「ラグナロクオンライン」年内のアップデート計画と3次職情報も。ガンホープレスカンファレンスその1

今後のオンラインゲーム運営方針について説明する，ガンホー パブリッシング本部 本部長 越智政人氏

　ガンホー・オンライン・エンターテイメント（以下，ガンホー）は本日（2月15日），本社でプレスカンファレンスを実施し，第一パブリッシング局所轄の3作品，すなわち「ラグナロクオンライン」「ドデカオンライン」「覇拳伝」の年内サービス展開に関する発表を行った。
　実はこのプレスカンファレンスには当初，代表取締役社長 森下一喜氏も登壇の予定であり，会社としての事業計画は氏の口から語られるはずだった。だが昨日発表された，ガンホーによるGravityの子会社化（クリックするとPDFファイルが開き/ダウンロードされます。）の関係で氏は日本におらず，欠席となった。
　代わりに，ガンホーのオンラインゲーム運営方針について説明したのは，同社パブリッシング本部 本部長の越智政人氏だ。氏はまず，日本におけるオンラインゲーム市場の問題として「100人の初心者さんが入ってきても，最終的に10人くらいしか残らず，いわゆるコアゲーマーさんだけになってしまう」という問題を挙げた。そして今年のガンホーの作品提供に関する方針として，「誰もが」「直ぐに」「面白い」というコンセプトを掲げ，プレイヤーの中途脱落を防ぐべく努力することにより，オンラインゲーム市場を拡大していけるはずとの展望を述べた。

「名もなき島」アップデートは3月4日導入

「ラグナロクオンライン」年内の展開について解説する，制作担当 廣瀬高志氏

　続いて，先に挙げた3作品に関する年間発表が順に行われたのだが，この記事ではまず「ラグナロクオンライン」に関連した発表をお届けしよう。
　まず壇上に立ったのは，同作品の制作担当 廣瀬高志氏。氏ははじめに2007年のアップデートを軽く振り返ったあと，2008年内のアップデート計画全体を軽く説明した。



　先日アナウンスされた「Episode 6.0 Beginnings and Upheavals」第3弾「名もなき島」のみならず，5〜6月ごろにロシアオリジナルコンテンツ由来の「モスコビアアップデート」，7〜8月頃に「魔王モロクアップデート」と「新攻城戦システム」の導入，9〜10月に「戦場システム」，10〜11月ごろに「メモリアルダンジョン」の導入が予定されているとのこと。なお，魔王モロク以降の話題について，当サイトでは以前RWC 2007に併設されたプレスカンファレンスの記事で情報をお伝えしたことがあるので，そちらもぜひ参照してほしい。

　続いて氏は，直近の「名もなき島」アップデートについて概要を軽くおさらいしたあと，「名もなき島」に行くにはクエストのクリアが必要なこと，そこにある修道院には，アンデッド/デーモン系のモンスターが徘徊していて，プリーストを核に据えたパーティか，大人数のパーティで望むべきハイレベル向けエリアであることなどを言い添えていった。

昼と夜で大きく表情を変える，「名もなき島」

デーモン/アンデッド系モンスターが徘徊するハイレベルエリア，「修道院」

スフィンクスダンジョンに追加される新モンスター，アヌビス

　そして，「名もなき島」にはあの“蝿の王”であるMVPモンスター「ウェルゼルブ」のほか，新モンスターが多数登場すること，また，既存のスフィンクスダンジョンの地下4階5階にも新モンスター「アヌビス」が追加され，これは棲息数こそ少ないものの，レベル70くらいのプレイヤーキャラクターにとって，経験値収入が魅力的なモンスターであると説明した。モンスターの再配置による既存エリアの活性化策は，地道に形になっているようだ。

ウェルゼルブを筆頭とする，強力なモンスター達

　アップデート時に追加される新アイテムとしては，武器が42種類，防具が22種類，カードが14種類あるとのことで，とくに武器には転生職専用のものも含まれているという。そしてこれについて氏は，「より上位の武器が加わることで，既存の高位装備がゲーム内の取り引きで中級クラスに降りてきますから，影響は全体に波及するはずです」との見解を添えた。
　また，追加クエストとしては，先に挙げた「名もなき島」に渡るためのもののほか，アルナベルツ教国をめぐるクエストの最終局面と，謎の集団「Z団」をめぐるものがある。「Z団」はプロンテラで指名手配を受けているグループで，その行動目的はクエスト内で明かされるそうだ。


　以上のような「名もなき島」アップデートは，3月4日に実装されると，はっきり日付が述べられた。

魔王モロク，新攻城戦，そして3次職に関する見通しも

　「モスコビア」アップデートについてはもともと，「ラグナロクオンライン」のサービス国の一つであるロシアのオリジナルコンテンツが，日本サービスにも導入されるというもの。ロシアに伝わる民話に基づいたクエストが用意され，それに合わせたマップやモンスターが導入されるというわけで，「アマツ」の逆パターンだと考えればよいだろう。



　それに続く「魔王モロクの復活」アップデートは，韓国で開発された新アップデートであり，「ラグナロクオンライン」のメインストーリーを扱ったものだ。
　もともとモロクの街は，剣士タナトスが魔王を封じたモロク城を中心に栄えた土地であるが，その魔王が，封印の結界に生じた小さな綻びを見逃さず，復活を遂げてしまう。この魔王はストーリー上，各地から集結した勇士の手で次元の彼方に葬られるのだが，その間に生じた被害は，街と周辺地域の様子を一変させてしまう。NPC達も手前のピラミッドマップに避難する始末だという。
　そうした，ちょっと変わった趣向の新マップ導入が，「魔王モロクの復活」のキモだ。なお，直前までモロクにいたプレイヤーキャラクターは，アップデート導入時にきちんと安全なマップに転送されるとのことなので，そこはご安心を。


　さて，「魔王モロクの復活」アップデートと同時に導入されるのが新施設である「砦」で，それを奪い合うのが「新攻城戦システム」というわけだ。「砦」はシュバルツバルド共和国とアルナベルツ教国にそれぞれ5か所ずつ設定され，その攻略方法は，既存の攻城戦とは異なるものになる。
　「砦」の手前には「拠点」が設定され，攻略側はまずそこにある「守護石」を破壊する必要がある。対して防御側は「守護石」を通して「ガーディアン」を召喚でき，まずはここで激しい攻防戦が展開される。
　首尾良く「守護石」を破壊して，「拠点」を突破した攻略側の前に立ちふさがるのは城門だ。続いてこれを破壊しないと，攻略側は勝利条件である「エンペリウム」に向けて進めない。
　さらに「砦」では，ワープリンクが撤去されており，各ブロックを地道に制圧していくことでしか前に進めない。既存の攻城戦で生じた“ワープリンク前の攻防”が生じず，まさしくマップを全域に渡って活用する形に，戦いが拡大しているのだ。

　苦心の末に「砦」を陥落させたギルドに与えられるのは，「神器」と呼ばれる2種類の防具系アイテムを作る機会としてのクエスト/材料採取機会と，「ギルドダンジョン」への入場権だ。ギルドダンジョンの概要とメリットは，まだ韓国でも開発中とのことで明かされなかったが，導入時期が近づけば，あらためてアナウンスがあることだろう。


　「ラグナロクオンライン」に関する今年の展開内容は以上なのだが，話の最後に廣瀬氏は，今後の大きなテーマとなる3次職について触れた。RWC 2007の記事でも触れたとおり，3次職には2次職および上位2次職どちらからでもなれるが，持ち越せるスキルはそれぞれ，元の職業のものになるという。これは，3次職に就いてからスキルリセットをかけた場合でも同様で，元が2次職なら2次職のスキルが，上位2次職なら上位2次職のスキルが，候補として出てくるそうだ。

上段が女性キャラ，下段が男性キャラのイメージ画

　3次職への転職に当たっては，キャラクターレベルの巻き直しは起こらず，レベルキャップが150にアップ，ジョブレベルのキャップは50まで伸びるとのこと。なお，それぞれの3次職について，開発中の名称も明かされたので，画像で確認してほしい。