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[GDC 2009#27]IGFで大賞受賞した作品「Blueberry Garden」はこんな癒し系ゲーム
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印刷2009/03/28 18:55

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[GDC 2009#27]IGFで大賞受賞した作品「Blueberry Garden」はこんな癒し系ゲーム

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 GDC09の関連記事#3,「プロとアマの差がなくなった北米インディゲーム開発事情・最前線」でもお伝えしたように,今年で第11回を数えるIndependent Games Festival(以下,IGF)のノミネート作品は,ここ数年で格段にレベルを上げている。多くの作品が商業的なヒットを収め,数年前まではアマチュアや学生に過ぎなかったインディ系開発者が,業界でも“若き新星”として持て囃されているのだ。

 Independent Games Festivalの大賞である,Seumas McNally(シーマス・マクナリー)賞の由来については,以前のGDC特集記事で確認していただきたい。今年受賞したのは,画面写真だけを見ると,ゲームなのかアートなのか判断しづらい癒し系ゲーム「Blueberry Garden」である。その制作は,プログラミングからアートデザインまでを,23歳のスウェーデン人Erik Svedang(エリック・スヴェダン)氏がたった一人で行っている。

Seumas McNally賞を受賞した「Blueberry Garden」と,開発者のエリック・スヴェダン氏(左)
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 Blueberry Gardenは,その名のとおりブルーベリーがたわわに実る庭園を舞台にした,2D横スクロール型のパズルゲームだ。ミニマリスト風のシュールなアートと,これまたミニマムな感じのピアノによるBGMが,北欧のおとぎ話を連想させる癒し系ゲームである。
 GDCのエキスポ会場に,デモが公開されていたので試してみたが,少し遊んだだけでは実際にどんなゲームなのかはよく分からなかった。シャイなのか,「分からない」とか「はい」としか答えてくれなかったスヴェダン氏から,ゲームについての内容を聞き出すのは大変だったのだが,トリのくちばしに帽子とスカートという出で立ちの主人公は,“Bird”という名であるらしい。このBirdが,庭園に降り立ってブルーベリーを食べていくのだ。
 ブルーベリーは,一定時間が経つと木に実り,やがて熟れて落ちてくる。これを食べることで“飛ぶ力”を得て,壁に阻まれたとなりの豊かな庭園に飛んでいけるようになる。しかし,このBirdは真横もしくは下降しかできず,上昇することは不可能。モモンガのような飛行原理を想像してほしい。そのため,壁や木が行く手を邪魔をしていると,となりの庭園には簡単に入れないのである。

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 工夫しながら庭園を移動して領土を拡大していくと,大きな箱やえんぴつ,サイコロといったアイテムが入手できるようになるのだが,これを積み重ねていくことで高台を作り,より高いところを作り出すことで,これまでは行けなかった場所へも飛んでいけるようになる。ブルーベリーのほか,赤や白などに分かれたベリーもあるが,これを食べてどのようなパワーアップをするのかはよく分からなかった。

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 面白いのは,この庭園には“Party Hats”と呼ばれる,パーティ向けとんがり帽子を被った四角い箱型の生物が住んでいるということだ。じっと見ていると,Party Hats達もブルーベリーを食べたり,小さな子供を生んで子孫を増やしたりしている。このParty Hatsは死ぬこともあるとスヴェダン氏は話していたが,それはつまりこの庭園は一つのエコシステムを形成しており,Birdは後から進入してきた外来の生物。もっと噛み砕いて考えると,このBlueberry Gardenは,主人公が“アンチヒーロー”なわけだ。

 Blueberryは,Party Hatsが死に絶えることのないようにしながらも,より遠くのおいしいベリーを探してオブジェクトの塔を重ね上げていく……,そんな,環境との共存を考えさせられるゲームと言えそうだ。完成までには,まだ一年ほどは掛かるかも知れないとのことだが,もともとパブリッシャを探すとか,人に売りつけようという意図もなかったらしく,今後このプロジェクトの行方は定かではない。ただ,今のゲーム業界が,こんなにアーティスティックで見ているだけでも心を癒してくれるようなインディ独特の作品を,ただで放っておくことはないだろう。

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