企画記事
総勢60名以上のゲームクリエイター&声優/4Gamer執筆陣に聞いてみた「2010年の注目タイトル」と「2011年への意気込み/期待」
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宇田洋輔(プロデューサー/経営戦略室 広報室 室長)
代表作:「最後の約束の物語」(PSP,2011年4月28日発売予定)「SPLIT SECOND -スプリットセカンド-」(PS3 / PSP)
行きつけの地元の小さなゲームショップにて「なーんも考えなくてもプレイできる、面白いゲームない?」と聞いたらおすすめされて、購入。
本当に感覚的にプレイできるゲームです。ボタン押してどーん!(道が開ける)ボタン押してちゅどーん!(敵を妨害する)で、ゲームが進んでいくのですが「ボタンを押す快楽」という「テレビゲーム」の基本快楽に忠実。インターフェイスもないに等しいです。シンプル。(マップがないのが若干イライラしますが…)
これまでの書きようだと、「こまけえことはイイんだよ!」という感じの、いかにもアメリカンな大雑把な作りのゲームように見えてしまいますが、何度でも遊べるように妨害物の配置バランス調整等々に非常に時間をかけていることも感じられます。
見た目はアメリカンだけど中身は日本人が作ったような、そんな印象も受ける不思議なゲームです。
欧米ゲームをあまりやらない自分でしたが、考えを改めさせられた1本です。
<質問2>2010年に発売された娯楽作品の中で,個人的に最も印象深い作品
星海社ウェブサイト「最前線」
新しいビジネススタイルを模索するその姿勢と勢いがカッコイイと思いました。
HTML5にて構成されたサイトも美しいです。
<質問3>ゲームファンや自身の作品のファンに対するメッセージ
今年は弊社、メーカーとして参入させていただくということで発表会を行わせていただき、スタートを切りました。
来年はまず上半期みなさまに「JRPG」を2本(「最後の約束の物語」「ブラック★ロックシューター THE GAME」)をご提供させていただきます。
皆様からご贔屓にしていただけるメーカーとなるべく、日々精進していきたいと考えております。来年もよろしくお願い致します。
イメージエポック
新納一哉(デジタルコンテンツ部 第一開発室 室長)
代表作:「LAST RANKER」(PSP),「フェイト/エクストラ」(PSP),「クリミナルガールズ」(PSP)「VANQUISH」(PS3 / Xbox 360)です。自分は方向音痴だったり、3D酔いしたりと3D空間に弱いせいで、基本的にTPSがあまり得意ではないのですが、そんな自分が熱中して遊べるゲームでした。まるでファミコン時代のゲームのように情報がキチっと整理されていて、遊びやすく、わかりやすく、メリハリがハッキリしている素晴らしいゲームだと思います。ユーザーとして楽しく、開発者として勉強になる作品でした。
<質問2>2010年に発売された娯楽作品の中で,個人的に最も印象深い作品
娯楽作品とはちょっと違うかもしれませんが、iPadが印象的でした。
2010年に生きる人が「あたりまえに必要な機能」が入った、PCとはまた違う不思議なガジェットだと思います。雑誌や電子書籍、映画レンタルなども揃ってきていますし、独特の操作性をもった新しいコンテンツ媒体として非常に興味があります。ゲームもたくさんありますが、コンシューマーとは違った文法が出来上がりつつあり、面白いです。
<質問3>ゲームファンや自身の作品のファンに対するメッセージ
2010年は、「LAST RANKER」、「フェイト/エクストラ」、「クリミナルガールズ」と3本のRPGを立て続けにマスターしつつ、更にもう2作を立ち上げるという、実に激しい年になりました。楽しいことも沢山、つらい後悔も沢山、充実してはいたのですが……そろそろじっくりと1本を作りこんでみたいなと思っています。沢山のチャレンジと環境づくりをしてきた2010年に対して、2011年はその成果を詰め込んだ作品を作ろうと考えています。とはいえ、そのゲームの発表は2012年くらいになってしまうと思うので、気長に見守って頂けたらうれしいです。
ヴァルハラゲームスタジオ
板垣伴信(代表取締役 最高技術責任者(CTO))
代表作:「DEAD OR ALIVE1〜4」,「NINJA GAIDEN1〜2」,「DEAD OR ALIVE Xtreme1〜2」今年発売されたものじゃないかもしれませんが、「アサシン クリードII」(PS3 / Xbox 360)は、実績970くらいまでやり込みました。久しぶりに、開発者ではなくゲーマーとして遊べたゲームでした。
あとは「ポケットモンスターブラック / ホワイト」かな。まだ封を開けてないですけど、家族が買ってきました。たぶん仕事ばかりしてないで、一緒に遊んで欲しいという娘のメッセージ。ある意味で衝撃でしたね(笑)。
前のはカンストもたくさん作ってかなりやり込みましたが、さすがに面倒くさがっていたらバスラオLv50を10匹くれると言います。そのサカナ、要らないんだけど(笑)。まあ、せっかくだから正月にでもやってみます。
<質問2>2010年に発売された娯楽作品の中で,個人的に最も印象深い作品
松本零士先生とお会いする機会があって。改めて松本先生の作品ばかり観ていました。作品名は言う必要もないですよね。全部です。
<質問3>ゲームファンや自身の作品のファンに対するメッセージ
(「Devil's Third」(PS3 / Xbox 360)を)じっくりと煮込んでいますので。続報をお待ちください。
カプコン
江城元秀(戦略執行部プロデュース室プロデューサー)
代表作:「逆転検事」シリーズ,「大神伝 〜小さき太陽〜」(NDS)今年は何といっても、Xbox 360のKinectが印象的でした。自分自身でも遊んで見たのですが、コントローラーを使用せず、全身でゲームをプレイする感覚は、遊園地のアトラクションを体験しているようで、とてもエキサイティングでした。これからも様々な対応タイトルが出てくると思うので、2011年も注目しています。
<質問2>2010年に発売された娯楽作品の中で,個人的に最も印象深い作品
非常に印象深かったのは、映画「第9地区」です。単なるSFのエイリアン映画という訳ではなく根底に人種問題やヒューマンドラマを描いている部分に感動しました。BD化された際に、すぐに購入して自宅でも観賞したほど面白い映画だったと思っています。
<質問3>ゲームファンや自身の作品のファンに対するメッセージ
2011年は、2月3日にニンテンドーDS用ソフト「逆転検事2」を発売させて頂きます。新年早々から最新情報や、楽しい企画などを発表したいと思っていますので、どうぞご期待下さい。それ以外にも、様々なサプライズをご用意して、ゲームファンの皆様に喜んで頂いたいと思っておりますので、これからも応援をよろしくお願い致します。
カプコン
川田将央(プロデューサー)
代表作:「BIOHAZARD THE MERCENARIES 3D」(3DS,発売時期未定),「BIOHAZARD:REVELATIONS」(3DS,発売時期未定)2010年にプレイしたゲームの中では「HEAVY RAIN -心の軋むとき-」が印象に残りました。タイトルどおりの重苦しい雨が主人公たちを常に覆う中で、犯人と駆け引きを繰り広げていくこのゲームは、一見すると「SAW」などの最近のサスペンスホラーに傾倒した雰囲気に注目してしまいますが、操作まわりを巧くゲームシステムに組み込むことで斬新なゲームに仕上がっています。技術的にも非常に高度なことを行っており、例えば群衆シーンの描画と制御は、いちゲーム制作者として感動した部分でした。他にも緻密なデザインやしっかりしたボイスローカライズなど、見習うべき部分の多い佳作だと思います。
<質問2>2010年に発売された娯楽作品の中で,個人的に最も印象深い作品
今年は例年以上に映画を観に行く事が多かったのですが、特に邦画は良かったと思います。CMなどから軽いコメディだと思っていた「告白」は、近年稀に見るホラー作品で独特の映像センスと併せて、今年一番の大当たりだったと思っています。さらに負けないクオリティを持つ「悪人」は、どうしてどうして、主役である妻夫木聡の深い演技に没頭しつつ、ある意味「告白」とは対極で演出も含めて非常に正統派で見応えのある映画に感銘を受けました。そんな中、ジョージ・クルーニー主演の「マイレージ・マイライフ」は近年のリストラ事情や希薄な人間関係など描きながら、軽すぎず重すぎない懐の深さを併せ持った良作で、海外出張の多い自分自身いろいろと考えさせられる娯楽映画で、とても印象深かったです。
<質問3>ゲームファンや自身の作品のファンに対するメッセージ
発表しているものも、いないものも含めて現在抱えているタイトルは、非常に難産が予測されるタイトルがあるわけです。2010年の師走を迎え、いよいよもがき苦しむ時期が訪れたかな…と感じています。ここで踏ん張ったぶん、面白いゲームに仕上がっていくと信じて邁進していくしかないのですが、時間やら予算やら人間関係やら様々な要素が複雑に絡み合い、場合によっては牙をむいて襲いかかってくるスリリングな時期の到来で、ある意味ゲーム以上にスペクタルな体験をして制作を続ける、そんな時期にいよいよ差しかかったのかなあと前向きに現実を捉え、今後の情報に期待していただきたいなあと思う次第です。乞うご期待!
「BIOHAZARD THE MERCENARIES 3D」(C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED. |
「BIOHAZARD:REVELATIONS」(C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED. |
カプコン
巧 舟(ディレクター)
代表作:「逆転裁判」シリーズ,「ゴースト トリック」(NDS)今年、最も印象に残っているのは、Xbox LIVE アーケードでダウンロードした『LIMBO』というゲームでしょうか。モノクロで、シンプルながら不気味な美しさと少しの残酷さの漂う独特の世界に、すっかり引きこまれました。実は、最近までこういう“オンライン配信専用”のゲームを遊んだことがなかったのですが…この『LIMBO』をキッカケに、『Braid』や『Flowery』など、コンパクトでありながら、今まで自分の頭の中にできあがっていた“ゲーム観”を揺さぶられるような斬新なゲームに出会うことができて、とても刺激的な経験でした。オンライン配信専用ゲーム恐るべし、という感じです。
<質問2>2010年に発売された娯楽作品の中で,個人的に最も印象深い作品
『インセプション』という映画がよかったです。個人的に、監督のクリストファー・ノーランさんの大ファンで、『メメント』の衝撃以来、毎回そのアイデアと映像の見せ方、物語の構成の“妙”にシビれています。この監督のスゴいところは、今回の『インセプション』のようなマニアックなアイデアの作品の傍らで、『ダークナイト』のような娯楽超大作を大ヒットさせてしまう振り幅の広さと、どの作品を観ても“彼らしさ”が強く漂っていること。やはり、こういう強い個性のある作品を生み出すクリエイターは尊敬します。
<質問3>ゲームファンや自身の作品のファンに対するメッセージ
今年は、新作《ゴースト トリック》を発売することができました。記憶と命を奪われた“タマシイ”が、死者の能力を駆使して自らの死の謎を追う、一夜の物語。《逆転裁判》とは違ったタイプの新しいミステリーの面白さを追求して、個人的には自信を持ってオススメできるゲームです。ひとりでも多くのみなさんに遊んでいただきたいということで、6月のニンテンドーDS版の発売から半年たらずで、iPhoneアプリ版をリリースするという新しい試みにも挑戦してみました。ぜひ、手にとってみてくださいね! 今回は、プロモーション活動中にユーザーのみなさんと接する機会も多く、本当に充実した1年でした。ありがとうございます!
カプコン
竹下博信(プロデューサー)
代表作:「ゴースト トリック」(NDS),「ロックマン10 宇宙からの脅威!!」(PS3 / Xbox 360 / Wii)レベルファイブさんの「二ノ国 漆黒の魔導士」を挙げたいと思います。スタジオジブリによるアニメーション、豪華声優陣の起用など、大作を感じさせるスタッフィングは見事です。しかしそれよりも、「マジックマスター」という魔法指南書を、ゲーム内では無く「本」として作ってしまうところに、とても衝撃を受けました。
実現には様々な課題があったかと思いますが、それを打破しての発売、本当に感心しました!
<質問2>2010年に発売された娯楽作品の中で,個人的に最も印象深い作品
以前からずっとファンだったことが大きいですが、「SPACE BATTLESHIP ヤマト」を挙げます。2010年正月からプロモーションが立ち上がり、今年一年ワクワクさせていただきました。映画本編も原作へのリスペクトが随所にあり、とても楽しめました。色々意見があるようですが、私は大満足です!
もう1回見に行こうかと思っております。
<質問3>ゲームファンや自身の作品のファンに対するメッセージ
「ゴースト トリック」では、とても多くの方から心強い感想やコメントをいただき、本当に嬉しく思っております。12月にiPhone版でもリリースし、こちらでもありがたいことに多くの反響をいただいております。作品を喜んで下さって、こちらこそ感謝にたえません。多くのご声援、ありがとうございました。
まだ未体験の方は、iPhone版は2章まで無料で遊んで頂けますので、この機会に是非お試し頂きたいと思います!
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