「マビノギ」チャプター 3〜アルケミスト〜は12月11日に実装，錬金術系のスキル実装＆転生無料化も

　ネクソンジャパンは，本日（12月1日），同社がサービス中のMMORPG「マビノギ」の最新拡張となる「チャプター3〜アルケミスト〜」に関する記者説明会を開催した。

　12月11日に実装予定の「チャプター3〜アルケミスト〜」は，正式サービス開始とともに実装されたチャプター1，サービス1周年とともに実装されたチャプター2に続く大規模な拡張パックで，タイトルのとおり，「錬金術」が追加されるのが最大のトピックとなる。そのほか，ウルラ大陸がアップデートされ，新しい都市が追加されたり，新たな冒険の場として影の世界が追加されたり，メインストリームでの新しい展開が始まるなど，盛りだくさんの内容となっている。

錬金術とは？

　新しく追加される錬金術とは，なんだろうか？
　古代ケルトで尊敬される3種類の職業には，Bard（吟遊詩人），Druid（魔法使い？），そしてVate（占い師，医師）があったという。マビノギでは，Vateを錬金術師として再定義して，新たなキャラクターのスキル体系を拡張している。
　錬金術は，これまでの生活系，戦闘，魔法に続くスキル体系となり，スキルウィンドウに新たなタブが追加されることになる。なお，錬金術は，これまでのキャラクターのステータスには依存しない独立したスキル体系となっている。「もうやることがないよ」という熟練プレイヤーに新しい目標を与えるだけでなく，新人プレイヤーでも対等に鍛えて楽めるものとなっている。
　マビノギでの錬金術は，魔方陣などを使った呪術的なものではなく，科学的なものとして捉えられている。火，水，土，風の4元素を組み合わせるなどして，物質に影響を与えたり，自然界をコントロールする学問とのことだ。主に生産と戦闘に関するスキルが追加されると思っておけばいいだろう。

チャプター3について解説するマビノギチーム長ハン・ジェホ氏

　錬金術には，練成道具として「かまど」が使用される。かまどには湿式と乾式の2種類があり，湿式はいろいろな材料からさまざまな力を持った「結晶」を作り出すものであり，乾式は，アイテムの調合や合成/分解などに使用される。
　かまどは街に固定された設備となっているのだが，錬金術では携帯用の練成装備というものも使用される。それが，シリンダーだ。シリンダーは，湿式かまどで作成した結晶を活性化させる機能を持っており，右腕に装備することで戦闘に使用したり，移動先でなにかを作ったりできるという。左腕には盾も装備可能だ。


　具体的にどのようなことが，どれくらいのレベルでできるのかなどは今後発表されるのだろうが，新しいスキル体系で戦闘も生産も大きく変わってくるものと思われる。

ウルラ大陸に錬金術の街「タルティーン」を追加

　G9では，ウルラ大陸に新しい街「タルティーン」が追加される。タルティーンは，王国の首都「タラ」を守る城塞都市としての一面も持ち，モイトゥラ2次戦争の舞台ともなった都市で，戦争後は錬金術の街として栄えている。錬金術は，タルティーンを中心に展開していく。なお，首都であるタラもチャプター3で今後実装予定となっているという。

チャプター3のメインストリーム

　マビノギの特徴の一つでもあるメインストリーム系のクエストが追加される。これは，チャプター1などのストーリーとは別のもので，まったく違う背景と主人公によるものとなる。新しくゼナ，レイモア，ケイという3人が主人公となり，人間，エルフ，ジャイアントの3種族から一人ずつ参加しているのも特徴である。

　だいたいのあらすじとしては，影の世界が開き，ソウルストリームに危機が迫る。それに3種族の英雄が立ち向かうといった内容となるようだ。また，今後の展開ではモリアン，マハに続く最後の女神「ネヴァン」も登場してくることになり，ストーリー的にも大きな盛り上がりを見せそうだ。

新インスタンスダンジョン「影の世界」

　新しく追加される「影の世界」は，チャプター1で出てきた「あの世」と意味的には同じものだそうで，ミッションを通じて新しいパーティ用のインスタンスダンジョンである影の世界を冒険できるようになる。ミッションには，単純なクエストだけでなく暗殺，救出など変わったものも用意されるという。
　インスタンスなので，誰にも邪魔されず狩りを楽しむことができるほか，マビノギに新しい楽しさをもたらしてくれるコンテンツとなりそうだ。

チャプター3におけるマビノギの方向性

　チャプター2がイリア大陸の追加など，「冒険」という要素を重視したアップデートだったのに対して，チャプター3の基本方針は，物語を重視したものになるという。メインストリームもそうだろうが，新しい物語を提供するアップデートになるという。
　また，誰でも楽しめるアップデートにするという方針も打ち出されている。新規コンテンツの追加といえば，どうしても高レベルプレイヤーを対象としたものになりがちだが，チャプター3では，錬金術も低レベルから楽しめるものになっているほか，低レベルでも楽しめるようなコンテンツを追加していく予定とのこと。
　また，プレイヤーによるコンテンツの消費が非常に速いことは十分認識しているようで，これからはユーザーが作れるコンテンツを増やしていくとのことだ。そのために，素材となるものや空間をたくさん提供していく予定だという。
　ここでいうユーザーが作るものというのが，いわゆるユーザークリエイトコンテンツを意味するのかどうかは不明だが，少なくとも生産要素などは拡充されていくようだ。

今後のマビノギは？

　さらに，今後の展開の例として韓国での最新情報も紹介された。韓国ではジェネレーション9のシーズン2と3が実装されたところだそうで，錬金術の新スキルが実装されたり，属性付きのシリンダーなどが追加されているという。
　また，タルティーンに「農場」が作られ，土地を借りてプレイヤーが好きな作物を育てられるようになるなど，生産系の大きな拡張が行われている。


　さらに開発チームは現在ジェネレーション10の開発の真っ最中だそうで，首都タラの実装やメインストリームの新展開，そしてネヴァンも実際に登場してくるという。ネヴァンはラフイラストのみ公開されたのだが，モリアンのような非常に魅力的な女神として登場してくるだろうとのこと。もちろん，これら以外にも魅力的なコンテンツが多数開発されているそうだ。

日本独自の展開

　韓国では，チャプター3とともに完全無料化が行われて大きなトピックになっていたのだが，日本では先行して無料化を行っていたので，さほど大きな動きはない。それでも課金体系は見直され，初心者とこれまで継続していたプレイヤーの双方に遊びやすくなるような変更が予定されている。
　最大のトピックは，転生の無料化だ。これまで課金アイテムを使用しないと転生が行えなかったのだが，6週間間隔で無料の転生が行えるようになるという。転生を行えば，高レベル帯で頑張るよりもAPの取得なども楽になるので，新たな錬金術スキル取得に向けては，非常に嬉しい仕様変更となる。
　また，キャラクターカードを使っての転生も期間の見直しが行われ，2週間で転生が可能となる。韓国では1週間での転生が可能になっていたのだが，ゲームバランス的に問題も出たようで，日本版ではバランスを修正しての導入となった模様だ。同時に，キャラクターカードの価格も改訂され，700円から500円になったことで，転生しやすくなったことによる出費は若干抑えられている。
　そのほか，経験値テーブルを見直してレベルアップしやすくなるなど，かなり遊びやすくなる修正が行われる予定だ。


　日本独自のコンテンツとしては，まず，灼眼のシャナとのコラボレーションが挙げられる。衣服や髪型などがアイテムとして投入される模様。これは3月に導入される予定だ。
　このほか，マビノギ自体の世界観をモチーフとしたボイスドラマやコミック化など，ゲーム以外のところでもマビノギの世界を広げていく予定とのこと。

チャプター3記念イベント＆アイテム

　チャプター3の導入を記念したイベントも開催される。これは時節柄クリスマスを兼ねたものとなり，クリスマスに関連した各種ゲーム内イベントが開催されるほか，クリスマス限定アイテムや，2007年の冬季限定だったサンタクマとトナカイが再販される。今回のクリスマスイベントは，日本からの企画によって作られたもので，クリスマスプレゼント付きなので，ぜひ参加しよう。

　チャプター3記念ペットとして発売されるスプライトは，プレイヤーと合体できる特殊なペットとして登場する。普段は光を帯びて飛び回るスプライトが，Rキーを押すことでキャラクターと合体し，キャラクターから光の羽根が生えたような外観となる。この状態では最大生命力，マナ，クリティカルなどのペットボーナスを追加できるほか，防御と保護も上昇する。スプライトには，イエロースプライト，ライムスプライト，そして期間限定のレインボースプライトの3種が発売される。レインボースプライトは，12月11日から25日までの期間限定発売で，時間とともにさまざまな色に変化するものになるという。


　今後は，エモーションの追加やラットマンのような，日本のユーザーの要望によるものを積極的に取り入れたいとのこと。具体的な内容は4月に予定されている4周年記念イベントで明らかにされるという。チャプター3で広がる新しい冒険の世界とともに，今後の展開にも注目したい。