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印刷2008/01/26 15:13

レビュー

あのリチャード・ギャリオット氏が手がけた期待のSF MMORPG

Richard Garriott's Tabula Rasa

Text by 奥谷海人

»  2007年11月,ついに北米およびヨーロッパ地域でのサービスが開始された,MMORPG「Richard Garriott's Tabula Rasa」。ゲーム業界の大御所リチャード・ギャリオット氏が手がけた最新作ということ,また2008年内には日本でのサービスが予定されていることから,本作に注目しているゲーマーも多いのではないだろうか。ギャリオット氏,そして海外ゲームに対する造詣が深いライター奥谷海人氏に,本作の特徴と魅力をたっぷりと解説してもらおう。


リチャード・ギャリオット氏の新作,「Tabula Rasa」とは


Richard Garriott's Tabula Rasa
ゲーム業界の大御所リチャード・ギャリオット氏の名は日本にまで轟いているが,彼の名前を冠するゲームは「Richard Garriott's Tabula Rasa」が初となる。タイトルの下にある象形文字はギャリオット氏による創作で,例えば剣の交差するマークは「戦争」,星マークが一つなら「星」,三つなら「宇宙」というように,英語を知らなくても解読可能だ
 Richard Garriott(リチャード・ギャリオット)氏は,ウルティマシリーズでRPGジャンルの黎明期の支え,さらに「ウルティマ オンライン」でMMORPGの可能性を提示した,コンピュータゲーム業界の重鎮である。ここしばらくブランクがあったため,日本での知名度は低くなっているかもしれないが,古参ゲーマーの間では「ロード・ブリティッシュ」という異名でも知られている。
 その彼が,アメリカ進出の突破口を伺うNCsoftの看板スターとしてDestination Gamesを結成し,新作MMORPG「Richard Garriott's Tabula Rasa」(以下,Tabula Rasa)を発表したのは,2001年5月のこと。当初は,2年以内に開発が終了する予定であったが,ギャリオット氏の右腕として活躍していたStarr Long(スター・ロン)氏,「Lineage」のリードデザイナーだったJake Song(ジェイク・ソン)氏がそれぞれプロジェクトリーダーとなる「三頭政治制」が崩壊したり,制作途中でゲームエンジンの作り直しを決断したりといったことなどが原因となり,ゲーム開発は幾度も停滞した。
 Tabula Rasaとはラテン語で「(何も書かれていない)無垢な石板」という意味だが,まさかギャリオット氏自身も,自分のプロジェクトが何回も無垢な状態になるとは思っていなかっただろう。ともあれ,そんな紆余曲折を経て,本作は2007年10月にβテストが終了し,11月2日からは北米およびヨーロッパでサービスが開始されている。

Richard Garriott's Tabula Rasa
オープニングムービーはなかなかの迫力。ぬるま湯に浸って暮らしていた地球人が,Thraxによる突然の攻撃になすすべもなく屈服する様子が,パッケージのカバーアートにも登場するSarah Morrison上等兵の視点で描かれている
Richard Garriott's Tabula Rasa
Sarah Morrisonはゲーム内キャラクターとしても登場。開発チームの女性3人が手分けして操作するという。そのほか,“ロード・ブリティッシュ”ならぬ“ジェネラル・ブリティッシュ”も,ゲーム内を頻繁に闊歩している
Richard Garriott's Tabula Rasa
地球の惨禍から脱出し,Sarah Morrisonのようにロゴスのパワーを利用できる特殊な能力を秘めた人だけが,Tabula Rasaでの戦闘に参加できる。プレイヤーキャラクターはもちろん選ばれし者だ

 Tabula Rasaの物語は,何千年もの昔から始まる。銀河の一角に誕生した平和で勤勉なEloh種族は,高度な文明を築き上げ,エネルギーをコントロールできる能力“ロゴス”(logos)を開発した。やがてElohは銀河全体へと拡散していき,地球人を含めたさまざまな異星人へ知識を分け与えたという。そして,各惑星の文明が十分に発達したときにコンタクトが取れるよう,ワームホールを起動するデバイスや,ロゴスのヒントなども置き土産として残した。
 Elohが接触した異星人のうちの一つが,惑星Thraxisに住むThrax達だ。彼らはほかの種族を嫌っており,非常に好戦的。当初はElohの高度文明を吸収するために近付いたものの,やがて本性を現し,奇襲をかけてElohに被害を与えた。Elohはロゴスの知識によって勝利を収めたが,ElohからNephという一団が分派して,Thraxを中心とする複合軍団“Bane”が誕生。BaneはElohの母星を破壊し,Elohは絶滅に追い込まれてしまった。

Richard Garriott's Tabula Rasa
キャラクターメイクの自由度は,カラー設定以外あまり高くない。男女ともに無骨な雰囲気のデザインが多く,いかにも兵士っぽい,アメリカンなキャラクターが作成できる
Richard Garriott's Tabula Rasa
リクルート(見習い兵)としてゲームが始まり,一時間もするとレベル5になって最初のクラスが選べるようになる。こちらは,前衛や直接攻撃に適したソルジャー・タイプ
Richard Garriott's Tabula Rasa
スペシャリスト・タイプは,将来的にはメディックやエンジニアへと発展する。後衛や間接攻撃,チームプレイ重視でプレイしたい人にオススメだ


MMORPGとアクションシューティングのハイブリッド


Richard Garriott's Tabula Rasa
序盤から巨大な敵が登場する。同レベル帯の敵であればロゴスパワーで圧倒できないこともないが,囲まれると大きなダメージを受けてしまうので要注意。キャラが死んでも,マップ中に数か所用意されている救急施設から復帰できるので,そういう意味では積極的に戦闘を楽しめる
 かくして銀河の覇権を握ったThraxはElohの残党狩りを行なう一方で,資源を求めて行動範囲を広げ,その勢力は太陽系にまで到達。地球は,各国の軍隊による抵抗もむなしく,わずか5日で陥落した。
 しかし,地球人のなかにはロゴスの力を利用する潜在能力を持つ者がいた。Elohが太古の時代に残していたワームホールを使って逃げ延びた彼らは,やがて逃亡の地でAFS(Allied Free Sentients)を結成し,Baneに対抗すべく行動を開始した。母なる星を失った地球人,つまりプレイヤー達は,このAFSに加入してBaneとの決戦に挑み,再び“無垢の石板 〜 タブラ・ラサ”に,その歴史を刻んでいくことになるわけだ。

 Tabula Rasaでプレイヤーが使用できるキャラクターは地球人のみ。身長や肌の色などは自由に選択できるが,目鼻立ちのバリエーションはさほど多くない。全体的に男性/女性ともにタフなルックスのアートワークになっていて,多くの日本人にとっては「好み」ではないかもしれない。
 キャラクター作成後,30分ほどで終わるチュートリアル(練習)用のブートキャンプをこなし,最初に降り立つのがForeas星コンコーディア大陸のAlia Dasだ。ここは,まだEloh文明が繁栄していた頃に入植を許されたForea人の居住地だが,Baneの侵攻はすでに始まっているという設定だ。「Elohから譲り受けた星を何としてでも守り抜く」というForea人達がAFSと共存しており,地球人よりも一足早く移住していた平和と自然を尊ぶ種族,Cormanが,Thraxの攻撃を受けている状況である。またForeaには,クモやタコの化け物のような在来生物が,いわゆるモンスターとして存在してもいる。

 Tabula Rasaのプレイフィールは,一般的なMMORPGとはかなり異なる印象だ。基地の外では,頻繁にリスポーンするBaneがウヨウヨしており,またアチコチで爆撃が行なわれていて,歩いているだけで吹っ飛ばされることもある。NPC達が声を掛け合いながらBane軍と戦っている風景も見られ,その臨場感はFPSである「Call of Duty」のノリに近い。

 キャラクターの操作は3人称視点で行ない,銃器や爆弾,そして魔法の代わりにロゴスのパワーを使って戦う。AFSの上官やForea人の長老といった人物からミッションを受け,マップを縦横無尽に走りながら銃撃戦を繰り広げるのが,Tabula Rasaの基本的な流れとなる。ざっくりと表現するなら,定番MMORPG「World of Warcraft」と,チームベースのFPS「Counter-Strike」を足して2で割ったような,ハイブリッドなプレイ感といったところだろうか。

Richard Garriott's Tabula Rasa
Tabula Rasaの最初の街Alia Das。Foreas星のコンコーディア大陸はForea人たちの居住地で,緑も多く比較的平和。巨木にまとわりつくような形で住居が並ぶ
Richard Garriott's Tabula Rasa
Corman一族が入植した農業試験場を中心とする土地,Cumbria Research Facility。CormanはAFSと仲が悪く,仕方なく共存している感じ
Richard Garriott's Tabula Rasa
マグマが流れるAriekiのLigo Crusible。Baneの刑務所に使われる惑星という設定で,救出ミッションなどがある。ここまで来ると敵も強力だ
Richard Garriott's Tabula Rasa
マップに点在するロゴスを探し,そのパワーを得ることによって新しいスキルが使えるようになる。ロゴスは発見しづらい場所に隠されていることも
Richard Garriott's Tabula Rasa
これはロゴスのあるダンジョンの内部。このシールドのスイッチを切るには,周囲に描かれているロゴスを体得していなければならない
Richard Garriott's Tabula Rasa
レベル15以降,しばらくお世話になるのがForeas第2マップのForeas Baseだ。ワームホールやポータルもあり,ここからさまざまな地点や惑星に移動できる


宇宙をテーマにした,深みある設定やストーリーに注目


Richard Garriott's Tabula Rasa
Tabula Rasaで最も楽しいことの一つが,各マップに2か所ほど用意されている砦(Control Point)の争奪戦で,一時間に2〜3度行なわれる。何十もの敵が出現して波状攻撃を仕掛け,砦のバリアや砲台が破壊されるだけでなく,内部に侵入されて占領されることもある。奪い返すまではポータル移動もできないので,仲間を募って奪還しよう
 Tabula Rasaのプレイヤーキャラクターは,最初からクラス(職業)を選択できるわけではない。キャラクターがある程度育った段階で,好みのクラスを選択するというシステムだ。ちなみにレベルキャップは,原稿執筆時点(2007年12月)でレベル50となっていた。
 具体的には,最初はRecruit(見習い兵)としてゲームに参加し,レベル5に到達したときに,2次クラスであるSoldier(兵士)もしくはSpecialist(専門職)のどちらかを選択する。ここまでは,1時間前後プレイすればすぐにたどり着けるバランシングだ。
 そして,キャラクターがレベル15に達した時点で,上記二つのクラスはさらに二つずつの3次クラスに分岐する。Soldierならば,Commando(突撃兵)かRanger(遊撃兵)に,Specialistなら,Sapper(工兵)かBiotechnician(生物工学士)になれるのだ。
 やがてレベル30になれば,それぞれがさらに2クラスずつに派生し,Grenadier(グレネード兵),衛兵(Guardian),スナイパー(Sniper),スパイ(Spy),爆破兵(Demolitionist),エンジニア(Engineer),医療兵(Medic),そして Exobiologist(在外生物学士)へと成長していく。

Richard Garriott's Tabula Rasa
ミッションを進めていくと,Tabula Rasaの世界観や人間関係が徐々に紐解かれていく。すべて英文なのでたいへんだが,ゲーム世界に浸りたい人はじっくりと読んでみよう
Richard Garriott's Tabula Rasa
アチコチにいるBaneの雑魚キャラがThrax。メディック系,工兵系,スナイパー系など,味方と同じようにさまざまなタイプのThraxがいる
Richard Garriott's Tabula Rasa
Baneだけではなく,惑星には獰猛な動物や昆虫などが多数生息しており,特定地域への潜入には一苦労する。もちろん,プレイヤー過多で獲物の奪い合いになることも

 Tabula Rasaではスキルベースの成長システムが併用されており,プレイヤーキャラクターはレベルが上がるごとに得られるポイントを,向上可能なスキルに5段階まで振り分けていく。またキャラクターには,Body(ヘルス+パワー),Mind(パワーと回復率),そしてSpirit(回復率とパワー)という三つのステータスがあり,レベルが一つ上昇することに3ポイントずつ,任意に振り分けられる。このステータスは装備の属性によって変化するし,戦時にトラウマ現象が発生して急激に数値が落ちることもある。
 ともあれ,アバターに関しては若干自由度の低い本作だが,ことキャラクター育成に関しては,なかなか奥深い仕様となっている。同じクラス/レベルのキャラクターでも,ステータスやスキルのポイントが異なれば,戦い方や活躍できるポイントも違ってくるというわけだ。

 個人的に,Tabula Rasaで最も評価したい点は,その豊かなストーリー性である。Tabula Rasaの魅力は「SFがテーマである」ということよりも,ミッションをくれるNPC達の会話から浮かび上がってくる,世界観の奥深さだ。

 民族の掟を破ってAFSに入隊しようとしているForea人,平和を叫ぶばかりで自らを守ろうとしないCormanファミリーに憤る上等兵などが登場し,この異世界の住人達の繊細な感情や微妙な力関係が,実にうまく表現されているのだ。ミッションの中には,AFSに逮捕されそうなForea人兵を見逃すかどうかといった具合に,プレイヤーに選択権が与えられる形式のものもあり,Ultima シリーズにあった“徳システム”のような,モラルをテーマとするゲームデザインが感じ取れる。
 今のところ,複数の会話文の中からどれを選んでも,ストーリー進行に変化は見られないようだが,ディレクターのLong氏に聞いたところによると,「いずれはプレイヤーの選択がミッション内容に影響するような,複雑な仕組みも導入したい」とのこと。このあたりには今後も注目したいところだ。

Richard Garriott's Tabula Rasa
それほど強くないが,囲まれると面倒なのがBaneの改造生物Amoeboidだ。特殊な液体で武器を一時使用不能にしてきたり,分裂したあげく自爆したりする
Richard Garriott's Tabula Rasa
飛行型のPredetorは,レーザービームが強力なのでやっかいな敵だ。背後からEMやLighting攻撃をすれば意外にモロい。アイテムの保有率も高いので狙い目だ
Richard Garriott's Tabula Rasa
BaneのメディックCaretakerは,仲間を復活させたり毒系の遠距離攻撃を仕掛ける。敵の大群と対峙した場合はなるべく早く処理しておきたい


ソロプレイに重点が置かれたゲームデザイン


Richard Garriott's Tabula Rasa
武器やアーマーには属性が付与されているが,デザインのバリエーションがやや少なく,個性をアピールしづらい。とくに残念なのがクラフティングで,必要なパーツを集めるのに時間がかかるので,せっかく使えそうなアイテムを開発しても,キャラのレベルが上がってしまい,すでに上位装備が利用可能になっていたりする
 Tabula Rasaのマップは直列的に作られているのが特徴で,メインミッションを順序良くこなしていくと,前の場所に戻る必要性はほとんどない。一つの惑星が2〜3のマップで構成されており,それぞれのマップはワームホールで繋がっていて,別の大陸や惑星に飛べるようになっている。さらに,一つのマップには七つ程度のポータルドアがあり,同じマップ内のポータルに瞬時移動が可能になっている。
 このほか,マップにつき2〜3のインスタンスエリアがあり,プレイヤー個人,もしくはパーティ専用のメインミッションが用意されている。このインスタンスエリアはパブリックエリアとは違い,退出しない限りは一度倒したモンスターがリスポーンすることはない。
 Tabula Rasaは,一般的なMMORPGとは異なり,必ずしもほかのプレイヤーとパーティを組んで遊ぶ必要はなく,ソロプレイが重視されている。それぞれのマップでは,同じような目的を持った同じようなレベルのプレイヤーが,同じ場所でプレイしているといったゲーム設計が行なわれているわけだ。
 さすがにインスタンスエリアは,一人でクリアするのは難しいものの,直線的に進行していくMMORPGというゲームデザインは,「俺が主人公」的なプレイフィールを演出してくれていると思う。

Richard Garriott's Tabula Rasa
左が,ほかのマップや惑星に通じるワームホール,右が,同じマップの別地点に瞬時移動するためのポータルだ。どちらも一度は使用しておかなければ,アクティブにならない
Richard Garriott's Tabula Rasa
ゲームでは通常のリスポーン,テレポート,そして輸送船での移送という3種の出現パターンで敵が出現する。AFSのNPC兵士たちもときおり運ばれてくる
Richard Garriott's Tabula Rasa
マップのさまざまな地点に,このようなElohの残した巨大モニュメントが横たわっている。ロゴスの最後の2文字は「into (the) Space」のようだが,皆さんは解読できるだろうか?

 プレイヤーキャラクターが利用できる武器には,ライフルやロケットランチャー,インジェクションガンなど,クラスに応じて全14タイプが存在しており,アーマー装備は7タイプとなっている。さらに,それぞれにincendiary(火炎系),virulent(猛毒系),electronic magnetic (EM/電気性磁力)といった属性が備わっており,一見するとパターンが非常に多いように見える。
 しかし,同じレベルの武器やアーマーは同じ形状であり,アイテムのバリエーションの少なさは問題であるといえる。Tabula Rasaではクラフティング(アイテム生産)が可能だが,こちらはさまざまな部品がある割には,「BioアーマーにはBioアーマー専用の部品が必要」といった具合に制限が厳しいため,少なくともレベル20以前では,自分の武器やアーマーをチューンナップしているうちに,そのレベルにとって旬な時期が過ぎ去ってしまう。
 前述したように,マップには同じようなレベルのプレイヤーやNPCが集合しがちなので,周りを見渡すと,同じようなアーマーを着込んだキャラクターばかりに見えてしまい,ちょっと素っ気ない。アーマーの色を変更することも可能だが,染色用アイテムを揃えるのが面倒だし,アイテム売買は個人レベルに限られているしで,なかなかハードルが高い。このあたりには,プレイヤーのニーズに応えられるような仕様を盛り込んでもらいたいものだ。

Richard Garriott's Tabula Rasa
AFS軍は巨大なメックも運用しており,主にベース近辺を守っている。画像のような巨大なクモならともかく,たまに小さなシロアリなんかにマシンガンを乱射していて笑える
Richard Garriott's Tabula Rasa
あちこちで見られる空爆や銃撃戦など,戦場の雰囲気は良く表現されているが,プレイヤーはまださほど多くなく,平日は閑散としていることも
Richard Garriott's Tabula Rasa
クラフティングにはアイテム収集やエコノミーの面で問題があるとはいえ,生産そのものは面白い。試しすぎると資金も一気に消費されてしまうのだが


特筆すべき点は数あれど,何か物足りない印象も……


Richard Garriott's Tabula Rasa
Tabula Rasaのインスタンスエリアは,ソロもしくは数人の仲間と共に楽しむのが無難。人数が多すぎると物足りなさを感じてしまう。ストーリーやモンスターの出現率は良く作り込まれており,グラフィックスやインタフェースも綺麗にまとまっているが,正直なところライバルをねじ伏せるだけの斬新さは見当たらない
 Tabula Rasaのグラフィックスは,最高レベルとは言えないまでも十分に美しく,比較的平和な緑の星Foreasや,溶岩だらけの刑務所惑星Ariekiなど,地球とは大きく異なる様相の異世界が上手く表現されている。開発期間を数年遅らせてまで,レンダリングエンジンを変更したDestination Gamesだが,この点では「あと数年は通用する」グラフィックスクオリティを実現していると言えよう。

 インタフェースや操作体系は,MMORPGというよりもアクションゲームのような作りになっており,アイコンやバーの数は極めて少ない。操作はW/A/S/Dキーによる移動やSpaceバーによるジャンプ,そして左クリックの銃撃,右クリックのロゴス発動が基本で,欧米産のゲームに慣れたプレイヤーであれば,苦もなく操作できるはず。一方で,最近流行りのダイアル式インタフェースも導入されていて,ペーパードールやグループ系コマンドなどの引き出しがCtrlボタン一つで可能になっている。

 操作に関しては非常に簡略化されている。ターゲットを一度合わせると自動的に照準を調整してくれるし,Tabキーを押せばしっかりとターゲットをロックできる。ショットガンや電撃系のロゴスパワーで攻撃すれば,縦に並んだ複数の敵にダメージを与えられるといった戦術性もある。だが,「アクションゲーム」として見てしまうと易しすぎ,FPSのようなゲーム性に期待している人は,満足できないかもしれない。
 相手の了承を得て楽しめるPvPも,メリット/デメリットのないお遊び感覚の内容であり,競技性は高くない。

Richard Garriott's Tabula Rasa
各種ウィンドウを開いていない状態なら,インタフェースがミニマムに抑えられており,視界は良好だ。SF系MMORPGとしては正しいありかただろう
Richard Garriott's Tabula Rasa
Ctrlキーを押せば,ダイアル式のインタフェースが表示され,カーソルを合わせることで新たなウィンドウが開く。慣れればホットキーより使い勝手が良さそうだ
Richard Garriott's Tabula Rasa
Tabula Rasa,とくにゲーム序盤のConcordia大陸には滝のある風景が多い。黄色いトランシーバーのマークが表示されているキャラクターは,ミッションNPCだ

 βテスト時のバージョンと比べると,ゲーム内コンテンツは格段に充実してきているものの,現時点での印象は,Ultima Onlineのようなランドマーク的な存在とは程遠いと言うしかない。ローンチで用意された四つのサーバーも,混雑している時間帯は短く,果たして「World of Warcraft」からプレイヤーを切り取るほど斬新なパワーがあるのかどうか,今のところ筆者には判断しかねる。

 しかし,戦場の臨場感はうまく演出されているし,ミッションは直線的で何度も楽しむことはできないものの,ストーリーが良く練り込まれているのは間違いない。プレイヤーキャラクターと同レベルの別キャラクターを作成できる“クローニング”,ギャリオット氏自身が制作したという3000文字に及ぶロゴス,そしてBaneとAFSが特定の基地を随時奪い合っているというダイナミックな戦場システムなど,斬新かつ興味深い仕様も,本稿では紹介しきれなかったが,少なくはない。

 Tabula Rasaは,その開発元/販売元の力量から鑑みても,今後どんどん良い方向に成長していくのは間違いないだろう。「剣と魔法の世界」での冒険は堪能し尽くした,というようなRPGファンにとって,Tabula Rasaが魅力的なタイトルであることに変わりはない。2008年内には日本語版のリリースも予定されているので,Tabula Rasaの世界に興味がある人は,そちらを楽しみに待っていてほしい。

Richard Garriott's Tabula Rasa
広大な戦場だけでなく,ダンジョンや塹壕地帯,特殊なインスタンスエリアなどもあり,マップは変化に富んでいる
Richard Garriott's Tabula Rasa
現在のところ,英語,フランス語,ドイツ語だけがサポートされているが,すでにチャットは日本語でも打ち込めるようになっている。月額料は14.99ドルだ
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今のところ,あまり多くのプレイヤーが参加しているわけではないようで,若干活気に欠けるところがある。良作だけに,今後どのように発展していくのかが楽しみだ
  • 関連タイトル:

    Richard Garriott's Tabula Rasa

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