運営・開発が全力を投入した“改革”がついにお目見え！　「グラナド・エスパダ ルネッサンス」先行体験レポート

　8月12日，MMORPG「グラナド・エスパダ プラス」が，その名称を「グラナド・エスパダ ルネッサンス」（以下，GEルネッサンス）に改め，併せてゲームバランス調整および一部機能の追加・変更，そして新コンテンツの追加が行われる。
　このリニューアルは，日本でサービスを提供するハンビットユビキタスエンターテインメントと，開発元の韓国IMC Gamesが1年以上の期間を費やして実現したもの。本タイトルの生みの親にして韓国IMC GamesのCEOを務めるキム・ハッキュ氏が，理想の「次世代MMORPG」として構想していた「グラナド・エスパダ」の本来あるべき姿がようやく実現されたものであるとされている。
　その実態は，はたしていかなるものなのか。今回，4Gamerではリニューアルの一部を実際に確認する機会を得たので，早速紹介していきたい。

UIの一新とゲームバランスの調整により，オンラインRPG初心者にも親しみやすくなった

コマンドは画面左に表示されている（任意に移動可能）のアイコン群で，システム上の操作は画面上部で行うと覚えておくといい

　GEルネッサンスを立ち上げると，これまでとはいろいろな部分が変わっていることに気づくだろう。システム周りの機能の追加・変更で最も目立つのは，ユーザーインタフェース（UI）の変化だ。
　例えば，キャラクターのステータス表示とコマンド入力アイコン，そしてチャットウィンドウ以外の，ほぼすべての操作メニューが画面上部に集約され，スッキリと見やすくなった。

チャットの発言をキャラクターの頭上に表示する「吹き出し」も，新たに実装。スクワッド（パーティ）構成と，それぞれの状態が画面の左上に表示されているのにも注目してほしい

「勲章」は，いわゆる実績システム。キャラクターごとに，勲章の称号を表示させることもできる

　また，新たな機能として追加された「キャラクター図鑑」も面白い。これは各キャラクターにどんなコスチュームが用意されているか，実際のモデルを用いて着せ替えながら確認できるというもの。画期的なのは，未編入キャストや未入手のコスチュームも確認できる点で，ゲームを始めたばかりというプレイヤーであっても，本タイトルの華やかな側面を楽しむことができる。

未入手のコスチュームも試着できるので，購入前にコーディネートを考えることもできる

編入前のキャストもこのとおり。ポーズを選択することもできる（覚えているもののみ）ので，この機能だけで満足してしまう人も出てきそうだ

レベル1の段階で，すでに複数のクエストを受託できるようになった。マップ上のアイコンまたは右の名前をクリックするだけでクエストNPCのところまで移動できるのも嬉しい

＋5に強化された武器を入手！　モンスターが，さまざまな装備アイテムを結構な頻度でドロップするので，ハックアンドスラッシュ的な楽しみがある

　ゲームバランスの調整に関しては，序盤を中心にクエストの受託可能レベルと難度が変更されている。メインクエストに沿ってストーリーを追いかけるだけでも，次々にキャラクターレベルが上がっていく……という表現は，昨今のオンラインRPGの序盤を紹介する場合の常套句だが，本タイトルにおいては，自然な進行と難度の上がり方という点において，文字どおりストレスなくプレイできるように配慮されている。
　と，書くと初心者用に難度を下げただけかと思う人も多いだろうが，むしろ逆の側面が強い。序盤から適度な歯応えがあって，その分，経験値やアイテム報酬がよくなり，プレイして面白いバランスが追求されているという。

　また，ゲームバランスの調整で大きな役割を果たすのが，汎用アイテム「輝く水晶」だ。このアイテムは，ゲーム序盤では主に装備アイテムの購入とオプションの付与に使用し，それ以降もキャストの編入およびキャラクターの昇級時などで消費することになる新アイテムだ。つまり，GEプラスでは有料アイテムが必要だったキャストも（すべてではないが）輝く水晶を集めれば，無料で編入できたり，ベテランへの昇級などのレベルキャップ開放も無料になったりと，無料で楽しめる範囲を大きく広げてくれるアイテムだと思えばいいだろう。
　輝く水晶は，クエストの報酬として提供されるほか，モンスターを倒したときにそこそこの頻度でドロップするので，とくに入手しようとしなくとも，いつの間にか必要数に近い量が溜まっているのも嬉しいところだ。

モンスターを倒すと，汎用アイテム「輝く水晶」をそれなりの頻度でドロップする。気づくとかなりの数が溜まっているはずだ

輝く水晶は，クエストの報酬としても入手できる。ドロップ率もそうだが，ゲームバランスを考えた入手設定なのでプレイヤーのストレスにならない

有料アイテムが必須だったキャラクターの多くが，輝く水晶を集めることで仲間に加わるように。ちなみにこれはカリュケという美少女傭兵を紹介してもらうところ

GEプラスではレベルキャップの開放にも有料アイテムが必要だったが，GEルネッサンスでは，輝く水晶を集めれば上位のクラスに昇級できる

　そのほか，モンスターは強化済みの装備アイテムや，あるいは強化に必要なエンチャントチップを，結構な頻度でドロップする。クエストで特定の場所に派遣されたけれども，どうもモンスターが強くて思うようにゲームが進行しないと感じたら，装備アイテムの強化を試してみるといいかもしれない。

ゲーム序盤の装備は，輝く水晶で交換できる。オプション効果の付与や，キャスト編入と，中盤以降も活用することになる重要なアイテムだ

最初のダンジョン「アル・ケルト・モレッツァ」は，それまでのフィールドよりも，モンスターの再出現する速度が速い。装備を強化して臨もう

「カスティア地域」はベテランプレイヤーへの挑戦状！　続々登場するボスモンスターを倒せ

カスティア地域へは，コインブラでチケットを購入して移動。チケットを1回買うと，次からフリーパスになる

　GEルネッサンスで新たに追加された「カスティア地域」では，本編のサイドストーリーが展開される。実際にプレイできるゲーム部分も，高レベルプレイヤーに向けた腕試し的な内容だ。

　カスティア大陸では，これまでに登場したエラクとは異なる古代文明の遺跡が発見され，ベスパニョーラ第2艦隊が調査を進めている。プレイヤーは，艦長「アドリアナ」の指示のもと，遺跡を探索していくこととなる。

ベスパニョーラ第2艦隊艦長のアドリアナ。キリッとした眼鏡美女だ

同じく参謀のソフィア。眼鏡の女性が多いのは，2009年のアレとかソレとかの影響か？

　カスティア地域では，一般的なMMOフィールドと最大8人が参加可能なMOタイプのインスタンスミッションエリアを交互にクリアしながら進行していく。フィールド「第1駐屯地」でアドリアナから依頼を受けたら，最初のミッション「鉱山」に挑戦だ。
　鉱山内は，狭い通路部分と少し広めの空間で構成され，後者にはボスモンスターが配置されている。全9体のボスを倒すと，ミッションクリアで，次のフィールド「カスティア 第2駐屯地」に進入する権利が与えられる。
　第2駐屯地は，モンスターが配置された通常のMMOフィールドだ。そこで条件を満たすと──すなわち，ボスを倒すと，2番目のミッション「遺跡」に挑戦できる。遺跡内の進行は鉱山と同様だが，難度が上がっているのはいうまでもないだろう。また，鉱山から遺跡と，奥に進むにつれてアンデッド系のモンスターが増えていく点にも注目してほしい。

カスティア大陸には，美しい風景が広がっている。残念ながら，これから薄暗いダンジョンに入るんだけれども	通路を抜けるとボスと遭遇。ボスを倒すごとに，15分ずつ制限時間が伸びていく
ボスにダメージを与え，体力を一定以下まで削ると攻撃が熾烈になっていく	鉱山を突破し，第2駐屯地に到着！　ちゃんとクエストをクリアしていないので，美女に怒られてしまった

　遺跡をクリアすると，青空のもとに広がるフィールド「神殿」に到着。ここには，その名の通り神殿と思われる巨大な遺跡が広がっており，その面積は本タイトルの中でも最大級だ。難度もかなりのもので，3体のボスモンスターはもとより，ザコ敵すら手強い危険地帯でもある。その猛攻をくぐり抜けて最深部に到達すると，いよいよ最後のミッション「混沌の塔」に挑戦することになる。塔内に登場するボスモンスターは，これまでとはまったく異なる機械生物のような奇妙な姿が特徴的だ。これはカスティアの古代文明が生み出した遺産なのか，それとも……？　その謎は，プレイヤー各自で確かめてほしい。

第2駐屯地のボスモンスター。通常フィールドなので，多くのプレイヤーと力を合わせて討伐することもできる	遺跡の最終ボスモンスター。鉱山同様，複数のボスを倒さないとここまで到達できない
ダンジョンを抜けた先に広がる広大な神殿。過去最大規模のマップが，プレイヤーを圧倒する	神殿のボス，ミノタウロス。コイツとスフィンクスを倒すと，最終ボスが出現する

神殿の最終ボス，メデューサ。神殿の最奥部に姿を現す

　なお，上記のとおり，カスティア地域では三つの異なるミッションが登場するが，いずれも基本的に1日1回しか挑戦できない。ただし，各ミッション内でモンスターがドロップするキーアイテムを入手していれば，繰り返し挑戦することも可能となる。
　また，カスティア地域の登場に合わせて，「ルーレット」システムが実装された。これはボスモンスターを倒したときに，一定の確率で巨大な宝箱が出現するというもの（ミッションクリア時には100％出現）。ボス討伐に参加したプレイヤーがこの宝箱に触れると，ルーレットが回転し，それぞれに報酬が与えられるという仕組みだ。

神殿のボス，スフィンクス。取り巻きの雑魚モンスターが多く登場するうえ，地味に強いので注意	最終ミッション，混沌の塔。内部を進んでいくと，謎の生命体風NPCから警告を受ける
警告を無視すると，これまた謎の人物が登場。この先を進めば謎が解けるのだろうか？	螺旋階段状になった塔の内部には，これまた複数のボスモンスターが待ち受けている

ボスモンスターも，先ほど遭遇したNPC同様，機械のような奇妙な生命体（？）である

回復のエキスパート「ヴァレリア」を救出！　斧槍と曲刀の新スタンスも登場

ミッションの演出部分では，囚われたヴァレリアがさまざまなアングルから映し出される

　新キャストの「ヴァレリア」は，ガブリエラ姫の妹という設定。編入には，一人用ミッション（キャラクターは3体まで使用可能）を通じて彼女を救出する必要がある。なお，このミッションには，王党派もしくは共和派に所属しているプレイヤーしか受託できないという制約が課せられている。
　救出ミッションの舞台となるのは，「ジャケン トーチャーチェンバー」だ。第1エリアで，多数の雑魚モンスターを殲滅すると，第2エリアへのワープゲートが開く。第2エリアでは，2体のボスモンスターが登場するので，順次討伐すると，ヴァレリアを編入できるようになる。ただし上記の通り，プレイヤー一人で挑戦しなければならないうえに，制限時間が30分と短いので，迅速な行動が必須だ。

第2エリアの中ボス。制限時間があるので，討伐にあまり時間がかかるようだと結構ツラい

中ボス討伐後，何かの装置を起動するが，ヴァレリアが解き放たれる様子はない……

反対側に大ボスが湧いた！　どうやら，さっきの装置はコイツに関係あるようだ

ヴァレリアの専用スタンスを入手する場合も，同じ場所が舞台となる。ただし登場モンスターは数倍手強い

　さて，首尾よくヴァレリアを編入できたプレイヤーには，さらなるミッションをクリアして彼女の専用スタンス「イノセンティオ」を入手するという課題が与えられる。このミッションは，最大5人のプレイヤーで協力できるが，その分登場モンスターのレベルが上がっており，クリアは困難だ。また報酬は上記のルーレットシステムで決まる。1回のミッションクリアでイノセンティオを入手できるのは，かなり運のいいプレイヤーだけだろう。イノセンティオは遠距離からの回復スキルや，広範囲の味方キャラクターをまとめて蘇生するスキルを備えており，ボス戦や対人戦で頼りになること間違いなしのスタンスなので，ぜひ入手しておきたいところ。

さっそくヴァレリアを編入。露出の多い女性キャストが続いていたので，清楚なイメージが新鮮だ

範囲内の味方最大12体を一気に蘇生させるスキル「リザレクション」。効果範囲の広さにも注目

　また新スタンスとしては斧槍系列の「トルネードクルス」，曲刀二刀流の「ブラッディーフィースト」が登場。前者は範囲攻撃を中心としたスタンスで，各スキルは敵のガードを無効にしたり，防御力の半分を無視したりといった特徴を持つ。
　後者の中で特徴的なのは，自己バフスキルの「デスティネーション」だ。このスキルは攻撃力を高める一方で，防御力と抵抗力が下がるという諸刃の剣のような効果を持つため，単独で使用するよりも味方との連携の中で活用すべきだろう。

斧槍系列のトルネードクルス。防御力やガードを無効にする範囲攻撃が特徴的だ

曲刀二刀流のブラッディーフィースト。攻撃に特化しているため，味方のサポートがほしいところ

「ワールドクロスPvP」でワールドを超えた対人戦を！　待望の遠隔操作システム「ジモコン」も登場

相手を全滅させると1本取得。3本先取したほうが勝ちというシンプルなルールだけに，実力が浮き彫りとなる

　対人戦関連では，本タイトルで最大規模を誇る「コロニー戦」が，プレイヤーの熱望を受けて，当初の仕様に戻されることになった。
　新たな対人戦モードとしては，異なるワールド（サーバ）のプレイヤー同士が腕を競う「ワールドクロスPvP」が登場。対戦方法を選択するとマッチングが行われ，自分の実力に近い対戦相手が決定する。マッチングのサーチ時間は，レベル差が2以内の場合は30秒程度，5以内の場合は1分程度とのことなので，あまり待たされることなく対戦を楽しめるだろう。
　なお，ワールドクロスPvPでは装備以外のアイテム使用はできないが，全キャラクターがSPおよび触媒の制約を受けることなくスキルを使用できるようになる。勝ち抜くためには，プレイヤー各自の純粋な戦術と腕が試されるので，ぜひ心してかかってほしい。

ワールドクロスPvPでは，個人同士の対戦（最大3キャラずつ）のほか，3人対3人のチーム戦（最大9キャラずつ）も行える

SPの量を気にすることなくスキルを使える。ただし，クールタイムは存在するので，まったく制限がないわけではない

　さらに，ゲーム外の新サポート機能として「ジモコン」システムが登場する。これは公式サイトを介して，離れたPCで起動中のGEルネッサンスを操作できるようにするシステムだ。これを利用すれば，自宅のPCで“放置育成”中のキャラクターに，出先から指示を出したり，あるいは，ほかのプレイヤーとチャットしたりできるようになる。どこまで実用的かは，プレイスタイルによって変動しそうだが，本タイトルの特徴を活かした，なかなか面白い試みといえる。

Webブラウザ上から，ゲームに接続しているPCを遠隔操作できる

　さて，かいつまんでの紹介となったが，実は今回のリニューアルと，それに伴う新コンテンツのボリュームは，本タイトルの通常アップデート1回分と比較すると，実に3倍近くに及ぶという。当然，実装のための作業量も比例して増えたわけだが，その背景には運営・開発双方の，GEルネッサンスにかける強い思いが込められているといっていいだろう。その結果，今回のリニューアルは，新規プレイヤーからベテランプレイヤーに至るまで，全方位に向けた内容となった。一連の記事を読んでGEルネッサンスに興味を持った人は，ぜひ一度プレイしてみていただきたい。

グラナド・エスパダ プラス公式サイト