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印刷2008/03/22 12:40

インタビュー

「タブラ ラサ」は,UO/EQ以降のスタンダードになりうるのか。リチャード・ギャリオット氏にインタビュー

 ウルティマシリーズでコンピュータRPGの黎明期を支え,「ウルティマ オンライン」ではMMORPGというゲーム/サービスの基礎を確立し,その可能性と実力を世に知らしめたゲーム業界の巨人,Richard Garriott(リチャード・ギャリオット)氏。彼が現在,NCsoft傘下のDestination Gamesという開発チームを率いて,SF MMORPG「Richard Garriott's Tabula Rasa」(以下,タブラ ラサ)を開発しているのは,4Gamer読者であれば周知のことだろう。
 北米およびヨーロッパでは,2007年11月2日に正式サービスがスタートしているが,日本でのサービス形態およびFixされたスケジュールは,現状では未定だ。

:「タブラ ラサ」エグゼクティブプロデューサのリチャード・ギャリオット氏
 今回,同作のエグゼクティブプロデューサであるギャリオット氏が,約5年ぶりとなる来日を果たし,直接話ができる機会が得られた。RPGというジャンルを開拓し続けてきたギャリオット氏は,タブラ ラサにどのような想いを込めたのか。そしてタブラ ラサは,「昔」とは違う「今」のゲーマー達に対して,どのような魅力を提示できると考えているのか。「こちら」のレビュー記事や,「こちら」のプレイレポートなどを併読しつつ,このインタビュー記事で確認してほしい。



北米/ヨーロッパ地域での売り上げは好調

堅実なアップデートでさらなるクオリティアップを


4Gamer:
 7か月後に打ち上げが迫っているので,本当は宇宙旅行のことを聞きたいのですが……。

リチャード・ギャリオット氏(以下,ギャリオット氏):
 (笑)

4Gamer:
 とはいえ本日与えられた時間はわずかですし,私にとってあなたは,常に最高のゲーム開発者なので,今日はゲームの話に絞らせてもらいます。まず,北米およびヨーロッパ地域での,タブラ ラサの調子はいかがですか?

ギャリオット氏:
 売れ行きは好調です。我々Destination Gamesは,アップデートを3週間ごとに実施しており,開発作業も順調に進んでいます。もちろん,ときには3週間より長くなってしまうこともありますけどね(笑)。

4Gamer:
 たとえ1か月ごとのアップデートだとしても,かなりのものだと思うのですが。ところでGDC 2006や,GC 2007では,いずれもタブラ ラサの開発にまつわる失敗談のようなものばかりが語られており,個人的には心配していたのですが。とりあえずは「大丈夫」と考えていいわけですね。

ギャリオット氏:
 ええ,もちろん。これはMMORPGに限らず,すべてのオンラインゲームに言えることですが,開発が軌道に乗るには長い時間がかかります。ゲームをリリースするとき,スケジュールよりもクオリティに重きを置くことが,なにより大事なことだと考えています。

4Gamer:
 なるほど,あなたが口にするからこそ,説得力がある言葉ですね。今タブラ ラサをプレイしている人からは,ゲームのどの部分が好評で,どの部分が不評だと認識していますか?

ギャリオット氏:
 幸運なことに,「これは人気が出そうだ」と考えていたゲーム内コンテンツは,おおむね好評を得ています。例えばコンバットシステム周りは,構想段階から人気が出る部分じゃないかと期待していて,実際に注力していた部分です。それはうまくいきましたね。
 一方,不評というか,プレイヤーからリクエストがきている部分は,ハイレベルコンテンツとグルーピングツールの充実です。それらについては現在開発に取り組んでいます。

4Gamer:
 リリースされて間もないタイトルですし,プレイヤーの要望としては想定の範囲内……ですかね? ずっと昔,あなたが「ウルティマ オンライン」を作った頃と比べると,プレイヤー層の質はずいぶんと変化していますが,タブラ ラサのプレイヤーが,あなたが想像もつかないような要望を出してきたケースはありますか?

ギャリオット氏:
 ご存じのように,私はこの業界に,創世記から携わっています。

4Gamer:
 ええもう,よく知ってます。1970年代あたりからですね。

ギャリオット氏:
 ええ。その頃から,プレイヤーの好みは何度も変わってきました。'80年代初頭は,本当にシンプルな要素でも喜んでくれました。ウルティマ オンラインには,長年ゲーマーが望んでいたものを提示できたという,確かな手応えがありました。

4Gamer:
 当時の開発者達が,ゲーマーから望まれていると分かっていても,具体的に提示できなかった魅力が,確かにウルティマ オンラインには込められてました。

ギャリオット氏:
 ありがとうございます。そして継続的にプレイヤーのニーズに応えた結果,ゲーム内世界およびコンテンツはどんどん拡張されていき,それは今後も広がっていくことでしょう。
 一方現在のオンラインゲームのほとんどは,「EverQuest」に似たものになっています。さらに,昔よりもライトな層がMMORPGを遊ぶようになってきて,プレイするまでの導線や遊び方が多様化している。ことMMORPGに関しては,「応えられている以上のものが求められてきている」と私は考えています。

4Gamer:
 つまり,いつまでもEQのバリアントを作っていては,プレイヤー層の変化についていけないぞ,と?

ギャリオット氏:
 一つ確かなことは,これから新しいオンラインゲームを作りだそうと思ったら,ゲーマーだけに目を向けるのではなく,より広い層――Webコミュニティに参加してくる層などを視野に入れ,幅広いニーズに応えられるようなサービスを展開する必要があるでしょう。

Richard Garriott's Tabula Rasa Richard Garriott's Tabula Rasa Richard Garriott's Tabula Rasa


プレイヤー達が先導して,ゲームに変化を引き起こす

三つのユニークな特徴で,幅広い層にアピール


4Gamer:
 今あなたがおっしゃったように,昔では考えられないほどの大勢のユーザーが,オンラインゲームになだれ込んできている昨今ですが,ゲームから得られる「楽しさ」も,それに伴って徐々に変化してきました。
 そんな中,あなたとか,例えば私とか,古くからのプレイヤーが感じていたゲームの楽しさが置き去りにされているような印象も受けます。あなたはそれについて,どう考えていますか?

ギャリオット氏:
 私はオンラインゲームのファンですが,もちろん批判もします。最近のオンラインゲームは革新性が少なくなっていると思います。
 今後は,プレイヤー達が先導して,ゲームに変化を引き起こすのではないかと思います。それで,私やあなたのような人間も楽しめるものが出てくるのではないかと。

4Gamer:
 その,プレイヤー達が先導して変化を起こせるような仕掛けは,タブラ ラサに盛り込まれているんですか?

ギャリオット氏:
 それこそが,私がタブラ ラサ開発にあたって目指していた部分です。タブラ ラサには,これまでになかった三つのユニークな特徴があります。
 まず一つめは,コンバットシステム。一般的なMMORPGだと,結果的にターンベースに近いプレイスタイルになったり,役割分担が厳しく設定されたりしますが,本作の戦闘は,もっとスピーディなペースで,自由に展開していける,かなり戦術的な内容に仕上がっています。
 また,よくある3D MMORPGでは,ターゲットを選択して攻撃を開始したら,そこからは「3Dであることの必然性」が置き去りにされたものになってしまう。ショートカットバーを通じてキャストとかヒーリングとかアタックとか,そういったアクションを繰り返すことに終始しがちで,3Dである意味が,ゲーム性に関しては必要ないといえますよね。

4Gamer:
 確かに,3Dグラフィックスの意味がゲーム性に直結しているMMORPGは,ほとんど思いつきませんね。

ギャリオット氏:
 タブラ ラサのゲーム性においては,3Dが大事な役割を果たしており,さまざまな場面で演算が行われています。例えば,ある敵を銃で撃った場合,しっかりと命中させれば完全なダメージが与えられる。しかし,遮蔽物の向こう側にいる敵を銃撃した場合,与えられるダメージの程度は軽微なものとなります。さらに,プレイヤーやクリーチャーは常に動いているし,その動きの中で高低差が生まれたり,射線が遮られることもあるでしょう。

4Gamer:
 なるほど,そういう意味において,タブラ ラサは戦術的な3D MMORPGというわけですか。……その3Dの特徴は,PvPだけでなく,PvEでも実現されているわけですね。

ギャリオット氏:
 もちろん,MobもそういったAIに基づいて行動します。クリーチャーのアクションも,それなりに工夫されたものになっていますよ。
 続いて二つめの革新は,ダイナミックバトルフィールド。ご存じのようにほとんどのMMORPGでは,プレイする世界は基本的に変わりません。街はとても安全で,NPCは常に決まった場所にいます。クリーチャーを倒したあとでそこに座ってしばらく待っていれば,同じ場所に同じモンスターがポップします。

4Gamer:
 それがゆえにCampが生まれたわけですが。しかしタブラ ラサはそうではないと。

ギャリオット氏:
 ええ。タブラ ラサは,その部分をとくに意識して制作しました。安全であるはずの街は,悪の勢力に占領されることもあるし,それを奪還することもできます。もちろん,街が占領されている間は,ミッションも店も使えなくなります。そういった重要な地域が占領されてしまった場合,プレイヤー達は協力して,奪還戦をしかける必要があるでしょう。アウトポスト(前哨基地)をめぐる攻防をはじめとする戦闘の仕組みは,プレイヤー達からも好評を博しています。

4Gamer:
 なるほど。基本的にアウトポストは,プレイヤー側の施設なんですか?

ギャリオット氏:
 アウトポストには,人間が建築したものもあるし,ベインが作ったものもあります。それは,プレイヤー側が征服することもできます。
 そして,三つめの革新的要素は,ささいなものですが,私にとってはとても大切な部分です。

4Gamer:
 聞かなくても分かりますよ(笑)。しっかりとしたストーリー要素ですね。

ギャリオット氏:
 そのとおりです(笑)。タブラ ラサのミッションには,その解決方法が何通りか用意されています。ミッションの遂行の仕方によって,パーソナルヒストリーが変わります。
 ゲームの序盤に,薬を違法に運んで,高額な報酬が得られるミッションがあります。それはもちろん,お金稼ぎの手段として有益なのですが,薬がほしかったプレイヤーグループに対しては,損害を与えることになります。例えばその違法な仕事をオファーしてきたNPCを警察に通報すれば,報酬は得られませんが,周りのプレイヤーに対しては,善行をしたことになります。
 タブラ ラサでは,自分がどう行動すべきかということを考えさせるようなミッションを,多数用意しています。一般的なMMORPGだと,モンスターハントやお使いクエストに終始しがちですから,人によっては新鮮に思えるかもしれませんね。

4Gamer:
 ウルティマ オンラインにも,そういった要素がいくぶん含まれていましたよね。タブラ ラサにおけるそれ――カルマ,もしくはフェイムみたいなものでしょうか――は,ゲーム内で数値化されているんですか?

ギャリオット氏:
 ウルティマ オンラインでは数値化していましたが,タブラ ラサではファクションベースになっています。

4Gamer:
 ファクション(派閥)が偏ることで,ゲームプレイにおけるメリット/デメリットが生じると考えていいですか?

ギャリオット氏:
 いえ。ファクションがデータ的に変動するというわけではないんです。ファクションはあくまでサブグループのことで,プレイヤーの行動に対するレスポンスが,すぐに返ってくるという仕組みです。いいことをすれば,友人になってくれるというような。システムというよりも,個人やグループが「私」の行動をどう評価しているかを表す仕組みです。

4Gamer:
 なるほど。ちなみに昨今のMMORPGには,ストーリーテリングの要素が若干欠けている印象があるのですが,あえてそこに注力するあたりが,あなたの作品らしいなと思います。

ギャリオット氏:
 おっしゃるとおり,ストーリー要素が希薄なMMORPGが,最近の傾向です。しかしストーリーがあったほうが,世界観にリアリティが生まれますし,ゲーム性もより豊かになりますよね。

4Gamer:
 でも,カジュアルゲーマーにストーリーの楽しさを伝えるのは,とても難しいと思うのですが,そのあたりはどう考えていますか?

ギャリオット氏:
 ストーリー性が豊かであるということは,コアゲーマーにとってもカジュアルゲーマーにとっても,いいことだと思います。ただそのストーリー性を,プレイヤーにどう伝えるかが問題だと思います。シングルプレイのファイナルファンタジーシリーズは,気軽にプレイできるRPGですが,とてもいいストーリーが用意されています。そう考えると,ストーリーを多くのプレイヤーに伝えることは,不可能ではないと思うんです。

Richard Garriott's Tabula Rasa Richard Garriott's Tabula Rasa


北米/ヨーロッパに近い傾向がある日本でなら

ちょっとした修正で成功を収められるはず


4Gamer:
 さてタブラ ラサは,欧米,日本,そして韓国と,大別して三つの市場をターゲットにしているタイトルです。各地域における差別化,あるいは共通化については,どんな考えをお持ちですか。

ギャリオット氏:
 先ほど述べたように,もう30年間もゲーム業界に関わっていますが,世界のマーケットがだんだん共通化してきていると感じます。かつてヨーロッパのゲームは,画面は美しいけれどゲーム性はいまいちという印象がありました――アメリカ人の目から見たら,ということですけどね。で,アメリカのゲームは,ゲームデザインは良くても,美しさには欠けるという印象がありました。

4Gamer:
 確かにかつて,そういう印象がありましたね。しかもその時代は,比較的長く続きました。

ギャリオット氏:
 ええ。しかし今では,ヨーロッパもアメリカも,似たような作品を出すようになっていますし,結局どの開発チームが作った作品なのかという問題のみになっていますね。
 私は,NCsoftのUSオフィスに2001年から関わっていますが,当時韓国には3Dゲームはほとんどなく,トップダウンの2Dが主流だった。いまではそんなことはないし,FPSも人気のジャンルに成長しています。
 ただし,今でも日本と韓国,アメリカの間には,大事な違いがあります。日本とアメリカでは,例えばPvEコンテンツが人気がありますが,韓国ではPvPのほうが人気があります。一方ビジュアルスタイルの好みでいうと,日本人と韓国人には共通性があります。

4Gamer:
 大枠としては,おっしゃるとおりだと思います。

ギャリオット氏:
 それぞれの地域に良いところがあるので,お互いが学び合えると思います。例えばリネージュシリーズには攻城戦がありますが,これは素晴らしいコンテンツで,多くのプレイヤーが高く評価しています。ただ,文化的な変化というのは少しずつしか起きないものなので,それぞれの地域に合わせたカルチャライズは欠かせません。

4Gamer:
 ということは,タブラ ラサでも,それぞれの地域ごとに差をつけるということですか?

Richard Garriott's Tabula Rasa
ギャリオット氏:
 もちろん変えます。日本語対応は当然のこととして,それ以外の微調整も行いますよ。今もエヌ・シー・ジャパンのスタッフにテストプレイをしてもらい,随時フィードバックしてもらっています。そして,そのフィードバックに基づいてテスト環境を作り,日本の一般プレイヤーにその変更内容を確認してもらい,その上で正式サービスを開始します。

4Gamer:
 なるほど。ちょっと細かい話になりますが,その場合の地域ごとのバージョン管理はどのように行うのですか?

ギャリオット氏:
 今は一つのグローバルバージョンになっていますが,今後はそれぞれにローカルフラグを付けて,サーバーセットをそれぞれ用意し,調整することを検討しています。地域ごとに設定することも可能性としてはありますが,あまりにも大変なので,どちらかというと前者で決まりでしょうね。

4Gamer:
 韓国と欧米,そして日本で成功を収めることが,とりあえずのあなたの目標だと思うのですが,先ほどおっしゃった,地域ごとの好みの差を考慮すると,なかなか大変そうですね。

ギャリオット氏:
 それを考慮して,私達は順序立てて開発を行ってきました。私はアメリカ人ですし,アメリカ人のことが一番理解しやすいので,まずはそこを優先しています。そしてほぼ同時に,アメリカ人と似た傾向にあるヨーロッパ向けの開発に注力しています。
 日本の場合は,どちらかというとアメリカやヨーロッパに近い傾向があるので,変更しなければならない部分は,あまりないと考えています。

4Gamer:
 ちょっとした変更で,うまくいく可能性が高いと。

ギャリオット氏:
 はい。ただし韓国市場は,求められているものがまったく異なっているので,正直に言って開発は困難です。同じく対応が困難と思われる中国語版も,ゆっくり時間をかけてローカライズ作業を進めていくつもりです。



日本語化はおおむね完了している状況

「タブラ ラサ」で遊べる日は遠くなさそうだ


4Gamer:
 しかし,こうして直接お話をするのは,本当に久しぶりですね。

ギャリオット氏:
 とくに日本のメディアには,あまり姿を現しませんでしたね。ウルティマ オンラインの頃は,年に2,3回ほど来日していましたが,今回は5年ぶりの来日ということになります。

4Gamer:
 最近では宇宙旅行に行く話題も盛んですし,表舞台に登場する機会も少なくなっているしで,あなたのゲームに対する興味は,ちょっと薄まっているのかな? と心配に思うこともあったんです。実際のところはどうなんでしょうか。

ギャリオット氏:
 大丈夫です。もちろん,ゲームに対しては今でも強い関心を持っていますよ。ただ,本格的なゲームの仕事から,1〜2年ほど離れていた状況で,その後タブラ ラサの開発に取り組んだので,ブランクが響いていたところもあるでしょうね。また,ご存じのようにオンラインゲームの開発には長い時間がかかるので,そこにのめり込むと,対外的な仕事がどうしても減ってしまうんです。

4Gamer:
 なるほど。そんなこともあって,今時の若いプレイヤーは,あなたの名前をあまり知らないと思うんですよ。そんな新しいプレイヤー達へのアピールを兼ねて,今あなたがゲームに関してどんなことを考えているのか,オンラインゲームはどうなるべきなのか,そのあたりを聞かせてもらえますか。

ギャリオット氏:
 まったくおっしゃるとおりで,若い人達というのは,常に流入してきますし,常にその人達が主役となって,未来のテイストを決めていくこととなります。もちろんそれは,私がいつも経験してきたことです。
 オンラインゲームは,ゲームの中でも最も成長の早いセグメントになりました。ただ,私はその流れに批判の目を向けています。経済性とゲーム性の成長速度が合っていないからです。
 私達は日本のプレイヤーに対して,タブラ ラサを通じてNCsoftというソフト会社をしっかり認識してもらいたいと考えています。NCsoftこそ,革新を進められる会社の一つです。それはタブラ ラサをはじめとするゲームデザインだけでなく,ビジネスモデルなどにも言えることです。
 NCsoftの基礎をなしているのは,リネージュシリーズや「Aion」といった本格ファンタジーMMORPGですが,今後はそれにタブラ ラサが加わりますし,オンラインFPSやカジュアルゲームなども投入されつつあります。プレイヤーは今後,よりバラエティに富んだゲームが楽しめるでしょう。

4Gamer:
 あなたのゲームデザイン論が反映された最新作,タブラ ラサのローンチを楽しみにしています。ちなみに日本語版のローンチはいつ頃になりそうですか?

エヌ・シー・ジャパン:
 詳細は,公式発表をお待ちください。

4Gamer:
 では,タブラ ラサで遊べる日を心待ちにしているプレイヤーに対して,なにか一言コメントをお願いします。

ギャリオット氏:
 日本語版は,ローカライズに関してはほぼ完成している状況なのですが,ほかにも変更点があるので,その開発作業にもう少し時間がかかりそうです。
 日本のプレイヤーのコミュニティは,私の仕事をしっかりサポートしてくれていました。また私のキャリアの中で,最も大切な人達でもありました。今回日本にタブラ ラサを導入できるということで,本当にワクワクしています。皆さんに最大限の関心を持ってもらえるよう,引き続き努力します。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

Richard Garriott's Tabula Rasa Richard Garriott's Tabula Rasa Richard Garriott's Tabula Rasa

 2001年5月に開発が発表されてから,実に6年以上の開発期間を経て北米/ヨーロッパサービスへとたどり着いた「Richard Garriott's Tabula Rasa」。その過程は決してスムースなものとは言えなかったが,精力的なアップデートにより,ゲーム内コンテンツは確実に充実してきている。
 一方,日本語版「タブラ ラサ」の開発も,2008年春の公開に向けて着実に完成度を増してきている模様。日本語ローカライズに関してはほぼ完成しているが,より日本人好みのバランスに調整するべく,エヌ・シー・ジャパンのスタッフを中心に,現在徹底したテストプレイが行われているという。
 とはいえ,「結果」よりも「過程」を楽しむ傾向にあると言われている日本のプレイヤーならば,北米/ヨーロッパバージョンを大きく変更する必要はないだろうと,ギャリオット氏は考えている。オープンβテスト/正式サービスのタイミングやプロモーション展開,プレイヤーのグラフィックスデザインの好みといった要素も絡んでくるだろうが,可能な範囲で「最適化」された日本語版で遊べるのは,MMORPGファンとしては嬉しい限り。エヌ・シー・ジャパンによる,テスト/サービス日程の公式発表を楽しみに待ちたいところだ。

 コンピュータRPGの良きお手本を生み出し,MMORPGというジャンルを世に知らしめ,それをビジネスとして成立させた,リチャード・ギャリオット氏。インタビューでも少し触れたが,現在の日本のオンラインゲーム市場では,その威光も若干弱くなっているだろう。タブラ ラサに,一種の閉塞感が漂うMMORPG業界に新たな革命を起こすだけの「何か」があるのかは,まだ分からない。しかし,数々の偉業をリアルタイムで目の当たりにしてきた筆者としては,その「何か」に期待せずにはいられない。ギャリオット氏が「主役」だという「新しいプレイヤー」達は,果たしてタブラ ラサを楽しめるだろうか?

(2008年3月10日収録)

  • 関連タイトル:

    Richard Garriott's Tabula Rasa

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