シヴィライゼーションIII 完全攻略アカデミー


第一時限 セーブ&リロードによるライバル文明対策

 完全攻略アカデミーの第1回となる今回は,セーブ&リロードさえ多用し,ひとコマひとコマ,詰め将棋のようにプレイしていく心構えを紹介しておく。あらゆる手段を駆使して勝利することが,高レベル攻略の醍醐味なのだ。

シヴィライゼーションIIIのライバル文明はチートモードを使う!?

 「シヴィライゼーションIII」(以下,Civ3)を高い難度でプレイしたことのある人の中からは,よく「このゲームって,ライバル文明がチート(ズル)を使っていて不公平だ」という声が出る。果たして,それは本当だろうか?
 簡潔にいって,ライバル文明が大きなアドバンテージを得ているなんてことはない。ライバル文明にどこからともなく大金が舞い込むことも,鉱業や税金,ユニットの強度などに関する優遇も,まったくないのだ。プレイヤーによってはヘンに感じたこともあるかも知れないが,少なくとも,ライバル文明はその手のチートを行ってない。
 ただし,難度が高くなるほど,仕様としてゲームシステム的に差が付いているのは事実。まず,下記の表を見てもらうと分かるが,摂政レベルではプレイヤー文明とライバル文明の能力差がないのに対し,そこから下のレベルではプレイヤー文明が有利,そして国王以上ではライバル文明が有利に設定されている。
 一番難度の低い酋長レベルでは,都市に寺院や図書館がなく,贅沢品が供給されていない状態でも4人の市民が"満足"だし,プレイヤー文明はライバル文明の2倍(200%)の速度で科学研究が行えるといった利点がある。「シヴィライゼーションII」の酋長レベルよりも,さらに甘い難度になっているのだ。
 その反対に天帝レベルは,シヴィライゼーションIIのソレとは比較にならないほど難度が高い。そもそも,何もない状態では満足に感じている市民が一人しかいないから,戦闘ユニットが1ユニットでも街に入っていなかったら,都市人口レベルが2単位になった途端に不満意見の市民が登場して"反乱"が起きてしまうし,一般的な地形で寺院のない状態なら,人口レベルも4程度までしか上がらない。加えて,科学研究スピードもライバル文明の6割になってしまうなど,プレイヤーにはかなりのハンデが課せられるのだ。
 さらに,天帝レベルにおける外交では,高い難度ほどライバル文明が敵対心をあらわにする傾向があるうえ,蛮族の村で新テクノロジーなど良質の戦利品を得る可能性が低くなっている。また,難度とは関係ないが,ライバル文明は将来的な資源のありかや敵の都市の状況を確認できるらしい。ライバル文明が辺ぴなところ,例えばジャングルの真ん中などに都市を建てたりしたら,そこには大抵,石炭やウランなどの資源が眠っていたりする。
 これらの仕様は,プレイヤーによっては限りなくチートに近い行為と判断するだろうし,実際プレイヤーには少々不公平である気もする。しかし,それを逆手にとってプレイすることで,極悪の皇帝や天帝レベルでも勝算が出てくるのだ。条件を無謀なまでに不均等にして強さを増しているライバル文明を出し抜くという面白さが,そのままCiv3の高難度モード攻略の魅力といえるのではないだろうか。

レベル 酋長 将軍 摂政 国王 皇帝 天帝
満足な市民の数(初期状態)

4

3 2 2 1 1
プレイヤーの研究開発速度 (対ライバル文明) 200% 120% 100% 90% 80% 60%
対バーバリアン攻撃力のボーナス 400% 200% 100% 50% 25% 0%
ライバル文明の初期ユニットボーナス 0 0 0 1ユニット 7ユニット 11〜12ユニット

セーブ&リロードもゲームの内

 Civ3の皇帝や天帝レベルを普通にプレイしているだけでは,プレイヤーが優位に立つのは不可能に近い。忘れてならないのは,ターンを終わらせる前には,必ずセーブをするということである
 あるユニットが戦闘に破れた場合,リロードでやり直しても同じ結果になることを経験で知っているプレイヤーも多いのではないだろうか。Civ3を何度もプレイしていると感覚的に掴めるが,ユニット同士の戦いには,攻撃力と防御力の能力値に,防御している側の地形,そしてターンごとにランダムで計算されるプラスアルファの要素がある。敵の都市の攻略に六つのユニットを送り込んだのに,最初に三つのユニットが潰されて,プレイヤーの思惑通りにコトが運ばないことも多々あるだろう。ところが,このような状況で1ターン戻り,一度戦闘を起こして次のターンに移行してみると,今度はすんなりと敵都市を占領できたりしてしまう。また,別の場所で先に一つの攻撃ユニットを"自殺"させ,その都市を攻撃してみれば,違う結果が出たりする。これは,そのターンでの戦闘や文化的な影響力といった事柄の計算式が,そのターン以前の状況に従い,ソフト側がランダムに勝ち負けの"基準"(プラスアルファ)を決定していることを意味する
 これはCiv3の隠しパラメータのようで,例えば「1回めの戦闘はα%攻撃側が有利」,「2回めの戦闘はβ%防御側が有利」……となっていると思われる。同じ体力値を持つ弓兵(攻撃力2)が槍兵(防御力2)を平地で襲った場合,勝率は毎回5分5分になるのではなく,どちらかが有利になるようなプラスアルファが,極端な場合槍兵の防御値を倍増してしまうというように,その戦闘ごとに計算されているというわけだ。このプラスアルファとして計算される乱数が,プレイヤーに不利になるように5回続くターンもあれば,プレイヤーが連続してたやすく勝利できる場合もあるだろう。
 だからこそ,セーブ&リロードが重要になってくる。うまくいかなければ,1ターンどころか5ターンでも10ターンでも戻って,やり直してせばいいのである。このセーブ&リロードと呼ばれる手法は,通常なら"姑息な手段"として考えられがちだが,Civ3の天帝レベルは,もはや普通に遊ぶゲームと考えないほうがいい。もはや,ゲームの一部であると割り切って,つまずいたら数ターン戻る覚悟でプレイするしか,勝機を探っていくことなどできないのだ。大雑把にいえば,勝つまでの過程を楽しむだけでなく,勝つことにこだわって遊ぶゲームモードだと形容できるだろうか。
 しかし天帝レベルでは,セーブ&リロードを駆使してもなお,大抵の場合負けてしまうことだろう。Civ3の最難度は,それほどマゾヒスティックなゲームなのである。

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