と締めくくった。
リアルタイムサポートとサービスの値下げで,“いつ始めても楽しいゲーム”に
まず“いつ始めても楽しいゲーム”が意味するのは,主に新規プレイヤーに向けたリニューアルである。中尾氏いわく,自身が新たにオンラインゲームを始めるにあたり,「あったらいいな」と思うシステムやサービスを実現したとのことで,以下の施策が紹介された。なお、これらの施策は基本的に2012年7月18日のリニューアル後から適用される。
新規推奨サーバー&開拓党は,新規プレイヤーを一つのワールド(サーバー)と一つの党(ギルド)に集めることで,同じタイミング,同じレベル帯で集まって遊びやすくするための施策である。新規推奨サーバーは“新規推奨”と明記されており,またゲーム内の指示に従っていれば新規プレイヤーは自然に開拓党に加入する流れとなる。
●リアルタイムインゲームサポート
連日17:00〜22:30の間,ゲーム内でGMがリアルタイムにプレイヤーの質問に答えるという内容だ。
中尾氏は,このシステムを導入する理由を,自身の経験になぞらえ「何か疑問があったときにWikiなどを参照しながらプレイするのは面倒だから」と説明。ちなみに同様の試みは,これまでも試験的に導入されていたが,今回あらためて正式採用される運びとなり,さらに2012年7月18日からの1か月間は,リニューアル記念期間として,サポート時間が連日11:00〜5:00までの18時間に拡大される。
そのほか新メニューとして,連日19:00〜20:00はレベル60以下のプレイヤーに向けた初心者講習&ダンジョン体験ツアー,同21:00〜22:00にはレベル60以上のプレイヤーに向けたダンジョン攻略ツアーを用意している。
すでにGEのプレイ経験があったり,オンラインRPG慣れしたりしている人に向けた施策で,プレイヤーキャラクター数体を一気にゲーム内最高のMasterランクに上げ,かつ相応の装備アイテムも提供するという内容である。
ただし,運営チームとしてはあまりオススメできるサービスではないとのことで,今回は新規プレイヤーに対して試験的に提供してみることになる模様。仮にプレイヤーから不満が多く出るようなら,短期間で廃止してしまう可能性もあるそうだ。
●序盤のゲームリニューアル
クエストの目標達成に必要なアイテム数やモンスター討伐数などが減り,サクサクとストレスなくゲームが進むようになる。
- アイテムモールの完全リニューアル
- キャラクターの能力開放およびエキスパートスタンスの無料化
- 有料コンテンツをゲーム内通貨FESOで入手可能に
これらの施策は事実上の値下げで,アイテムモールの有料アイテムは,人気の高いものは従来の50%オフ,それほどでもないものは80%オフといったように全アイテムがプライスオフとなる。
またキャラクターの能力開放やエキスパートスタンスの無料化に関して,中尾氏は「GEはキャラクターを育成するゲームなので,そこをもっと気軽に楽しめるようにしました」と説明した。
なお,FESOによる有料コンテンツの入手は,中尾氏いわく「必ずしも楽にできるという意味ではなく,長時間プレイすると手に入るようなイメージ」とのことで,試験的な導入になるそうだ。
これまでのプレイデータをそのままほかのワールドに移すという,2012年8月開始予定の新たな有料サービス。サービス申請後の次の週のメンテナンス明けから移住先でのプレイが可能となるが,人数バランスなどにより,随時調整が図られるため,必ずしもプレイヤーの希望が通らないケースもあるとのことだ。
●外でも自宅でもGEをプレイ
これは2011年にアナウンスされたスマートフォン版「GEMOCON」のことで,自宅で放置プレイ中のGEを,外出先などからスマートフォンのアプリから操作できるという機能である。携帯電話版に比べてパワーアップされており,スライドを見るとゲーム画面が表示されていることが分かる。
すでにiOS/Androidともアプリの開発は終わっており,App store/Google Playに登録されるのを待つばかりという段階だそうだ。実際にテストプレイをした中尾氏は「少しタイムラグが発生するが,十分楽しめます」と感想を述べていた。こちらのサービスも2012年8月開始予定。
ディスカッションボードと生放送を使って運営開発体制の透明性を保つ
もう一つの“長く遊んでいける運営のカタチ”というテーマ,そして“オンラインゲームの未完成の領域に挑む”という大テーマに関して,中尾氏は「新しい運営モデルに挑戦します」「もっと運営を追求していきます」と宣言し,IMC GamesとHUEの連携による運営開発体制でバックアップしていくと説明する。
続けて中尾氏は,これまでプレイヤーがGEに満足していなかった理由として,「プレイヤーが納得していないアップデートがなされていた」ことを挙げ,今後,その状況を“遅すぎ”“ズレ過ぎ”“薄すぎ”の3つの観点から変えていくと述べる。
まずプレイヤーの抱く“遅すぎ”という不満には,週単位のアップデートで対応していく。GEでは2011年から1〜2週間に1回のアップデートに取り組んでいるが,今後はそのノウハウを生かし,さらに充実した内容を目指すとのことだ。
その延長となるニコニコ生放送やUstreamを使った「GE放送会議」では,音声を通じて運営チームが考えていることのニュアンスをより伝わりやすくしたり,その場でアンケートを取ってプレイヤーの反応を確かめたりといったリアルタイムの試みも行っていく。
大会議の記念すべき第1回の開催は,2012年8月4日。中尾氏は「半年後には,なくてはならないと言われるような存在にしたいです」と話し,ゆくゆくはオフライン大会議のようなこともやってみたいと展望を述べた。
最後の“薄すぎ”という不満に対しては,数か月ごとのスケールアップデートで対応していく。スケールアップデートの方向性は,これまでの「中世ヨーロッパ」に「近代」の要素が加わるとのことで,GE世界における新大陸と旧大陸の双方をアップデートしていくとのことだ。
その第1弾「ブリスティア」では,既存のフィールドよりも科学技術の進展が見られ,飛行機なども登場するという。新たなストーリーの軸となるのは,「新十人貴族」と「ブリスティア人」で,会場のスクリーンには,これまでと少しテイストの異なるキャラクター達の姿も映し出された。また,これまでに登場したブリスティア出身のキャラクター達もストーリーに絡んでくるとのことで,中尾氏は「結構,面白くなります」と話していた。
以上をまとめると,GEの新運営モデルとは,プレイヤーの要望をディスカッションボードや生放送を通じて日々汲み取り,週間アップデートに反映しつつ,スケールアップデートで新たなコンテンツを提供していくという体制である。中尾氏は「北米の運営スタイルを日本向けにアレンジした内容です。前例のない取り組みなので,どうなるか分からないですが,随時調整しながらリニューアルを推進します」と,あらためて決意を述べた。
「グラナド・エスパダ ルネッサンス」公式サイト
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グラナド・エスパダ
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